記事タイトル:診断基準一覧 


書き込み欄へ  ヘルプ
お名前: ペンギン   
「児童精神医学」領域における分類と、「家族療法」の方法。

1、発達障害:一つ、或いは、複数の領域の機能の発達が正常に進行していないことによるもの
   ・注意欠陥障害[ADD]/注意欠陥多動性障害[ADHD]
   ・広汎性発達障害[PDD]
     自閉症〔autism〕/非定型自閉症、或いは、特定不能の広汎性発達障害[PDD−NOS]
     レット障害/小児期崩壊性障害
     アスペルガー症候群[AS]
   ・特異的発達障害[LD]
     会話および言語の特異的発達障害
     学習能力の特異的発達障害(読字障害/書字障害/算数障害)
     運動機能の特異的発達障害[MSD]、或いは、発達性協調運動障害[DCD]
   ・精神発達遅滞[MR]

2、反社会的行動障害:社会が期待する社会的行動規範を学習し損ねたことによるもの
   ・行為障害(非行)[CD]
   ・反抗挑戦性障害(不良)[ODD]
  ※これらの障害には、読字障害や抑うつが随伴してみられることが多い。
 (補1)Pattersonによる「反社会的行動障害を起こさせないために、親が避けるべきこと」
   a、「家」の決まりの欠如。―すなわち、食事や他の活動時に一定の決まり事がなく、
     子どもがしてもよいこと、してはならないこと、もしくは子どもがいかに振る舞うべ
     きかが明確でないこと。
   b、両親が子どもの行動を把握しておらず、子どもが今まで何をしてきて、何を感じて
     いるのかを知らないこと。
   c、意味ある一貫性の欠如。―つまり望まれない行動に対して首尾一貫しない対応をし
     たり、望まれる行為に対して逆に脅したり、すぐ報酬を与えたりして、すぐ失敗す
     る場合。
   d、家庭内の危機や問題に対処する手腕に欠け、緊張や口論が生じてもそれが円満に解
     決されない場合。
 (補2)Pattersonによる「反社会的行動障害を起こさせないために、親が学ぶべきこと」
   a、はっきりした家庭のルールを作って実行し、食事その他の活動に関して期待される
     事柄も明確に決めておく。
   b、常に子どもの行動を把握することにより、子どもが何を行い、どう感じているかを
     知る。
   c、不測の事態に有効に対処し、子どもの行動に対して一定の反応をする。そして必要
     な時には適切な報酬と対応でフォローする。
   d、家庭の危機や問題に対処する有効な技術を持てば、緊張や言い争いは手遅れになる
     前に解決する。

3、情緒障害:直接的、或いは、間接的に表現される過度の不安を主な特徴とするもの
   ・不安障害[AD]
     パニック障害[PD](広場恐怖を伴うもの/伴わないもの)
     (パニック障害を伴わない)広場恐怖〔agoraphobia〕
     特定の恐怖症(単一恐怖症/学校恐怖症など)
     強迫性障害[OCD]
     外傷後ストレス障害[PTSD]/急性ストレス障害
     その他の不安障害(社会不安障害/分離不安障害/愛着障害など)
   ・身体表現性障害
     身体化障害:疼痛・胃腸症状・偽神経的症状や身体的愁訴によって表される不安状態
     転換性障害(転換ヒステリー):運動および感覚脱失によって表される不安状態
     身体醜形恐怖症:外見上の欠陥に対する病的なとらわれ
     心気症:重篤な病気に罹ることへの恐怖・罹っているという異常な懸念
   ・解離性障害
     解離性健忘/解離性遁走
     離人症
     多重人格障害
4、気分障害(感情障害)
   ・原発性(単極性/双極性)
   ・続発性(身体疾患に続発/他の精神疾患に続発)
5、小児分裂病
6、適応障害:同定可能な心理社会的ストレス因子に反応して3ヶ月以内に起きた、臨床上重
       要な感情面・行動面の症状
7、その他
   ・てんかん
   ・遺尿症/遺糞症
   ・性同一性障害
   ・チック障害/トゥレット障害
   ・吃音症/選択的場面緘黙症
   ・摂食障害(異食症/反芻性障害/神経性無食欲症/大食症/肥満)
   ・睡眠障害(不眠症/過眠症/夜驚症/夢中遊行症)
   ・常同運動障害/衝動抑制障害(間歇性爆発性障害/抜毛症)

(補3)Kazdinによる「親子の不適切な相互関係」による問題行動を改善するPMT(parent 
       management training)の概要
 a、治療は本来両親と共に進められ、両親は教わった手法を家庭で行う。
 b、両親は新たな方法で問題行動を認識、定義し観察するよう教わる。
 c、治療は社会学習原則に則っており、肯定的強化、(強化の中止や権利の剥奪といった)
   「軽い懲罰」、交渉、不測の事態に対する契約などが含まれる。
 d、治療セッション自体では、治療技法がどのように行われどのように自分たちで身につけ
   て行くべきかを両親が学び、家庭で起こった変化を再検討する。

(補4)Kraemerによる「両親の治療とカウンセリング」の目的
 「その目的は、子どもの問題や子どもを悩ませている要因やその問題を持続させている要因
 を両親に理解させることである。これは両親が演じてきた役割を必然的に含むことになるが、
 子どもの問題に関して両親を非難するようなことは避けなければならない。親の多くは、問
 題をもったことを十二分に罪深く感じているので、治療者は事態をそれ以上悪化させるべき
 ではない。両親が子どもの治療やリハビリにおいて鍵となる役割を果たしていることを強調
 することで、両親に積極的に関わってもらうことが重要なのである。」


          『児童精神医学の基礎』(フィリップ・バーカー著)より抜粋
[2001年4月28日 11時49分9秒]

