
ドッグランの歴史
1975年以降、ニューヨークのマッンハッタンの公園で、ホームレスが急増し、公園を利用する人たちに防犯上の不安がつのり、公園内を安心して利用出来なくなるとの声が広がりました。
そこで、ニュヨーク市は、防犯対策の一環して、市民に犬と同行して、公園内を利用する様、奨励しままず。これによって、犬連れの公園利用者も増え犯罪も減少傾向になりました。しかし、反面、犬のフンの処理問題等が発生し公園内での犬の施設ケアーの問題が表面化してきました。
1990年になり、熱心な市民と市の公園行政担当は、それらの問題を解決すべく、公園内に専用のフェンスを設けて、その中で、犬を運動させることを考えました。それがニューヨク市に犬専用の運動広場として誕生したトンプキンス・スケエアー・パーク内のドッグランです。
これが、公園ドッグランの始まりと言われています。
その後、このドッグランの施設や運用効果は、世界各国に影響を与え、ロンドン・パリ・オーストリア・モスクワ・日本・香港などにも、同様のドッグラン施設や、類似の運営施設が、少しずつ、行政や民間組織で運営されてゆきます。
現在では、ニューヨク市の場合、市が運営するドッグランだけでも、市内33施設があり、民間の運営施設を含めると70以上のドッグラン施設があると言われています。ニューヨク市の運営するドッグランの運営は、そのほとんどが、市民グループやボランティアの無償の支援活動で行っており、施設費用は、利用している利用者寄付金等での維持している事例が多い様です。
日本のドッグランについては、観光遊休地型施設利用から、宿泊付帯施設型に変化してゆき、近年では、都心住宅地での大型公営公園に見るようなな、都市住民隣接型のドッランに発展しています。日本では、既にドッグラン施設が単体運営事業として民間にも定着しつつありますが、世界各国のドッグランの施設と比較すると、まだまだ、利用者のマナーや愛犬のしつけも点に多くの課題を残しており、今後も施設運営の健全性からも運営方法や利用規定等を見直す必要があると思われます。
ドッグランの標準的な施設設備には、囲い(フェンス)・水場・ベンチ・ゴミ箱などが施設されます。観光施設のドッグランでは付帯施設にプールやレストランまでまで、設けるところもあります。近年になって、ドッグランの施設環境改善が進み、フィールドにもチップや芝生と言った自然素材を使い始めた所も少なくない様です。
ドッグランとドッグパークの名称の違いは、施設の持つ機能と広さにより区分されているようです。正しい定義はありません。日本では、最近、観光地や遊園地などにドッグランを設け付加価値施設として位置づける所もあります。
住宅地が隣接している東京都内の大型公園でも、相次いでドッグランの試行導入や本格運営を開始致しています。都内の大型公園である駒沢オリンピック公園・神代植物公園・しおさい公園のドッグランなどが、その例です。これに続き近県の船橋市・浦安市・横浜市なども、公園のドッグランの試行運を検討・開設運営を行っており国立公園の立川記念公園でも、本格的なドッグラン運営に入りました。
ドッグランの利用する愛犬家の間では、施設の改善点や、利用規定の再検討を指摘する意見も多く、利用マナーと愛犬のしつけ能力を融合した向上をドッグランの健全運営にたどりつくには時間を要するようです。
米国の犬訓練士連盟が表明しているドッグランの効用は以下の通りです。(直訳)
1.子犬または成犬が外部から、閉ざされた場所で安全に遊ぶことが出来る。
2.小さい子供や犬を怖がる地域住民の人たちに対し、公園利用者の権利を侵すことなく犬をリードなく遊ばせることが出来る。
3.ドッグランが公園にあるだけで、敏感な耳や目を持っている犬が公園内の犯罪を未然に防ぐ事が出来る。
4.飼い主も犬に十分な運動をさせることが出来る。
5.ドッグランで十分遊び、訓練された犬は、他人に迷惑をかけたり、人をかんだり、ものを壊したりむやみに飛びつくことが少なくなる。
6.新しい住民が愛犬とともに地域に溶け込み、地域のコミニティーを作る助けになる。
ニューヨクやロンドンの公園ドッグランは、地元のボランティア活動の支援と利用する愛犬家の費用負担によって運営されており、犬を飼わない地元住民の人たちにも、概ね施設利用の理解を得られながら運営しています。
参考資料:
駒沢ドッグランボアンティアグループ資料・横浜市公園課・ニュヨーク市アメリカ犬訓練市連盟・日本警察犬協会・
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