記事タイトル:学習障害関連 |
【漢字ができない子どもへの指導の仕方】 漢字ができない理由にもいろいろある。 1、書字(運筆)そのものができない場合。 ⇒なるべく大きな見本を見せ、大きな紙に書かせる。一本一本の線の違いを見分けて、 一本一本の線を書き分ける練習が必要な場合がある。 できるだけ簡単で分かりやすい字から始めた方がよい。毛筆(の取り扱いができなけれ ば)やペンでの習字をしてもよい。 2、見てそのまま写すことが得意で、自力では全く漢字が書けない場合。 ⇒視空間認知や記憶などの障害が重いことがあるので、「読み」を中心に学習させ、自分 では書けなくてもワープロで変換された字を選べるようになれば良しとした方がいいこ とがある。 3、見たものをそのまま形状として記憶する力が強すぎて、書けるけれど一字に対して一つの 用途以外に応用できない場合。 ⇒一つの字がいろいろに使われたり、いろんな読み方があることを強引に理解させるより も、さまざまな場面ごとの記憶のストックを多くして、手掛かりを増やしていく方向に 持っていった方が、本人の抵抗が少ない。その中で、「ここで見たこの字と、あそこで 見たあの字」が同じということに、本人が気づくように促せば良い。 4、簡単な字は書けても、組合せが複雑になると書けなくなってしまう場合。 ⇒空間上の配置や構成ができなかったり、字を全体として見てしまうと部分ごとに分ける ことができずに面食らってしまっているので、字を部分に分けて一つ一つを構成してい る要素をハッキリさせ、図形的な配置を目に見える形に表わしてあげると良い。 例えば、「休」は「イ」+「木」で、形としては□+□というように。[2000年12月10日 8時43分13秒]
【位取りが分からない子どもへの対応】 視空間認知障害があって、数字がいくつか並んでいても上下・左右を無視してバラバラの 「数字」にしか見えていない可能性があることにも考慮する必要がある。 つまり、46と書いてあっても、「4」と「6」としてしか認知していないことがあると いうこと。(46も64も同じものになっている。) この場合は、位取りの部屋を作って、そこに入っている数字は「4」と書いてあるけれど 実際は「40」なのだということを教える。その時、お金を使うととっても分かりやすい。 何故なら、一円玉と十円玉は明らかに違うものなので、数としては同じだか質的に決定的 な違いがあることが視覚的にも分かるから。 また、視空間認知障害で縦軸が傾いている場合、筆算を書く時にまっすぐ下に書かずに斜 めに数字を書いてしまい、計算する時には真下の数で足したり引いたりしてしまうことが ある。 指導して、位取りにしたがってまっすぐ下に書けるのなら直せるが、それに応じられない ほど歪みがひどい場合は、その子なりの縦軸の線を書いてあげて、斜めになっているから その通りに計算するようにと指導する。[2000年12月8日 7時53分52秒]
【「引く」が分からない子どもへの対応】 1、前段階の準備として、逆唱(10→1へと)だんだん数を減らしていくが出来るか、 「ひとつ前の数」が分かっているかどうか確かめる。 2、具体物を使って、「なくなる」ことを体験させる。 マーブルチョコなら「食べる」、指人形なら「いなくなる」「帰る」など。 3、どういう数の数え方をしているかを観察する。指がいいのか、○を数えるのがいいのか。 4、その子に分かるやり方で、「なくなる」ことを教える。 指なら、減らしてからいちいち数えなおすことしかできない場合もあれば、数を自然に 分解するパターンを初めから持っている場合もあるので、数の概念を理解するまでは本 人なりの"やり方"を尊重する。 ○や|を数えるのがいいという場合、「/で消す」とか「●で塗りつぶす」ことの意味 が分からないことがある。そういう時は、「○カード」を目の前から無くすとか消しゴ ムで消してしまうことで「減る」を具体的に見せることが必要。[2000年12月8日 7時41分43秒]