お名前: ペンギン   
ギルバーグとギルバーグによる「アスペルガー症候群」の臨床記述。

・社会的な相互作用における重大な障害。このような子どもは相互的に他者と遊んだり影響し
 あったりすることがなく、他の子どもたちと一緒にいることに対する興味を欠いており、社
 会的信号を理解して適切に反応することができず結果的に奇妙な社会的行動を示すことにな
 る。
・ある事柄に対して、すべてをつぎ込むような限定された関心を示すこと。この関心は常に極
 端な状態にあり、他の事柄への関心を排除する傾向がある。
・人生のすべてあるいはほとんどの局面において、常同的な決まった型やある事柄への特別な
 関心をもちこんで、それを押しつけようとすること。
・言語と話し方に関する問題。言語発達は遅れ、「表面的には(完全に)表現に富んで」いて
 も、「形式的で衒学的な」傾向があり、単調で断音的なことが多い。
・非言語的コミュニケーションの問題。これには、限られたあるいはぎこちない身ぶりや不適
 切な表現といったことが含まれる。
・運動のぎこちなさ。(これは、典型的には敏捷である自閉症児と、この症候群の子どもを区
 別する特徴のひとつである。)
・彼らは集団活動、特に荒っぽいゲームなどを緊張に富むものと感じる。
・他には以下のような特徴がある。
 従うよう強制されたときの強情さや攻撃的な感情の爆発、自分自身の思考体系や信念―例え
 ば電子機器や恐竜や宇宙旅行などへの没頭、情緒的孤立、取りつかれてでもいるかのような
 融通のなさ、時には妄想観念を伴うような感覚の鋭敏さ、平均あるいは平均以上に評価され
 ているにも関わらず生じてくる学習上の問題、そして少数のケースにみられる風変わりな行
  動、などである。

             『児童精神医学の基礎』(フィリップ・バーカー)著より


同、「アスペルガー症候群」の診断基準。

1、社会性の欠陥(極端な自己中心性)。  [次のうち少なくとも2つ]
   a、友達と相互に関わる能力に欠ける。
   b、友達と相互に関わろうとする意欲に欠ける。
   c、社会的シグナルの理解に欠ける。
   d、社会的・感情的に適切さを欠く行動。
2、興味・関心の狭さ。          [次のうち少なくとも1つ]
   a、ほかの活動を受けつけない。
   b、固執を繰り返す。
   c、固定的で無目的な傾向。
3、反復的な決まり。           [次のうち少なくとも1つ]
   a、自分に対して、生活上で。
   b、他人に対して。
4、話し言葉と言語の特質。        [次のうち少なくとも3つ]
   a、発達の遅れ。
   b、表面的にはよく熟達した表出言語。
   c、形式的で、細かなことにこだわる言語表現。
   d、韻律の奇妙さ、独特な声の調子。
   e、表面的・暗示的な意味の取り違えなどの理解の悪さ。
5、非言語コミュニケーションの問題。   [次のうち少なくとも1つ]
   a、身ぶりの使用が少ない。
   b、身体言語(ボディランゲージ)のぎこちなさ/粗雑さ。
   c、表情が乏しい。
   d、表現が適切でない。
   e、視線が奇妙、よそよそしい。
6、運動の不器用さ。
   神経発達の検査成績が低い。

       『ガイドブック・アスペルガー症候群』(トニー・アトウッド)著より
[2001年4月27日 15時43分33秒]

お名前: ペンギン   
(注)これらのエピソードは、それ自身の診断コード番号を持たず、独立した疾病単位として
   診断することはできないが、疾患の診断の構成部分として用いられるものである。


[気分エピソード/大うつ病エピソード] (DSM−4による)

A、以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に存在し、病前の機能からの
  変化を起こしている;これらの症状のうち少なくとも1つは、(1)抑うつ気分または
  (2)興味または喜びの喪失である。
  ●明らかに、一般身体疾患、または気分に一致しない妄想または幻覚による症状は含まな
   い。
  1、その人自身の言明(例えば、悲しみまたは、空虚感を感じる)か、他者の観察(例え
    ば、涙を流しているように見える)によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎
    日の抑うつ気分。
    ●小児や青年ではいらいらした気分もありうる。
  2、ほとんど1日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興
    味、喜びの著しい減退(その人の言明、または他者の観察によって示される)。
  3、食事療法をしていないのに、著しい体重減少、あるいは体重増加(例えば、1ヶ月で
    体重の5%以上の変化)、またはほとんど毎日の、食欲の減退または増加。
    ●小児の場合、期待される体重増加がみられないことも考慮せよ。
  4、ほとんど毎日の不眠または睡眠過多。
  5、ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止(他者によって観察可能で、ただ単に落
    ち着きがないとか、のろくなったという主観的感覚ではないもの)。
  6、ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退。
  7、ほとんど毎日の無価値観、または過剰であるか不適切な罪責感(妄想的であることも
    ある)、(単に自分をとがめたり、病気になったことに対する罪の意識ではない)。
  8、思考力や集中力の減退、または、決断困難がほとんど毎日認められる(その人の言明、
    または他者の観察によって示される)。
  9、死についての反復思考(死の恐怖だけではない)、特別な計画はないが反復的な自殺
    念慮、自殺企画、または自殺するためのはっきりとした計画。
B、症状は混合性エピソードの基準を満たさない。
C、症状は臨床的に著しい苦痛または、社会的・職業的、または他の重要な領域における機能
  の障害を引き起こしている。
D、症状は、物質(例:乱用薬物、投薬)の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患(例:
  甲状腺機能低下症)によるものではない。
E、症状は死別反応ではうまく説明されない。すなわち、愛する者を失った後、症状が2ヶ月
  をこえて続くか、または、著明な機能不全、無価値観への病的なとらわれ、自殺念慮、精
  神病性の症状、精神運動性制止があることで特徴づけられる。


[気分エピソード/躁病エピソード] (DSM−4による)

A、気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または易怒的ないつもとは異なった期間が、少な
  くとも1週間持続する(入院治療が必要な場合はいかなる期間でもよい)。
  ※軽躁病エピソードの場合は、4日間。
B、気分の障害の期間中、以下の症状のうち3つ(またはそれ以上)が持続しており(気分が
  単に易怒的な場合は4つ)、はっきりと認められる程度に存在している。
  1、自尊心の肥大、または誇大。
  2、睡眠欲求の減少(例えば、3時間眠っただけでよく休めたと感じる)。
  3、普段よりも多弁であるか、喋り続けようとする心迫。
  4、観念奔走、またはいつくもの考えが競い合っているという主観的な体験。
    ※観念奔走とは、「思考の流れの障害の一つで、思考の進みが速く目的から離れた観
     念が表面的な結びつきで次々と出現し、わき道にそれてしまうこと。」(『精神科
     ポケット辞典』より)
  5、注意散漫(すなわち、注意があまりにも容易に、重要でない関係のない外的刺激に転
    動される)。
  6、目標志向性の活動(社会的、職場または学校内、性的のいずれか)の増加、または精
    神運動性の焦燥。
    ※精神運動性の焦燥(精神運動興奮)とは、「意欲が亢進し激しい行動過多の状態
     (いわゆる多弁、多動、不穏な状態)をさし、意欲および行動の異常の意味で用い
     られている。」(『精神科ポケット辞典』より)    
  7、まずい結果になる可能性が高い快楽的活動に熱中すること(例えば、制御のきかない
    買い漁り、性的無分別、馬鹿げた商売への投資などに専念すること)。
C、症状は混合性エピソードの基準を満たさない。
D、気分の障害は、職業的機能や日常の社会活動または他者との人間関係に著しい障害を起こ
  すほど、または自己または他者を傷つけるのを防ぐために入院が必要であるほど重篤であ
  るか、または精神病性の特徴が存在する。
  ※軽躁病の場合は、それほど重篤でなく、精神病性の特徴も存在しない。
E、症状は、物質(例:乱用薬物、投薬、あるいは他の治療)の直接的な生理学的作用や一般
  身体疾患(例:甲状腺機能亢進症)によるものではない。


