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テーマ: 【言葉と発達の学習室の掲示板からの転記】
「学校で、○○君にいじめられた。」と言う場合も、実は「自分が人の通り道に立っていて、
そこを通る子とちょっと接触しただけ」だったり、「自分が寝っ転がっていたら、踏まれた」
ということがよくありました。
初めのうちは、本当に"認知の偏り"が原因で"思い込んでいる"事が多いので、「いじめられた
のではなくて、こういうことだ」と説明すれば納得します。でも、我慢することができなくて
・我慢するのがいやで、反抗的態度を取る場合もあります。
これを、「反抗している」とか「逆らっている」と解釈してしまうと、本当に反抗挑戦性障害
にしてしまうというのが、結構良くあるパターンです。そういう場合は、"不満な気持ちを赤
裸々に表現してしまうので、人に何かをしてもらうように・人をその気にさせることが下手"
だということなので、その気持ちを汲んであげて見透かしてしまった方がこじれずにすむと思
います。
[2001年9月10日 20時34分53秒]
お名前: ペンギン
[ADHD児にも、早期発見が必要な理由]
小学校の教室をざっと見回すと、いかにもADHDらしいクリクリとした目をして、ADHD
らしい動きをしている子ども(だいたい男子)が、必ず何人かいる。それから、パッと見では
分からないが、「不注意」症状だけ持っているような子どももいるようだ。
その中には、合併症が全くなくて問題行動も起こさないけれど、どう考えても典型的なADHD
の子どももいる。例えば、「おやつが出そうな時間にやって来て、お菓子だけ食べてサッと帰っ
てしまう。」とか、「人から借りたものを持ち歩いて、その日のうちにどこにやったかわから
なくなり、おまけに借りたことも忘れてしまった。」とかいうエピソードがたくさんあって、
他の子どもから「ずるい」とか「だらしない」と言われていたりもする。
(正確に言うと、こういう子たちは「障害:Disorder」ではなく「症候群:Syndrom」なので、
ADHSとかADSと呼ぶべきなのだろうが、そもそも注意欠陥と多動に関しては「症候群」
レベルは医療の対象外なので、そういう用語はありません。)
しかし、それよりも圧倒的に多いのは、健常の「落ち着きのない子ども」「自己中心的な子ども」
「感情的な子ども」で、特に、「ちょっとしたことでも気に障ると、物凄い剣幕で怒る子ども」
で、実はこういう子どもたちの方が接し方が難しい。それで、親が、子どもを怒らせないよう
に遠慮がちになってしまったり、「子どもの気持ちが分からなくて、とにかく無事に育って欲
しいと戦々恐々としている」そうだ。(これは、ある会合で聞いた話。)
それから比べると、二次障害を起こす前のADHD児の方が、遥かに対応はしやすい。何故な
ら、「診断基準」に記述されていることが、そっくりそのまま「ずるい」「だらしない」と思
われるような行動をする理由なので、そういう子だと思って大人が態度を変えるだけで、改善
してしまう部分がかなりあるからだ。
幼児期~小学校低学年のうちに診断がついていれば、「不注意」や「衝動性」のために問題行
動を起こした時、自分では気がつかないうちにしていることを「教えてあげる」ことができる。
つまり、「忘れている」とか「ちょっと待ちなさい」といってあげることができる。そして何
よりも重要なのは、本人に「不注意や衝動性という特性があること」を告げることができるこ
とだ。更に、「自分が悪いのではない、けれど、結果としてやってしまったことは良いことで
はないので、自分をコントロールする訓練をしなければいけない」こともはっきり言えるし、
本人も喜んでやろうとする。
ただ、単に「不注意」と「衝動性」だけが主ではなく、始めから「精神的努力の持続を厭う」
傾向がある子どもだと、回避的・依存的になりやすい。
また、「自分の思い通りにならないと気が済まない」とか、「誉められることを非常に喜ぶ」
