記事タイトル:軽度発達障害の簡易鑑定について 


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お名前: 春風パセリ   
 私は、四十代後半の男性です。不安障害やうつ症状で、精神科通院歴が10年余
りあります。
 つい昨年の11月頃に、アスペルガー障害について知り、当初は私の父によく当て
はまっている特徴であると思っていたのですが、専門の書籍等を読み進むうちに
、自分のことであることが分かり、目からウロコが落ちる思いでした。
  
  私の子供時代からの「変わった傾向」やある種の精神疾患(強迫神経症、離人
症、視線恐怖症
 など)まで、発達障害の副次的か、あるいは二次障害であることが理解できまし
た。
  
  主治医に是非、私の「自閉症」傾向なり、アスペルガー症状なり調べて欲しい
、とお願いして2006年1月に、WAIS−Rを実施してもらいました。
  結果は、言語性知能と動作性知能に評価点で26点の乖離が見られ、総合IQで
は111でした。が、下位検査間でのバラつきが大きく、言語性では「数唱」が高く
「理解」が低い、動作性では「組合せ」が突出して高く、「絵画配列」と「絵画
完成」が低いという特徴がでました。
 
  私は事前に、聞き取りと回想による幼少期からの自己エピソード(A4で6枚)
を主治医に提出して読んでもらい、WAIS検査の結果とも併せて判定をお願い
しました。
  
  回答は、「広汎性発達障害」であり、自閉症スペクトラムのどこかに位置付け
られる、おそらくは「アスペルガー症候群」であろうが、診察室の態度や言動も
正常だし、総合IQも110以上あるのだし、「アスペルガー障害」として「障害」
の状態にあるとまでは言えないのではないか、というお話で、軽症の「アスペル
ガー症候群」だろうという結論でした。
 (専門医ではないので、確定診断とは言えないかもしれませんが、脳画像診断は
、発達障害の診断基準が確立されてない以上、やっても無意味だから、と主治医
からは言われてます。)
 
  主治医は「発達障害」の専門医ではありませんが、「軽症」という判定には納
得し得ないものがあります。単に私が「受動的タイプ」のアスペルガーなだけで
、言語性IQは126ありましたが、これは自分の不足する能力を、知性化すること
で懸命に補ってきた結果に過ぎません。知性化の努力を怠れば、「社会性」や「
コミュニケーション」能力の全体が、劣化し始めます。 (私は、状況を知性化
して立ち居振舞うことに、もう「疲れてきている」のです。)
  
  肢体不自由者が松葉杖をつけば歩けるのだから、「歩ける人」の部類だと言う
人は、誰もいません。私のようなアスペルガー・タイプの人間の、「知性化」や
「パターン化」とは、独自に自分で作り上げた、足の不自由な人が歩くための「
杖」と同じものなのです。この「杖」は物ではないので簡単には手に入りません
し、誰もくれません。自分で作るしかないし、どんな対人状況にも対応する完璧
な「杖」も存在しません。
 
  「適応」しているから「障害者」ではないという言い方は間違いです。「適応
」しているから「軽症者」という捉え方も間違いです。脳機能のオルガニックな
器質性疾患なのです。幸運にも適応できる環境に恵まれていても、脳の「障害」
の状態は一生変わらないのです。
 
  アスペルガー等の広汎性発達障害が、国際疾病分類であるICDの分類では「
器質性疾患」ではなく、心理的な発達の障害として扱われていることにも、異論
を唱えたくなります。それではまるで、「育ち」や「養育環境」が悪かったかの
ような因果論で片付けられかねません。
 (ICDについては、私は専門家ではないので、私の理解に偏りがあるのかもし
れませんが。)
 
  とにかく、社会や行政が「発達障害者」を「支援」するのなら、先ず、子供の
発達障害も成人のそれも同じように扱い、社会的な啓蒙普及活動をして頂きたい
し、何よりも、成人の発達障害への鑑別診断をしてくれる医療機関や医師が極め
て少ない現状から考えると、街中にある最寄の精神科や神経科、心療内科でもア
スペルガー等の「簡易診断」を促進してくれるように、医師会等の関係機関が組
織的に連携して、取り組みと働きかけをしてくれるように望みます。
 
  「発達障害者支援」などと法律まであるのに、「未診断」で悩んでいる方々に
具体的に役に立つ施策もなく、格好付けで看板だけ立てて、ハコ物までは作るが
、実質の制度機能は批判があったら考えるという、いつもの行政のパターンがち
らついていて、障害者福祉の美名や掛け声だけで、中身のないのは、そろそろ止
めにしてもらいたいです。
[2006/02/07 14:56:11]

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