[気分エピソード/混合性エピソード] (DSM−4による)

A、少なくとも1週間のほとんど毎日、躁病エピソードの基準と大うつ病エピソードの基準を
  (期間を除いて)ともに満たす。
B、気分の障害は、職業的機能や日常の社会活動または他者との人間関係に著しい障害を起こ
  すほど、または自己または他者を傷つけるのを防ぐために入院が必要であるほど重篤であ
  るか、または精神病性の特徴が存在する。
C、その症状は、物質の直接的な生理学的作用(例:乱用薬物、投薬、あるいは他の治療)、
  または一般身体疾患(例:甲状腺機能亢進症)によるものではない。
[2001年4月24日 11時14分32秒]

お名前: ペンギン   
【常同性運動障害】(ICD−10による)

A、身体的受傷をもたらすほど、あるいは正常な活動を著しく妨げるほどの常同性の運動。
B、少なくとも1ヶ月間の持続。
C、ICD−10における他の精神および行動の障害(精神遅滞以外で)がないこと。

〔F98.40〕非自傷性/〔F98.41〕自傷性/〔F98.42〕混合性


【常同性運動障害】(DSM−4による)

A、反復し、駆り立てられるようにみえ、かつ非機能的な運動行動(例えば、手をふるわせたり、
  振ったりする、身体を揺する、頭を打ちつける。物を口に入れる、自分の身体を噛む、皮膚
  または身体の穴をつつく、自分の身体を叩く)。
B、この行動によって正常な活動が著しく障害されるか、または医学的治療を要するような身体的
  自傷を起こす(または予防的措置が講じられなければ、外傷を来したと思われる)。
C、精神遅滞が存在する場合、常同行動または自傷行動が治療の対象となるほど重症である。
D、この行動は強迫行動(強迫性障害にみられるような)やチック(チック障害にみられるような)、
  広汎性発達障害の部分症状である常同性、または抜毛(抜毛癖にみられるような)ではうまく
  説明されない。
E、この行動は物質や一般身体疾患の直接的な生理学的作用によるものではない。
F、この行動は4週間またはそれ以上持続する。

[2001年4月24日 9時45分40秒]

お名前: ペンギン
【アスペルガー症候群】(ICD−10:研究用診断基準による)

A、表出性・受容性言語や認知能力の発達において、臨床的に明らかな全般的遅延はないこと。
   ○診断にあたっては、2歳までに単語の使用ができており、また3歳までに意思の伝達
    のために二語文(フレーズ)を使えていることが必要である。
  身辺処理や適応行動および周囲に向ける好奇心は、生後3年間は正常な知的発達に見合う
  レベルでなければならない。
  しかし、運動面での発達は多少遅延することがあり、運動の不器用さはよくある(ただし、
  診断に必須ではない)。
  突出した特殊技能が、しばしば異常な没頭にともなってみられるが、診断に必須ではない。
B、社会的相互作用における質的異常があること(自閉症と同様の診断基準)。
C、度はずれに限定された興味、もしくは限定的・反復的・常同的な行動・関心・活動性のパ
  ターン(自閉症と同様の診断基準。しかし、奇妙な運動、および遊具の一部分や本質的で
  ない要素へのこだわりをともなうことは稀である)。
D、障害は、広汎性発達障害の他の亜型、単純型分裂病、分裂病型の障害、強迫性障害、強迫
  性人格障害、小児期の反応性・脱抑制性愛着障害などによるものではない。
[2001年4月24日 9時32分25秒]

お名前: ペンギン
【非定型自閉症】(ICD−10:研究用診断基準による)

A:3歳以降に現れる、発達異常または発達障害の存在(発症年齢を除いて自閉症に関する診
  断基準を満たす)。
B:相互的な社会関係やコミュニケーションにおける質的異常、または行動や興味および活動
  性のパターンが制限され反復的・常同的であること(自閉症の診断基準のうち、異常な領
  域の数に関する基準は満たしていない)。
C:自閉症の診断基準を満たさない。
※自閉症は、発症年齢または症候のどちらかの点で非定型となりうる。

〔F84.10:発症年齢の非定型性〕
  A、自閉症の基準A項を満たさない。つまり、発達異常または発達障害が、3歳以降にな
    ってはじめて明らかとなる。
  B、自閉症の基準B・C項を満たすこと。

〔F84.11:症候上の非定型性〕
  A、自閉症の診断基準A項を満たす(つまり、3歳以前に発達異常または発達障害がみら
    れる)。
  B、相互的な社会関係やコミュニケーションの質的異常、または行動や興味および活動性
    のパターンが制限され反復的・常同的であること(自閉症の診断基準のうち、異常な
    領域の数についての基準は満たさなくてよい)。
  C、自閉症の基準C項を満たすこと。
  D、自閉症の基準B項のすべては満たさないこと。

〔F84.12:発症年齢および症候の両者の非定型性〕
  A、自閉症の基準A項を満たさないこと。つまり発達異常または発達障害が、3歳以降に
    なってはじめて明らかとなる。
  B、相互的な社会関係やコミュニケーションの質的異常、または行動や興味および活動性
    のパターンが制限され反復的・常同的であること(自閉症の診断基準のうち、異常な
    領域の数についての基準は満たさなくてよい)。
  C、自閉症の基準C項を満たすこと。
  D、自閉症の基準B項のすべては満たさないこと。
[2001年4月24日 9時16分7秒]

お名前: ペンギン
【小児自閉症(自閉症)】(ICD−10:研究用診断基準による)  

