投稿者 : pengin_ 投稿日時 : 2003/08/26 17:51
【自閉症の困難さの認定】
希望者には「自閉症カード」を交付するシステムが必要だと思います。
通常、これは自閉症の関連団体が行うものですが、重症度のいかんにかかわらず、知的
発達の遅れを伴っているいない、社会生活が送れているかどうかということには一切無
関係に、自閉症スペクトラム障害(広汎性発達障害)と認定される人で希望する人すべ
てに発行するものです。
しかし、自閉症スペクトラム障害と認められるすべての人が、必ずしも自閉症であるこ
とにアイデンティティを見出すわけではないし、こういうカードを持っていても社会的
には認知されていないことを考えると、あまり意味がないと思う人には押し付けないよ
うなシステムでなければいけないと思います。
障害者手帳の等級認定に当たって、自閉症である場合の判断基準を、早急に整備する必
要があると思います。
言葉が出ていれば障害は軽いという判定の仕方は、自閉症に関しては全く通用しませ
ん。自閉症としての重症度(かかわり障害・コミュニケーション障害・こだわり障害の
重症度/感情の共感性や心の理論の通過度もここに含みます)に基づいた判定基準を、
早急に作成する必要があると思います。
また、移動ができれば身体的な障害が軽いという判定の仕方も、自閉症に関しては意味
がありません。遠位覚(聴覚・視覚)の過敏・近位覚(触覚・温感覚)の過敏・姿勢保
持の困難があると、移動はできても居ることのできる場所が限られてしまいます。これ
らの感覚が鈍感な場合は、安全管理ができません。注意の障害も、管理能力に影響しま
す。
これらの困難が生来のものとしてある場合は、決してなくなることはないものです。発
達に伴って軽くなったり、療育と本人の努力によって苦痛が減ったりすることはありま
すが、周囲が工夫することで軽減される要素が大きいものです。支援を求めるための十
分な根拠の一つとして、その困難を認めるべきだと思います。
また、表に現われる行動の問題を基準にすると、周囲の人たちの困難さをバロメーター
に重症度を量ることになります。しかしそれは、本人の感じている困難さを表すもので
はありません。後に精神的な他の障害を発症する例が多いのは、この主客の認識のズレ
が原因になっていると考えて、基準を作成されることを切に願います。
[2004/05/10 13:17:56]