傾向がある子どもだと、集団生活の中ではどうしても「自分の要求が通るとは限らない」し
「他人から良い評価を得ることがなかなかできない」ことに対して「不満」を感じやすいので、
あからさまな不服従を示したり、集団行動を拒否しがちになる。
特に、何らかの認知の障害があって特異的発達障害(言葉・運動・読み・書き・計算能力の遅
れの内のどれか)を合併している場合だと、みんなと同じように出来なかったり、物事の理解
が悪くて年齢相応に期待されることができなかったりするので、上記の傾向が強くなる。
しかし、この時点では、意図的に「反抗する」ことで何らかの不満を表明しようとする「反抗
挑戦性障害」でもなければ、その「行為をする」こと自体が目的で意図的に非行を繰り返す
「行為障害」でもない。
もし、小学校高学年以降に、これらの「破壊的行動障害」が発症してしまってから気づかれた
場合には、対人関係のこじれや環境に対する不満といった二次的な問題が絡んでいる。そうなっ
てからはじめて、本人に「不注意」「衝動性」といった特徴があるとか学習能力の遅れがあり、
ましてやそれは「障害」だったなどと告知してしまうと、逆効果になる。
何故なら、心理的な不満や感情的な反感の方が大きくなっているから。そして、それが「障害」
だとなると、「だったら、もうどうしようもない」と「悲観」したり「開き直って」しまう可
能性が高くなる。
(つまり、こうなってしまうと、ADHDの「診断基準」の各項目に書かれている特徴だけで
は、その行動の説明にはならないということ。感情的にこじれた健常児の扱いにくさと同じ、
心理的な要因が加わるので、ストレートに本人に教えたり、直接的な訓練を施すことがし難く
なる。)
[2001年4月30日 0時31分19秒]
お名前: ペンギン
普通なら自然に働くはずの、大人に対する配慮とか社会的な状況認知がないこと。
衝動的に行動してしまって、気づいた時には「既に、してしまっている」こと。
「注意」が転動しやすいので、別のことをやっているのに本人が気づいていないこと。
これらの特徴を、幼児の内にいち早くつかんでいると、余計な叱責をしなくて済む・されなく
て済む。
知らずにいると、「わけがわからないのに叱られ続けたこと」で心理的にこじれてしまう。
そして、大きくなってからだと、「不注意」を指摘されることを非常にいやがるし、「衝動性」
に理解を示しても心理的な鬱積を晴らしたいという不満の方が先に立ってしまう。
小さいうちは、衝動的にしてしまった行為に対して、結果として「悪いこと」だと教える必要
がある。けれど、動機に「悪気が無いこと」は周囲の人に説明してあげなければならない。
ある程度大きくなって(特に小学校に入って)、字が読めるようになったら(1年生の段階で
は無理かもしれない)、聴覚の失認や視覚の混乱がありながらも少しずつ物事の区別や意味が
わかるようになる。そうしたら、「良い事」と「悪い事」の理解がだんだんに良くなってくる。
そして、「できないこと」はあまり触れずに、「できたこと」をしっかり見届けてうーんと誉
めてあげる。そうやって、「正の行動」を強化する必要がある。
「しつけのなっていない、悪い子」扱いされるのは危険だけれど、「どこにでもいる普通の子」
「元気が良くて・独創的で・好奇心が旺盛なだけ。そんなに目くじら立てることはない。」と
容認しすぎてしまうのも、結果的には本人のためにならない。
[2001年4月11日 9時40分5秒]
お名前: ペンギン
【言葉と発達の学習室り掲示板からの転写】
>場の理解・・・つまり、今はどういう場面なのかを理解する力ですね
それ以前に、あまりにもちょこちょこといろんなものに注意が向いて(つまり、注意が転動し
て)、その度に衝動的に動き回るので、「場」に注意が向かない。
「場」に注意が向かなければ、当然、場面の状況もわからない。
ひとつひとつの「場面の状況」が分からなければ、当然、それらの前後関係が分からないから、
物事の成り立ちも・道理も・順番も分からない。(ただし、ADHD児は一つ一つの因果関係