A:3歳以前に、次にあげる領域のうち少なくとも1項の発達異常または発達障害が存在する
  こと。
   1、社会生活のためのコミュニケーションに利用する受容性言語または表出性言語。
   2、選択的な社会的愛着の発達、または相互的な社会関係行動の発達。
   3、機能的遊戯または象徴的遊戯。
B:1,2,3から併せて、少なくとも6症状が存在し、そのうち1から2項目以上、2と3
  からそれぞれ1項目以上を含んでいること。
   1、相互的な社会関係における質的異常として、次にあげる領域のうち少なくとも2項
     が存在すること。
      a、視線・表情・姿勢・身振りなどを、社会的相互作用を調整するための手段と
        して適切に使用できない。
      b、(機会は豊富にあっても精神年齢に相応した)友人関係を興味・活動・情緒
        を相互に分かちあいながら十分に発展させることができない。
      c、社会的・情緒的な相互関係が欠如して、他人の情動に対する反応が障害され
        たり歪んだりする。または、行動を社会的状況に見合ったものとして調整で
        きない。あるいは社会的・情緒的・意思伝達的な行動の統合が弱い。
      d、喜び・興味・達成感を他人と分かちあおうとすることがない(つまり、自分
        が関心をもっている物を、他の人に見せたり、持ってきたり、さし示すこと
        がない)。
   2、コミュニケーションにおける質的異常として、次にあげる領域のうち少なくとも1
     項が存在すること。
      a、話しことばの発達遅延または全般的障害があり、身振り手振りでコミュニケ
        ーションを補おうとする試みをともなわない(なん語で意志の伝達ができな
        かったという既往のあることが多い)。
      b、(言語能力はさまざまな程度に認められるにもかかわらず)他人とのコミュ
        ニケーションで相互に会話のやりとりを開始したりまたは持続したりするこ
        とにたいてい失敗する。
      c、常同的・反復的な言葉の使用、または単語や文節の特有な言い回し。
      d、さまざまなごっこ遊び、または(若年であれば)社会的模倣遊びの乏しさ。
   3、行動や興味および活動性のパターンが制限され、反復的・常同的であるが、次にあ
     げる領域のうち少なくとも1項が存在すること。
      a、単一あるいは複数の、常同的で限定された興味のパターンにとらわれており、
        かつその内容や対象が異常であること。または、単一あるいは複数の興味が、
        その内容や対象は正常であっても、その強さや限定された性質の点で異常で
        あること。
      b、特定の無意味な手順や儀式的行為に対する明らかに強迫的な執着。
      c、手や指を羽ばたかせたり絡ませたり、または身体全体を使って複雑な動作を
        するなどといった、常同的・反復的な奇異な運動。
      d、遊具の一部や機能とは関わりのない要素(たとえば、それらが出す匂い・感
        触・雑音・振動)へのこだわり。
C:その臨床像は、次のような原因で起こっているのではないこと。つまり広汎性発達障害の
  他の亜型、二次的な社会的・情緒的諸問題をともなう受容性言語の特異的発達障害、反応
  性愛着障害、または脱抑制愛着障害、何らかの情緒ないし行動の障害をともなう精神遅滞、
  ごく早期に発症した精神分裂病、レット症候群など。
[2001年4月24日 8時31分43秒]

お名前: ペンギン   
【気分変調性障害】(DSM−4による)

A.抑うつ気分がほとんど1日中存在し、それのない日よりもある日の方が多く、その人自身の
  言明または他者の観察によって示され、少なくとも2年間続いている。
(注)小児や青年では、気分はいらいら感であることもあり、また期間は少なくとも1年間は
   なければならない。
B.抑うつの間、以下のうち2つ(またはそれ以上)が存在すること:
 (1)食欲減退、または過食。
 (2)不眠、または過眠。
 (3)気力の低下、または疲労。
 (4)自尊心の低下。
 (5)集中力低下、または決断困難。
 (6)絶望感。
C.この障害年の期間中(小児や青年については1年間)、一度に2ヶ月を越える期間、基準
  AおよびBの症状がなかったことはない。
(以下、省略)


【気分循環性障害】(DSM−4による)
A.少なくとも2年間にわたり、軽躁病状態を伴う多数の期間と、抑うつ症状を伴うが大うつ
  病エピソードの基準は満たさない多数の期間の存在。
B.上記の2年(小児や青年の場合は1年)の気寒中、1度に2ヶ月を越える期間、基準Aの
  症状がなかったことがない。
(以下、省略)


※但し、どちらも診断には、臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的、または他の重要な
 領域における機能の障害を引き起こしていることが条件。
[2000年12月26日 16時39分30秒]

お名前: ペンギン   
【会話および言語の特異的発達障害】(ICD−10からの抜粋)

[特異的会話構音障害]
・構音の誤りがあり、その結果他人がその会話内容を理解できない。
・話音の省略、歪み、あるいは置き換え、語音の同時生起のさいの不一致(すなわち、ある語
 の位置では正しく音韻を発することができるが、他の位置ではできない)。
[表出性言語障害]
・ごく限られた語彙の発達。
・一般的な語の簡単な組合せの過度の使用。
・適切な語の選択の障害と語の代用。
・発語の短縮。
・未熟な文章構造。
・文章構成の誤まり。とくに語尾と接頭辞の省略、代名詞、動詞と名詞の語尾変化のような文
 法的特徴の誤用や使用の欠如。
・文の流暢さが欠けたり、過去の出来事を述べるさいに前後関係がわからなくなるような、規
 則の誤まった過度な一般化。
[受容性言語障害]
※広汎性発達障害の基準が満たされていない時のみに適用される。
・満1歳までに(非言語的な手がかりのないときに)よく知っている名称に反応することがで
 きない。
・18ヶ月になっても、2〜3のありふれた物さえも同定できない。
・2歳までに簡単な決まりきった指示に従うことがない。
・その後の困難として、文法構造を理解できないこと(否定文、疑問文、比較文など)、言葉
 のより微妙な側面の理解に欠けること(声色、気配など)が含まれる。
[2000年12月23日 13時44分54秒]

お名前: ペンギン   
【運動機能の特異的発達障害(発達性協調運動障害)】(ICD−10による)

※この障害の主要徴候は全体的知能の遅れや、(協調の異常に含まれるようなもの以外の)
 先天的あるいは後天的神経障害によっては説明できない、協調運動の発達の重篤な機能障害
 である。運動の不器用さは、ふつう視空間−認知課題での遂行の障害とある程度関係する。
[診断ガイドライン(抜粋)]
幼児:歩き方全体がぎこちなく、走る、跳ぶ、階段の昇降を覚えるのが遅い。靴ひもを結ぶこ
   と、ボタンの掛けはずし、キャッチボールの習得に困難を来しやすい。
小児:微細および/または粗大運動が不器用で、物を落としたり、つまずいたり、障害物にぶ
   つかったり、書字が下手な傾向がある。描画力は通常不良で、この障害をもった小児は
   しばしば、ジグソーパズル、構成的玩具の使用、模型の組立て、ボール遊び、地図を描
   いたり読んだりすることが下手である。
[2000年12月23日 13時19分44秒]

