1958年、ロングアイランド。 4歳の少女ルースは、母がアルバイトの少年エディとベッドにいるところを目撃する。 死んだ兄たちの写真におおわれた家。 絵本作家で女ったらしの父。 悲しみに凍りついたままの母は、息子たちの写真だけもって姿を消う。 母を失ったルースと、恋を失ったエディがのこされた。 夏が終わろうとしていた―。 母の情事を目撃してから37年。 こわれた家族とひとつの純愛の行きつく先は?『ガープの世界』以来の傑作と各紙誌絶賛。 20世紀最後のアーヴィング最新長篇。 1990年、ニューヨーク。 いまや世界的人気作家のルースは、冴えない小説家のエディと再会する。 アムステルダムで彼女は、父の絵本のモグラ男そっくりの犯人が、娼婦を殺害するのを見てしまう。 5年後。 ルースは幼子を抱えた未亡人。 エディは相も変わらぬ独身暮らし。 謎のカナダ人作家の存在が二人をゆすぶり、オランダ人の警官まであらわれて…。 遠い夏の日から37年。 毀れた家族と一つの純愛の行きつく先は?圧倒的ストーリー展開、忘られぬ人物造形、緻密なディテール、胸を打つエピソード、そして登場人物の手になる小説内小説―。 長篇小説の愉しみのすべてがここにある。 新潮社 john irving collection より |
※WEB新潮立ち読みコーナーにて『未亡人の一年』の冒頭部を読むことが出来ます。
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