りんごの保存方法は?


りんごは、湿度を高くし、低温で呼吸をさせない状態におくと長く保存できます。
りんごの実は生長のために呼吸をしています。そして葉が光合成で得た養分を消費するのですが、夜になって気温が下がると呼吸量が減り、その養分は呼吸ではなく実の方に蓄積されて、赤く美味しくなっていきます。
ところが、実は収穫されても呼吸を続けます。そして成熟から、果肉成分を消耗してボケている状態へと進行してしまうのです(あまりにも長く保存したときに、実がぱさぱさしてまずくなる状態になることです。)これは、りんごを低温下に置くことで、進行を遅らせることができます。大体0度〜4度ぐらいが理想的でしょう。
具体的には、ビニール袋などに入れて口を閉めて、冷蔵庫に入れておけばいいと思います。冷蔵庫に入りきらない場合は、温度が低く、温度変化の少ない場所を選びます。また、長期間保存する際はビニール袋の中に新聞紙などを入れます。これは、りんごの呼吸作用で発生する炭酸ガスや水滴を新聞紙に吸着させるためです。それでも早く食べる方がベストでしょう。特に、早生種と中生種は一般的に長く保存するとボケやすくなります。

りんごを保存するときに、りんごと同じ袋などにまだ熟していない果物を入れておくと、一緒に入れた果物は早く熟します。これは、りんごに含まれているエチレンという成分が、果物の成熟を促すからなのです。食べごろになったら、りんごと別に保存するといいでしょう。
ただし、もう熟しているトマトなどと一緒に入れておくと、反対に熟しすぎて冷蔵庫の中が大変なことになってしまったりするので、気をつけましょう。

逆にエチレンには、りんごをじゃがいもの中に入れておくと、じゃがいもの発芽作用を止めるという働きもあります。
しかし、これもうっかり忘れると、りんごだけがじゃがいもの中で腐ってしまったりするので要注意です。じゃがいもに入れておくりんごはまめに見て取り替えた方が良いでしょう。


<参考文献>>
「りんごのほん」栗田哲夫編著、和広出版(1983)
「たべもの薬箱」阿部絢子著、文化出版局(1993)
「りんごの国からあなたへ…」財団法人長野県果樹研究会、和広出版(1999)

<参考リンク>
青い森の朝市 http://www.aoimori.ne.jp/asaiti.html