お名前: ペンギン   
【学習能力の特異的発達障害(LD)】(ICD−10による)
                                  −診断ガイドラインよりの抜粋−

【読字障害】
※早期の学習段階では、簡単な韻をふむこと、そして(正常な聴力であるにもかかわらず)音
 を分析したり分類したりすることに困難がみられる場合がある。
[次のような音読の誤まり]
1、語あるいは語音の一部の省略、置きかえ、歪み、あるいは付加。
2、読みの速度が遅いこと。
3、読みはじめを誤まる、なかなか読み出せない、あるいは本文の中で「読んでいる箇所を見
  失う」こと、および不正確な言い回し。
4、文章の中での単語あるいは単語の中での文字の反転。
[次に示されるような読みの理解力の不足]
1、読んだことを再生できない。
2、読んだ素材から結論や推論を引き出すことができない。
3、読んだ物語についての質問に答えるために、特定の物語から得られた情報よりむしろ背景
  的な情報としての一般的知識を使用すること。
※児童期の後期や成人期において、書字困難が読字の困難よりもいっそう重篤になるのが普通
 である。書字困難はしばしば発音の誤まりをともなっているのが特徴であり、読字と書字の
 問題はともに一部は音声学的な解析の障害に由来しているようにみえる。発音通りでない言
 語を読まなければならないさいの、書字の誤まりの性質や頻度についてはほとんど知られて
 いない。(中略)
 読みの特異的発達障害には、会話あるいは言語の発達障害の既往が先行するのが一般的であ
 る。他の場合には、小児は言語の発達指標を正常の年齢で通過することがあり、音の分類や、
 韻をふむことの問題、そしておそらく話音の識別、聴覚的経時的記憶、聴覚性の連想の欠陥
 で示されるような聴覚性処理の困難をもっている。またある場合には視覚性処理に問題(た
 とえば文字識別)がみられることがある。
(以下、省略)

【書字障害】
※この障害の主要徴候は特異的読字障害の既往のないも書字力の発達における特異的な障害である。

【算数障害】
※この障害は(代数学、三角法、幾何学あるいは微積分学のような、より抽象的な数学力より
 はむしろ)加減乗除のような基本的な計算力の習得に関係している。
算数の困難さはさまざまな現れ方をするが、次のようなものが含まれる。
・特殊な算数操作の基本となる概念を理解できないこと。
・算数用語や符号の理解に欠けること。
・数字を認識しないこと。
・標準的な算数操作を行うことが困難であること。
・考えている算数問題に関してどの数字が適当かを理解することが困難であること。
・数字を正しく並べることが困難であること。
・算数計算の空間的な組立てが下手であること。
・掛け算表を十分に学習できないこと。
[2000年12月23日 12時12分1秒]

お名前: ペンギン   
【適応障害の分類】(DSM−4による)

[抑うつ気分を伴うもの]:優勢に見られるものが、抑うつ気分、涙もろさ、または絶望感など
            の症状である場合。
[不安を伴うもの]:優勢に見られるものが、神経質、心配、または過敏などの症状、または子
         供の場合には主要な愛着の対象からの分離に対する恐怖などの症状である
         場合。
[不安と抑うつ気分の混合を伴うもの]:優勢に見られるものが、不安と抑うつの混合である場
                  合。
[行為の障害を伴うもの]:優勢に見られるものが、他人の権利、または年齢相応の主要な社会
            的規範や規則を犯すなどの行為の障害(例:怠学、破壊、無謀運転
            喧嘩、法的責任の不履行)である場合。
[情緒と行為の混合した障害を伴うもの]:優勢に見られるものが、情緒的症状(例:抑うつ、
                   不安)と行為の障害(上記の病型を参照のこと)の
                   両方である場合。
[特定不能]:心理社会的ストレス因子に対する不適応な反応(例:身体的愁訴、社会的引きこ
      もり、または職業上または学業上の停滞)で、適応障害のどの特定の病型にも分
      類できないもの。
[2000年12月23日 11時18分10秒]

お名前: ペンギン   
【精神発達遅滞】(DSM−4による)

A.明らかに平均以下の知的機能:個別施行による知能検査で、およそ70またはそれ以下の
  IQ(幼児においては、明らかに平均以下の知的機能であるという臨床的判断による)。
B.同時に、現在の適応機能(すなわち、その文化圏でその年齢に対して期待される基準に適
  合する有能さ)の欠陥または不全が、以下のうち2つ以上の領域で存在:意志伝達、自己
  管理、家庭生活、社会的/対人的技能、地域社会資源の利用、自律性、発揮される学習能
  力、仕事、余暇、健康、安全。
C.発症は18歳未満である。

[軽度精神遅滞]  IQレベル50−55からおよそ70
[中等度精神遅滞] IQレベル35−40から50−55
[重度精神遅滞]  IQレベル20−25から35−40
[最重度精神遅滞] IQレベル20−25以下
[2000年12月23日 10時56分3秒]

お名前: ペンギン   
【強迫性障害】(DSM−4による)

A.強迫観念または強迫行為のどちらか。

[(1)と(2)と(3)と(4)によって定義される強迫観念。]
 (1)反復的、持続的な思考、衝動、または心像で、障害の期間の一時的には侵入的で不適
    応なものとして体験され、強い不安や苦痛を引き起こすことがある。
 (2)その思考、衝動または心像は、単に現実生活の問題についての過剰な心配ではない。
 (3)その人は、この思考、衝動、または心像を無視したり抑制したり、または何か他の思
    考または行為によって中和しようと試みる。
 (4)その人は、その強迫的な思考、衝動または心像が(思考吹入の場合のように外部から
    強制されたものではなく)自分自身の心の産物であると認識している。
[(1)と(2)によって定義される強迫行為。]
 (1)反復的行動(例:手を洗うこと、順番に並べること、確認をすること)または心の中
    の行為(例:祈ること、数を数えること、声を出さずに言葉を繰り返すこと)であり、
    その人は強迫観念に反応して、または厳密に適用しなくてはならない規則に従って、
    それを行うよう駆り立てられていると感じている。
 (2)その行動や心の中の行為は、苦痛を予防したり、緩和したり、または何か恐ろしい出
    来事や状況を避けることを目的としている。しかし、この行動や心の中の行為は、そ
    れによって中和したり予防したりしようとした物とは現実的関連を持っていないし、
    または明らかに過剰である。
B.この障害の経過のある時点で、その人は、その強迫観念または強迫行為が過剰である、ま
  たは不合理であると認識したことがある。
  (注)これは子供には適用されない。
C.強迫観念または強迫行為は、強い苦痛を生じ、時間を浪費させ(1日1時間以上かかる)、
  またはその人の正常な毎日の生活習慣、職業(または学業)機能、または日常の社会的活
  動、他者との人間関係を著明に障害している。
(以下、省略)
[2000年12月23日 10時42分38秒]

