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lepracaun(レプラホーン)
アイルランド語の片足靴屋という意味の言葉からきているため、
片足にしか靴を履いてないともいわれる、靴職人の妖精です。その
容貌は、赤い三角坊をかぶった小人の老人で、レッドキャップや、
コロボックルに似ています。
また、同じような妖精にクルラホーンというのもおり、こちらは酒造
庫をうろつきまわる妖精です。
ウイリアム・ブリンガムが、レプラホーンについて語った詩を残して
います。
ある日仕事の最中に、奴をわたしはつかまえた、
「狐の手袋」生える城の堀・・・
皺でしなびたひげ面エルフ、
とんがり鼻に眼鏡をのせて、
銀のバックル靴につけ、
革のエプロン・・・膝に靴・・・
「リップ・タップ、ティップ・タップ
ティップ・タック・トゥー!
(バッタがわしの帽子にのった
蛾の奴ひょいと飛んでった)
妖精王子にゃ編み上げブーツ、
そのお子さんにはブローグ靴じゃ
きちっと払えよ、きちっと払え、
わしの仕事が済んだらな!」
たしかに奴を手に入れた。
じっと見てやりゃ、じっと見返し、
「恐れ入りますが」「ふふん!」
と言いざまに、kぎ煙草をば取り出して、
たくさんつまんで、愉快な笑顔、
不思議なちびのレプラホーン、
格好つけて出す煙草入れ、
さーっ!と顔にその粉かける、
わたしがくしゃみをしているひまに、
奴はどこかに雲がくれ!
merrows(メロー)
マーメイドのことをケルト神話ではメロウと呼びます。また、四大精霊の
中で水の精霊でもあります。水の精霊は、ドイツではニクス、スカンジナ
ヴィアではネックと呼びます。
アイルランドにおいては海の妖精(マーピープル)で、マーメイドと同じく
女のメローは非常に美しいが、男のメローは非常に醜いとされています。
「魂の籠」という人間とメロウの友情を描いた話があります。
merrymaid(メリーメイド)
マーメイドの欄を参照。
mermaid(マーメイド)
マーメイドの言った場合は女性の人魚のことで、男性はマーマンと言い
ます。童話にでてくる人魚が一般的なマーメイドの姿ですが、ミンナ(mi
nne)と呼ばれ、人間の想像のどんな姿にも似ていないという逸話もあり
ます。性格については、諸説ありますが、代表的なのが、マーメイドの姿
を見るのは嵐の前触れというものです。
また、淡水の川や湖にも出没し、人間を食らう邪悪なものもいれば、若
い恋人たちに親切にする話もあります。
スコットランドの東部、フォーファーシャーにあるローンティーの若い領主が
ある日暮れのこと、召使を連れて狩りの遠出からの帰り道、ローンティーか
ら南3マイルほどいの所にある、森の中の湖のそばを通りかかったところ、
森の方から叫び声が聞こえたので、湖の方へ馬を向けた。美しい女が水の
中でもがいているのが見えた。彼女は領主を知っているらしく「助けて、ロー
ンティー!助けてローンティー!」と叫んだ。もう息ができないように、水の中
に姿が消えていった。領主は馬から飛び降り、湖に飛び込み、水面に浮か
んでいる美しい金髪をつかもうとしたが、そのとき後ろから押さえつけられて、
召使の手で湖から引き出された。領主は怒り狂ったが、召使は大声で叫ん
だ。「お待ちください、ローンティーさま!叫んでいる女は、恐ろしいことに、ま
さしくマーメイドです」ローンティーが振り返って、水面に浮かぶ金色に輝く髪
の毛を見ると、その髪は怪物の頭に生えていることが分かった。「お前の言葉
は正しい」と言って領主は馬に乗った。湖から向きを変えようとしたとき、マー
メイドは半ば水の上に身を起こし、悪鬼のような声で叫んだ。
「ローンティーよ、ローンティーよ、もし召使がいなかったなら、
わたしはお前の心臓の血を、鍋でジュウジュウいわせただろうに」
ゴロウェイに美しい若い娘がいました。その娘は重病で、恋人が川辺に座っ
てそれを嘆いていると、親切なマーメイドが水中から身を起こし、その恋人に
美しく歌いかけた。
「美しい乙女の手のなかで、野に咲くヨモギを土の中で、あなたは死なせる
つもりなの?」
若者はマーメイドが言ったことを理解し、すぐさまヨモギの花咲く庭へ出かけ、
ヨモギの鼻の先を摘んで搾り、その汁を美しい恋人に飲ませてみせた。すると
娘はすぐに快復した。それ以後、ニガヨモギは結核性の病気に効く薬として知
