自閉的特性を持つ人々
「自閉症」の診断基準をすべて満たしてはいないけれど、その内のいくつかの症状を持っている、という「自閉症スペクトル障害」に属す人々は、確かに存在しています。そういう人々のことを、「自閉的特性をもつ人々」として、まとめてみたいと思います。
しかし、幼児期の自己中心性を脱却できていない人すべてをそう呼ぶわけにはいきません。それだけなら、ただの"わがまま"になってしまいます。やはり、何らかの障害があるものに限定すべきです。そこで、以下のような表にしてみました。
下の項目のすべてが揃っていなくても、そのひとつひとつによって引き起こされる症状は、どれをとっても日常生活上の不都合を生じるのに、充分なものと言えるでしょう。ただ、どれか一つだけでは、注意の欠陥・言語の遅れ・学習上の困難・思いやりのない人等と大差ないものもあるので、多岐にわたって全般的に該当する項目がある場合を、「自閉的特性」とします。
「自閉症」というほどのことはないけれど、「アスペルガー症候群」と言って良いかどうか分からない。しかし、「自閉的」な特徴を持っていて、日常生活上の困難や悩みを持っている人々が、それに当たると思います。
社会的相互作用 | 1.対人的な情報の入力の障害〔程度と範囲の問題〕
2.人的な情報の統合の障害〔時期と正確さの問題〕
3.人との係わり合いの障害〔タイプ、あるいは、場面や相手による〕
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コミュニケーション | 1.コミュニケーション手段の、意味の把握の障害
2.コミュニケーション手段の、使用の障害
3.他人との会話
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限局した興味と行動 | 1.同一性の保持(自分独自の決まりごとに固執して、反復する)〔内容と程度の問題〕
2.興味の限局(限られたものにしか興味を持てない)〔対象と程度の問題〕
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想像力の障害 | 1.想像力そのものの欠陥
2.妥当な言動に結びつけられない
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