お名前: ペンギン   
【外傷後ストレス障害(PTSD)】(DSM−4による)

A.その人は、以下の2つが共に認められる外傷的な出来事に暴露されたことがある。
 (1)実際にまたは危うく死ぬまたは重傷を負うような出来事を、1度または数度、または
    自分または他人の身体の保全に迫る危険を、その人が体験し、目撃し、または直面し
    た。
 (2)その人の反応は強い恐怖、無力感または戦慄に関するものである。
 (注)子供の場合はむしろ、まとまりのないまたは興奮した行動によって表現されることが
    ある。
B.外傷的な出来事が、以下の1つ(またはそれ以上)の形で再体験され続けている。
 (1)出来事の反復的で侵入的で苦痛な想起で、それは心像、思考、または知覚を含む。
 (注)小さい子供の場合、外傷の主題または側面を表現する遊びを繰り返すことがある。
 (2)出来事についての反復的で苦痛な夢。
 (注)子供の場合は、はっきりとした内容のない恐ろしい夢であることがある。
 (3)外傷的な出来事が再び起こっているかのように行動したり、感じたりする(その体験
    を再体験する感覚、錯覚、幻覚、および解離性フラッシュバックのエピソードを含む、
    また、覚醒時または中毒時に起こるものを含む)。
 (注)小さい子供の場合、外傷特異的な再演が行われることがある。
 (4)外傷出来事の1つの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけに暴
    露された場合に生じる、強い心理的苦痛。
 (5)外傷出来事の1つの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけに暴
    露された場合の生理的反応性。
C.以下の3つ(またはそれ以上)によって示される、(外傷以前には存在していなかった)
  外傷と関連した刺激の持続的回避と、全般的反応性の麻痺。
 (1)外傷と関連した思考、感情または会話を回避しようとする努力。
 (2)外傷を想起させる活動、場所または人物を避けようとする努力。
 (3)外傷の重要な側面の想起不能。
 (4)重要な活動への関心または参加の著しい減退。
 (5)他の人から孤立している、または疎遠になっているという感覚。
 (6)感情の範囲の縮小(例:愛の感情を持つことができない)。
 (7)未来が短縮した感覚(例:仕事、結婚、子供、または正常な一生を期待しない)。
D.(外傷以前には存在していなかった)持続的な覚醒亢進症状で、以下の2つ(またはそれ
  以上)によって示される。
 (1)入眠または睡眠維持の困難。
 (2)易刺激性または怒りの爆発。
 (3)集中困難。
 (4)過度の警戒心。
 (5)過剰な驚愕反応。
E.障害(基準B、C、およびDの症状)の持続期間が1ヶ月以上。
F.障害は、臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的または他の重要な領域における機能
  の障害を引き起こしている。
[2000年12月23日 10時14分0秒]

お名前: ペンギン   
[パニック発作](DSM−4による)
※これは、不安障害に随伴して起こる症状の1つで、単独の障害ではありません。

 強い恐怖または不快を感じるはっきりとくべつできる期間で、その時、以下の症状のうち4
つ(またはそれ以上)が突然に発現し、10分以内にその頂点に達する。
1、動悸、心悸亢進、または心拍数の増加。
2、発汗。
3、身震いまたは震え。
4、息切れ感または息苦しさ。
5、窒息感。
6、胸痛または胸部不快感。
7、嘔気または腹部の不快感。
8、めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ。
9、現実感消失(現実でない感じ)、または離人症状(自分自身から離れている)。
10、コントロールを失うことに対する、または気が狂うことに対する恐怖。
11、死ぬことに対する恐怖。
12、異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)。
13、冷感または熱感。


【特定の恐怖症】(DSM−4による)

A.ある特定の対象または状況(例:飛行、高所、動物、注射をされること、血を見ること)
  の存在、または予期をきっかけに生じた、強くて持続的な恐怖で、過剰または不合理な
  ものである。
B.恐怖刺激に暴露されると、ほとんどの場合、直ちに不安反応が誘発され、それは、状況
  依存性または状況誘発性のパニック発作の形をとることがある。
 (注)子供の場合は、大声で泣く、かんしゃくを起こす、動作が止まってしまう、または
    しがみつくなどの形に表現されることがある。
C.その人は、恐怖が過剰であること、または不合理であることを認識している。
 (注)子供の場合は、こうした特徴のない場合もある。
D.その恐怖状況は回避されているか、そうでなければ、強い不安または苦痛を伴い耐え忍ば
  れている。
E.回避、不安を伴う予期、または恐怖状況の中での苦痛のために、その人の正常な毎日の生
  活習慣、職業上の(または学業上の)機能、または社会活動や他者との関係が障害されて
  おり、またはその恐怖症があるために著しい苦痛を感じている。
(以下、省略)
[2000年12月23日 9時33分38秒]

お名前: ペンギン   
【行為障害】(DSM−4による)

A.他者の基本的人権または年齢相応の主要な社会的規範または規則を侵害することが反復し
  持続する行動様式で、以下の基準の3つ(または以上)が過去12ヶ月の間に存在し、基
  準の少なくとも1つは過去6ヶ月の間に存在したことによって明らかとなる。
 [人や動物に対する攻撃性]
  a.しばしば他人をいじめ、脅迫し、威嚇する。
  b.しばしば取っ組み合いの喧嘩をはじめる。
  c.他人に重大な身体的危害を与えるような武器を使用したことがある。
    (例えばバット、煉瓦、割れた瓶、小刀、銃)
  d.人に対して身体的に残酷であったことがある。
  e.動物に対して身体的に残酷であったことがある。
  f.被害者に面と向って行う盗みをしたことがある(例えば、背後から襲う強盗、ひった
    くり、強奪、武器をつかっての強盗)。
  g.性行為を強いたことがある。
 [所有物の破壊]
  h.重大な損害を与えるために故意に放火したことがある。
  i.故意に他人の所有物を破壊したことがある(放火による以外)。
 [嘘をつくことや窃盗]
  j.他人の住居、建造物または車に侵入したことがある。
  k.物や好意を得たり、または義務をのがれるためしばしば嘘をつく(すなわち、他人を
    “だます”)。
  l.被害者と面と向うことなく、多少価値のある物品を盗んことがある(例:万引き、た
    だし破壊や侵入のないもの、偽造)。
 [重大な規則違反]
  m.13歳未満ではじまり、親の禁止にもかかわらず、しばしば夜遅く外出する。
  n.親または親代わりの人の家に住み、一晩中、家を空けたことが少なくとも2回あった
    (または長期にわたって家に帰らないことが1回)。
  o.13歳未満からはじまり、しばしば学校を怠ける。
B.この行動の障害が社会的、学業的、または職業的機能に臨床的に著しい障害を引き起こし
  ている。
(以下、省略)
[2000年12月23日 0時5分44秒]

