2000年9・10月の読んだ本。



2000年9月に読んだ本。
(小説3冊、エッセイ2冊、その他1冊、計6冊)
  • 群ようこ 『本は鞄を飛び出して』  ★★★★☆
 アーヴィングの『ガープの世界』のことが、少しだけだけれど載っていたので手にとってみた一冊。海外の作家の作品についてのエッセイなんですが、どれも結構笑えて楽しいです。『ガープの世界』については10ページ位なので立ち読みだけでも、ぜひ読んで下さい。(本屋さん、御免ね。)

  • 村上春樹 編・訳 『月曜日は最悪だとみんなは言うけれど』  ★★★☆☆
 ジョン・アーヴィングやレイモンド・カーヴァ−、ティム・オブライエンといった現代アメリカ文学の作家の短篇やエッセイに、村上春樹の紹介文がついているもの。アーヴィングについてはジョン・ポール・ニューポートによるポートイレイトが掲載されている。

  • 高橋源一郎 『ペンギン村に陽は落ちて』  ★★★☆☆
 『さようなら、ギャングたち』という彼の作品がとても良かったので読んでみたのですが、どうもしっくりときませんでした。ちょっと人とは違う変わった文体を求めたいという気持ちはわかるのですが…。

  • カート・ヴォネガット 『ジェイルバード』  ★★★★★
 ひさびさのクリーンヒット!「面白い」という言葉がぴったりの小説でした。ジョン・アーヴィングの師匠でもあるヴォネガットは、アーヴィングのファンの方もきっと楽しく読めるはず。物語はウォーターゲート事件や赤狩りなど1900年代のアメリカの事件などとたくみにからんで展開されていくのですが、最後まですらすら読めてしまいます。ちなみにタイトルの「ジェイルバード」は「囚人」の意。

  • カート・ヴォネガット 『デットアイ・ディック』  ★★★☆☆
 次もヴォネガットの作品。つまらないという訳ではないのだけれど、直前に読んだ『ジェイルバード』がとても良かったのでそれと比べてしまい、ちょっと見劣りしてしまった…。残念。 物語は主人公がなぜ「デットアイ・ディック=必殺射撃人」と呼ばれるようになったのかなど。その他いろいろ。

  • 村上春樹 『またたび浴びたタマ』  ★★☆☆☆
 村上春樹による回文集。回文はトマトとか新聞紙のように上から読んでも下から読んでも、という例のヤツね。僕はアーヴィングのほかに村上春樹のファンでもあるのでつい買ってしまったが、(金もないくせに…。(笑))はっきり言って物足りなかった。確かに面白いことは面白いんだけど、わざわざ単行本にするほどのものなのか回文て?ホームページで回文を募集して、それに村上さんがおもしろストーリーをつけてくれる、とかいう企画だったら良かったかもしれない…。残念。




2000年10月に読んだ本。
(小説5冊、エッセイ1冊、計6冊)
  • 三谷幸喜 『俺はその夜多くのことを学んだ』  ★★★★☆ 
 脚本家の三谷幸喜さんによるショートストーリー。TVドラマ『古畑任三朗』や舞台『笑いの大学』の脚本家として有名な三谷さんですが、活字でも彼のセンスは健在です。この本とは関係ないのですが、数年前に深夜番組で三谷さんの脚本の『3番テーブルの客』を毎週違う監督、キャストでドラマ化するという番組がやっていて、とても面白かったのだけれどビデオになったりしてないのだろうか?原作も読んでみたいなあ。何かご存知の方いらっしゃいましたら教えて下さい。ぺこり。

  • ジョン・アーヴィング 『ホテル・ニューハンプシャー』(再読)  ★★★★★
 『ホテル・ニューハンプシャー』の再読。詳しい感想は作家別記録(ジョン・アーヴィング)に書く予定なのでここには書きませんが、すばらしい作品はやっぱし何度読んでもいいものですね。一度読んだものでも再読すると新たな発見、感動に出会えることがあるので、一度読んだ方も是非再読をお勧めします。

  • 群ようこ 『鞄に本だけつめこんで』  ★★★☆☆
 ご存知、群ようこさんの読書エッセイ。群さんが読んだ日本の作家の作品を群さんの実体験をまじえながら紹介しています。ほんとにスラスラ読めてしまうエッセイなのですが、ちゃんと紹介している作品を読者に読みたくさせてしまうところはさすがです。ちなみに僕は『三島由紀夫レター教室』というのを読みたくなりました。

  • ジョン・アーヴィング 『サイダーハウス・ルール』(再読)  ★★★★☆
 今月2冊目のジョン・アーヴィングの再読。相当久しぶりに読んだのですがやはり映画版より原作の方が僕は好きです。映画を見たけれど、小説はまだ読んでいない。という方がいらしゃいましたら是非小説も読んでくださいね。後悔はしないはず!
 こちらも作家別読書記録に詳ししい感想を書く予定です。

  • カート・ヴォネガット 『猫のゆりかご』  ★★★☆☆
 「本書には真実はいっさいない。」と言いきるこの作品は(なんだか、かっこう良いですね(笑)。)、嘘しか書いていない『ボコノンの書』に基づいた宗教「ボコノン教」にまつわるおはなし。『世界が終末をむかえた日』までをヴォネガット独特のユーモアで描いたこの作品ですが、「おっ!だんだんいい感じになってきたかな。」というところで作品が終わってしまって、何か物足りない感じを受けた。直前に読んだ『サイダーハウス・ルール』が長大過ぎた影響かもしれませんが。

  • 村上龍 『69(sixty-nine)』(再読)  ★★★★★
 村上龍の再読。数多くある多くの青春小説がそうであるように自伝的要素を多分に含んでいると思われるこの作品は、いわゆる青春ものの中でも僕が一番好きな作品。1969年、米軍基地のある港町佐世保の九州有数の公立進学校、佐世保北高校の生徒である主人公ヤザキを中心としたこの物語はとても青臭くそして泣けるストーリーだ。くぅ〜、切ないぜ!
 個人的には主人公の通う高校が「佐世保北高校」であるため物語にしばしば登場する「北高」「北高生」というフレーズにドキドキがさせられた。それは僕が埼玉県の平凡な公立高校「〜北高」に通っていたからである。

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