られるようになりました。
naiades(ナイアデス)
ニンフの欄参照。池や湖のニンフのことです。
napaiai(ナパイアイ)
ニンフの欄参照。谷間のニンフのことです。
nereides(ネレイデス)
ニンフの欄参照。海のニンフのことです。
ギリシア神話に出てくるガラティアも海のニンフです。彼女はサイクロプスの
ポリュペモスに愛されましたが、彼女にはアキスという16歳の恋人がいました。
そのため、嫉妬したポリュペモスはアキスに大石を投げて、その下敷きにしてし
まいました。所が、ガラティアの祈りが通じたのかアキスは水に姿を変えて助
かりました。
nix(ニクス)
川は泉に住む妖精です。男のニクスは歯が緑で緑色の帽子を被り、女性をさ
らって奥さんにしたり、助産婦をさらってお産を手伝わせたりします。後者の場
合はわずかながらお礼をくれるようです。彼らの子供は毛むくじゃらですが、人
間との間に生まれた子は人間の姿をしています。ですが、こちらはニクスが食
べてしまうようで、ニクスのすむ泉が真っ赤にそまるの時は、そのような時と言
われています。
女性の方はニクシー(nixie)と呼ばれ、金髪巻き毛の美しい乙女の姿していま
すが、衣服のすそがいつも水で濡れているのですぐに見分けがつきます。歌声
はこの世のものとは思えないほど美しく、セイレーンのように、美しい若者を水中
にひきずりこみます。メロウに似て、水の中のニクスの家には水死者の魂をいれ
る壺があります。
また、ニクシーが水面で踊るときは、誰かが溺れようとしている印という言い伝
えもあります。
nursery bogies(子供部屋のボギー)
エインセルの項で述べた「夜更かしすると妖精に〜」のように子供たちを危険な
場所から遠ざけたり、行儀良くさせておくために、特別に作り出された生き物の
総称です。
E・M・ライト婦人が「田舎言葉とフォークロア」の中でそれらをリストにしています。
あるものは脅しのために用いられて、曰く「気をつけないと果樹園のジャックにや
っちまいますよ」「早く帰ってこないと、スクラッティじいさんにつかまっちまいます
よ」とか、「マンポーカーに追いかけさせますよ」となります。
リストにあげられるものは、ローヘッド・アンド・ブラッティ・ボーンズ、タンケラボー
ガス、トム・ドッキン、トム・ポーカー等があります。果物や木の実を盗む子供を脅
かすためには、ものぐさローレンス、オウド・ゴッキー、グーズベリー女房、チャーン
ミルク・ペッグ、メルシュ・ディック等があります。この他、河に落ちないようにする
為に、グリンディロー、緑の牙のジェニー、長腕ネリーなどがあります。
nymph(ニンフ)
正式にはニュムペーと発音するギリシア神話やその逸話に多く登場する精霊
たちの総称です。そのため、ギリシア神話には多くのニンフたちが登場します。
彼女たちの殆どは純真無垢の性格の持ち主であり、コケティッシュで可愛い
魅力をもっています。しかも、その外見は若く美しい女性の姿です。ただ、時折
スキュラやカリュブテスのように怪物に転じられてしまった者もいますし、蝶のよ
うな羽をもったものもいます。また木のニンフは緑色の肌であるとも言われていま
す。
ニンフはその住みかによって、呼び名があります。
海のニンフ → ネレイデス、オケアニデス
池や泉のニンフ → ナイアデス
山のニンフ → オレアデス
森のニンフ → アルセイデス
木のニンフ → ドリュアデス
樫の木のニンフ → ハマドリュアデス
谷間のニンフ → ナパイアイ
古代ギリシアの歴史家であり「神統記」の著者であるヘシオドスの意見を参照に
したニンフの寿命は、
人間の一生×3=やかましい鳥
やかましい鳥×3=鹿
鹿×3=渡り鳥
渡り鳥×3=しゅろの木
しゅろの木×10=ニンフ
すなわちニンフの一生=人間の7290倍となるそうです。
okeanides(オケアニデス)
ニンフの欄を参照。海のニンフのことです。
ネレイデスと同じ海のニンフで、ギリシア神話においては、ネレイデスは海の神
ネレウスの娘たちのことで、オケアニデスは同じくオケアノスの娘たちのこととを
区別するために言い分けられます。オケアニデスは全員で50人いるといわれ、オ
ケアノスのために楽器で奏でるものたちとして知られています。
oreades(オレアデス)
ニンフの欄参照。山のニンフのことです。