お名前: ペンギン   
【感覚統合機能障害の分類】(エアーズによる)

1、視空間知覚。
2、聴覚−言語。
3、体性感覚。
4、触覚防衛。
5、姿勢反応。
6、神経筋の状態。
7、前庭機能障害。
8、両側統合障害。
9、発達性協調運動障害(運動企画障害)。
10、左脳半球障害。
12、右脳半球障害。

【感覚統合検査の下位項目】(〃)
1、視空間知覚の評価。
  (空間視覚化テスト、図−地テスト、空間位置テスト、図形模写テスト)
2、体性感覚の評価。
  (運動覚テスト、図形操作知覚テスト、手指判別、手背の文字判別、局徴、二点同時刺激
   識別テスト、触覚防衛)
3、聴覚言語の評価。
  (ことばの理解、ことばの類推、ことばの表現、文の構成、数の記憶)
4、運動の評価。
  (筋のコントロール、姿勢メカニズム、バランス機能、協調運動、運動企画)
[2000年12月22日 23時38分54秒]

お名前: ペンギン   
【小児自閉症評定尺度[CARS]のチェック項目】

1、人との関係。
2、模倣(言語性および動作性)。
3、感情。
4、身体の使い方。
5、物との関係。
6、環境変化に対する適応。
7、視覚による反応性。
8、聴覚による反応性。
9、近受容器(触覚・味覚・臭覚・痛覚)による反応性。
10、不安反応。
11、言語性のコミュニケーション。
12、非言語性のコミュニケーション。
13、活動水準。
14、知的機能。
15、全体的印象。
[2000年12月22日 23時11分17秒]

お名前: ペンギン   
【アスペルガー症候群(高機能自閉症)の特徴】(内山登紀夫先生の講演会資料より)

[社会性の障害]
・友人を好むように見える。
・自分の空間(パーソナルスペース)を守る。
・急に近づかれるとびっくりする。
・人に近づくときに相手を見なかったり、不適切な合図を送る。
・形式ばって、大人っぽく、しゃちこばって振舞うことで苦手な社交の場を切り抜けようとする。
・相手によって振る舞いを変えない(校長も友人も同じように接する)。

[コミュニケーションの障害]
◎基本的な文法や語彙は習得している。
・コミュニケーションとは何かということの理解が弱い。
・自分の意見を言うときに、どのように言うべきかに迷う。
・単調な会話、声の大きさやイントネーションの調節が苦手。
・話をしていると自分の好きな話題に戻っていく。
・冗談、比ゆ、ほのめかし、皮肉などで混乱する。
・形式ばった話し方や、細かい点にこだわった話方になりやすい。
・緊張したり、ストレスが加わると普段のように話せない。
・表情や身振りが乏しい、相手の表情や身振りの理解が困難。

[思考の柔軟性の乏しさ]
・想像的な遊びが限られている・
・コレクション(物集め)、分解、組み立てなどを好む。
・ごっこ遊びの発達が遅れがちで反復的になりやすい。
・同じ状態を好み、変化を嫌う。
・具体的で予測可能なことを好む。
・他者の目で自分の行動を見ることが苦手。
[2000年12月22日 23時1分49秒]

お名前: ペンギン   
【注意欠陥/多動性障害】(DSM−4による)

A.(1)が(2)のどちらか:
 (1)以下の不注意の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月以上続いたこ
    とがあり、その程度は不適応的で、発達の水準に相応しないもの。
   [不注意]
    a.学業、仕事、またはその他の活動において、しばしば綿密に注意することができ
      ない、または不注意な過ちをおかす。
    b.課題または遊びの活動で注意を持続することがしばしば困難である。
    c.直接話しかけられた時にしばしば聞いていないように見える。
    d.しばしば指示に従えず、学業、用事、または職場での義務をやり遂げることがで
      きない(反抗的な行動または指示を理解できないためではなく)。
    e.課題や活動を順序立てることがしばしば困難である。
    f.(学業や宿題のような)精神的努力の持続を要する課題に従事することをしばし
      ば避ける、嫌う、またはいやいや行う。
    g.(例えばおもちゃ、学校の宿題、鉛筆、本、道具など)課題や活動に必要なもの
      をしばしばなくす。
    h.しばしば外からの刺激によって容易に注意をそらされる。
    i.しばしば毎日の活動を忘れてしまう。
 (2)以下の多動性−衝動性の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月以上
    持続したことがあり、その程度は不適応的で、発達水準に相応しない。
   [多動性]
    a.しばしば手足をそわそわと動かし、またはいすの上でもじもじする。
    b.しばしば教室や、その他、座っていることを要求される状況で席を離れる。
    c.しばしば、不適切な状況で、余計に走り回ったり高い所へ上ったりする(青年ま
      たは成人では落着かない感じの自覚のみに限られるかも知れない)。
    d.しばしば静かに遊んだり余暇活動につくことができない。
    e.しばしば“じっとしていない”またはまるで“エンジンで動かされるように”
      行動する。
    f.しばしばしゃべりすぎる。
   [衝動性]
    g.しばしば質問が終わる前にだし抜けに答えてしまう。
    h.しばしば順番を待つことが困難である。
    i.しばしば他人を妨害し、邪魔する(例えば、会話やゲームに干渉する)。
B.多動性−衝動性または不注意の症状のいくつかが7歳未満に存在し、障害を引き起こして
  いる。
C.これらの症状による障害が2つ以上の状況において(例えば、学校または仕事と家庭)存
  在する。
D.社会的・学業的または職業的機能において、臨床的に著しい障害が存在するという明確な
  証拠が存在しなければならない。

《混合型》過去6ヶ月間A1とA2の基準をともに満たしている場合。
《不注意優勢型》過去6ヶ月間、基準A1を満たすが基準A2を満たさない場合。
《多動性−衝動性優勢型》過去6ヶ月間、基準A2を満たすが基準A1を満たさない場合。      
[2000年12月22日 22時43分45秒]

お名前: ペンギン   
【多動性障害】(ICD−10による)