を辿って行くことはできる。)
「場」を「理解」するのは、その後です。
・・・「注意」と「理解」の間には、いくつものステップがあるんですよ。
[2001年1月9日 7時42分3秒]
お名前: ペンギン
【困ったさんの洞穴からの転写】-二学期の成長-
自分が食べようとした物に誰かがちょっと触っただけで「汚くなった」と、ゴネる。
何でもかんでも自分が優先になっていないと、スネる。
明らかに人に対して、イヤガラセやアテツケをする。
万事、対象は〈他人〉なのだ。〈人〉に向って強力に「自分」をアピールする。
しかも、「注意」の転動性・衝動性がひどいので入力段階で不正確な情報に基づく推論が
「正しい」と思い込んでいるから、間違いを指摘されると怒る。
私は、次男がいつもゴムやプラスチックの玩具の部品を口に入れてクチャクチャやっているの
は、感覚的に必要だと知っているからやらせている。
それから、どうして何もかもがやりかけで・我慢をすることができず・分別の無い衝動的な行
動をし倫理的に許されない発言をしてしまうのかも知っている。
でも、どう説明しても、これらのことは気持ちの悪いこと・分かっていても隠すべきこと・躾
のなっていないだらしないことでしかないのだ。
「ひきざんをしましょう」って書いてあるけど、何すればいいの? と聞いて来る。
こりゃあ、見事なLDだ。でも、数の概念はちゃんとあるし、8-5を「8から5を引いたら、
いくつになる」に言い直せばできるのだ。
この次男、未だにトイレで○○○をした後に水を流さない。でも、これは、一つ一つの動作が
バラバラで関係性が分からないから(これは「自閉症」)ではない。注意の転動がひどくて、
すぐに次のことに気をとられてしまったり、自分が今必要としていることだけしかしないから。
ADHD流・処世術。(注:私のことではない。私は監督。)
とりあえず、床に落ちているゴミは捨てる。
さしあたり、床にある物は何かの上に置く。
とにかく、「箱」に放り込む。
こうすると、部屋が片付くわけではないが、キレイには見える。
『にんげんゆうゆう』で、ボクのことをやっていたから、ビデオを見たいと次男が言い出した。
(つくづく、「その通りだ!」と思ったそうだ。)
ビデオをかけたら、案の定、他のことをやって遊んでいる。「お~い、見るの忘れてるぞー!」
と言ったら、「ボクは、注意が4秒しか続かないんだ。」と言っていた。
何がスゴイって、この数字がイイ線捉えているところだ。(長男は、そのくらいの学年の頃、
0.5秒だった。)
今日も、「行ってきま~す!」と勢い良く飛び出そうとしたその背中には、ランドセルが無か
った。
学校が休みの度に、一箇所ずつADHD状態を収拾させている。今日は、ある部屋の番。
例によって、まずはゴミ捨て、次にとりあえずカゴにぶち込んで自分の部屋に持って行く、
それから「わけのわからない○○シリーズの箱」に仕分けさせる。
最初の二つだけで、いったい何時間かけるつもりなんだろう!?
同じボーダーでも、「自閉症」の長男は小1の段階ではまだ周りが全く見えていなかった。
でも、ADHDの次男は、字が書けないこと・運動能力はあるのにみんなと一緒のことが
できないこと…ちゃんと分かっている。
「ボクのことをお母さんが学校に来て説明してくれたから、ボクが出来なくてもいいこと
になっている。」とは言うものの、授業内容に巻き込まれたくない時は、自分で自分の机
を教室の隅に移動しているそうだ。かといって、普段から授業に参加しているわけではな
く、毎日自分で計画を立てて工作とお絵描きにいそしんでいる。
この次男、雨が降るたびに傘をひとつ壊す。
自分の傘の取り扱い方がいかに雑だか、全然気がついていない。
今日は、学校休みの第二土曜日。で、とーぜん、「おかたづけ」の日。
最近は、散らかし方があまりひどくないので、いつもは一箇所ずつだが今日はまとめて二箇所。
手順と役割分担が頭に入ったらしくて、早いこと早いこと。「ほ~ら、えらいでしょ!」だっ
て。それから、やっぱり言った、「ご褒美は?」・・・クッキー2枚じゃ!