 多動性障害は発達の早期(通常生後5年以内)に生じる。その主な特徴は、認知の関与が必
要とされる活動を持続できず、どれも完結することなく1つの活動から次の活動へと移る傾向
であり、そしてそれに体制化されない調節不良の過度の運動をともなう。このような問題は通
常、学齢期を通じて持続し、時に成人期まで持続するが、しかし多くの例で通常、しだいに行
動や注意の改善がみられる。
 他のいつくかの異常が合併することがある。多動児はしばしば向こうみずで、衝動的で、事
故を起こしやすく、熟慮の末の反抗というよりは軽率な規則違反を犯すため、しつけの問題と
されることになる。彼らの大人との関係では、しばしば社会的な抑制が欠如し、ふつうにみら
れるはずの注意や遠慮がない。他の子供との関係では人気がなく、孤立しがちで、認知の障害
が通常みられ、運動発達や言語発達の特異的な遅れが不相応に頻繁にみられる。
(一部、省略)

[診断ガイドライン]
 注意の障害と多動が基本的特徴である。両者が診断に必要であり、1つもしくはそれ以上の
状況で両者を明らかにしなければならない(たとえば家庭、教室、病院など)。
 注意の障害は、課題を未完成で中止したり、活動が終らないうちに離れてしまったりするこ
とで明らかになる。こういった子供たちはしばしば1つの活動から次の活動へ移るが、おそら
く他のことに気が散り、1つの課題に注意を集中できないためと思われる(しかし臨床検査で
は通常、異常な程度の知覚や認知の転動性を示さない)。持続性と注意の欠陥は、その子ども
の年齢とIQから考えて過度な場合にのみ診断されるべきである。
 多動は、とくにおとなしくしていなくてはならない状況において、過度に落着きがないこと
を意味する。状況によって、走り回りはね回る、あるいは座ったままでいるべきときに席から
立ち上がる、あるいは過度にしゃべり騒ぐ、あるいはもじもじそわそわしていることが含まれ
る。判定の基準は、状況から予想される程度より活動が過度でかつ、同じ年齢とIQの他の小
児と比較して活動が過度であることが必要である。この行動特徴が最も顕著となるのは、行動
の自己統制が高度に必要とされる、構造化され組織化された状況である。
 以下の随伴する特徴は診断には必ずしも十分でも必要でもないが、診断の確認に役立つ。社
会的関係での抑制欠如、多少危険な状況でも向こうみずであること、社会的規則に対する衝動
的な軽視(他人の活動に干渉したり妨げたり、他人が質問を終らないうちに答えたり、順番を
待つのが困難であったりすること)などである。
(一部、省略)
 特徴的な問題行動は早期に発見(6歳以前)し、長く持続するもである。しかしながら、入
学前には正常範囲の幅が大きいので、多動と認定するのは困難である。学齢以前の幼児では程
度が極度の場合のみ診断がなされる。
[2000年12月22日 18時58分38秒]

お名前: ペンギン   
【自閉症】(ICD−10による)

 3歳以前に現れる発達の異常および/または障害の存在、そして相互的社会的関係、コミュ
ニケーション、限局した反復的な行動の3つの領域すべてにみられる特徴的な型の機能の異常
によって定義される広汎性発達障害。この障害は女児に比べ男児に3倍ないし4倍多く出現す
る。

[診断ガイドライン]
 通常、先行する明確な正常発達の時期は存在しないが、もし存在しても、それは3歳以下ま
でである。相互的な社会関係の質的な障害が常に存在する。これらは、他者の情緒表出に対す
る反応の欠如、および/または社会的文脈に応じた行動の調節の欠如によって示されるような、
社会的−情緒的な手がかりの察知の不適切さ、社会的信号の使用の拙劣さと、社会的、情緒的、
およびコミュニケーション行動の統合の弱さ、そしてとくに社会的−情緒的な相互性の欠如と
いう形をとる。同様に、コミュニケーションにおける質的な障害も普遍的である。これらはど
のような言語力があっても、それの社会的使用の欠如、ごっこ遊びや社会的模倣遊びの障害、
言葉のやりとりのさいの同調性の乏しさや相互性の欠如、言語表現のさいの不十分な柔軟性や
思考過程において創造性や想像力にかなり欠けること、他人からの言語的および非言語的な働
きかけに対する情緒的な反応の欠如、コミュニケーションの調節を反映する声の抑揚や強調の
変化の使用の障害、および話し言葉でのコミュニケーションにさいして、強調したり意味を補
うための身振りの同様な欠如、という形をとる。
 またこの状態は、狭小で反復性の常同的な行動、関心、活動によっても特徴づけられる。こ
れらは日常機能の広い範囲にわたって、柔軟性のない型どおりなことを押しつける傾向を示す。
通常、これは、馴染んだ習慣や遊びのパターンにとどまらず、新しい活動にも当てはまる。と
くに幼児期に、ふつうでない、典型的な場合は柔らかくない物体に対する特別な執着がみられ
ることがある。小児は、無意味な儀式によって、特殊な決まりきったやりかたに固執すること
がある。これらは日時、道順あるいは、時刻表などへの関心に関連した、常同的な没頭である
ことがあり、しばしば常同運動がみられる。物の本質でない要素(たとえばそのにおいや感触)
に特別な関心をもつこともよくある。個人の環境において、いつも決まっていることやその細
部の変更(たとえば、家庭において飾りや家具を動かすことなど)に抵抗することがある。
 これらの特異的な診断特徴に加えて、自閉症の小児が、恐れ/恐怖症、睡眠と摂食の障害、
かんしゃく発作や攻撃性など一連の非特異的な問題を呈することがしばしばある。(手首を噛
むなどの)自傷はかなり一般的であり、とくに重度の精神遅滞が合併している場合にそうであ
る。自閉症をもった多くの人が、余暇を過ごすさい、自発性、積極性、創造性を欠き、(課題
自体は十分能力の範囲内のものでも)作業時に概念を操作して作業をすることが困難である。
自閉症に特徴的な欠陥の特異的な徴候は成長するにしたがい変化するが、これらの欠陥は、社
会性、コミュニケーション、興味の問題というパターンがほぼ同様のままで成人に達しても持
続する。診断がなされうるためには、発達の異常は生後3年以内に存在していなければならな
いが、この症候群はすべての年齢群で診断しうる。
 自閉症にはすべての水準のIQが随伴するが、約4分の3の症例では、著しい精神遅滞が認
められる。(※この値は、1992年のもの。)
[2000年12月22日 18時11分33秒]

他の方の書き込みはできません。
テーマ


半角カナは使用しないようにしてください。文字化けします。
記事一覧に戻る