ADHDの人が、いろんなことがやりかけで散らかっているのを見て、「だらしがない!」と
言ってはいけない。そういう時は、「○○をするのを忘れている」と教えてあげましょう。
[2000年12月9日 7時43分9秒]
お名前: ペンギン
-現在小学校1年生の次男(ADHD)の、この夏休みの成長-
1、そこら中のお金を勝手に持ち出して使わなくなった。いくらの・何を・どこで買うか、
ちゃんと申請して買物に行けるようになった。
2、お店の人がお客さん扱いしてくれるのをいいことに、平気で迷惑をかけるようなことを
しなくなった。一つの店には一日一回だけ行き、余計なことをしゃべらないことを徹底
させた。
3、お店が休みとか店の人がちょっと留守しただけで、ふてくされたり八つ当たりしたりす
ねたりしなくなった。相手にも事情があることを理解して、「待つ」ことができるよう
になった。←と言うより、説得されて我慢している段階。
4、ひらがなの読み書きが、だいぶ出来るようになった。
5、ある程度まとまった時間は、机に向って勉強できるようになった。
6、ラジオ体操の列の一番最後に加わり、少しは腕を振ったりして真似をするようになった。
[2000年12月9日 7時31分32秒]
お名前: ペンギン
【↓の続き】
第一段階の、「音に注意を向ける」をクリアーしたら、次は「言葉に注意を向ける」に移行し
ます。
で、雑音から「言葉」を聞き分ける訓練をする前に、「人の言ったことを正確に復唱させる
(興味を引きそうなことから始めて、最後の問題は真面目なのにする)」とか「聞いたなぞな
ぞを覚えて、第三者に謎掛けをする」というステップを一つ入れると良いですよ。
[2000年12月7日 15時15分32秒]
お名前: ペンギン
【アサクラ・タウンの療育掲示板からの転写】
これは、「注意」の障害の一種で、「音の指向性の識別障害」です。自分に向けられた「音
(つまり、呼びかけの言葉)」や重要な情報としての「音(自分には向けられていないけれど
も、雑音とは違うものとして認識された言語)」を識別することができないのです。
「指向性」の障害は、恐らくとっても根の深い問題なので、「注意」を向けさせる為に肩を叩
くとか、目の前で手をパチンと叩いて知らせるとかいう方法を取った方が良いと思います。
で、雑音と言語の音声を「識別」する方は、正にその為にリタリンを飲んで脳の活動を活性化
させようというのですから、薬の効いている時間を有効に使うというのも考えてみては?
『ゲートウェイ社会性開発プログラム』の中に、聴覚の「注意」を促す訓練というのがありま
す。以下、それを列挙します。
1、テープに録音された音が、何の音か当てさせる。
2、うしろでボールを弾ませ、回数を数えさせる。
3、いろんなリズムで手を叩いて、正確に再現させる。
4、いろんな硬さの物を見せ、まずその特徴を述べさせる。その後、目隠しをして
その物を落とし、何を落としたのか当てさせる。
5、まず、子どもに目隠しをする。指導者は、部屋中を手を叩いたり何かの音を出
したりしながら歩き回る。子どもは四つんばいになって、その後を追う。
6、まず、子どもに目隠しをする。複数の人が色んな音のする物を持ち、部屋のあ
ちこちに座る。一人ずつ音を出し、どの方向から聞こえて来たかを当てる。
7、部屋のどこかに音のするタイマーを隠し、それを探させる。
8、音楽をかけながら、何かの行動を指示し、聞き分ける力を養う。
[2000年12月7日 15時14分55秒]
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