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12.PCの能力値について

 RPGは、勿論GMがその行動判断を行いますが、現実の生活は
必ず「こうすればこうなる」と言うものではありません。その為、あくまで
”副次的な”ものとしてある数値を決めておいて、ダイスにより乱数判定を
します。その基本となるのが、キャラクターやモンスターたちの”能力値”です。
 例えば、商売でしたら、通常は商才のある方が成功しますが、ダメ営業マン
でも、偶然に偶然が重なり、大きな取引を成功させることがある・・・・・かも?^^
しれません。そのような判定を行うのに、ダイスにゆだねることになるのです。
 そこで、能力値やスキル値という考え方がでてきます。ゲームブックのように、
通常の行動は選択判断だけで良いのでしたら、能力値はいりません。戦闘力、
魔法力だけで十分です。ですが、シュミレーションゲームではありませんので、
RPGに於いてはもっと複雑な判定を行った方がゲームの幅が広がります。
能力値は、その人間の基本的な能力・・・体格から、頭の良さから・・先験的なも
のを含みます。スキル値は、経験的なものです。例えば、手先の器用な者が、
職人や芸術の修行をつめば、その人は名工として名をはせることでしょう。

 では能力とは何でしょう?
日本能率協会の調べによると、このように成ります。

人間 客観的
静態的要因
(狭義の能力)
生理的
身体的能力
体力 感覚・知覚力 運動能力
心理的
精神的能力
理解 判断 推理力
帰納 演繹 総合力
計数 記憶 表現力
知識
熟練 (技量) (経験)
独創 計画 企画力
評価 指導 統率力
処理 対応 折衝力
複合するもの 能力的人柄 決断力 実行力
識見 才幹
主観的
動態的要因
(性質)
様態的性質 協調 順応 従順性
沈着 忍耐 根気性
迅速性
綿密 周到 几帳面性
注意深さ
情緒の安定性
性質的人気 責任感 誠実性
動因的性質 積極性 勤勉性

 また、金平文二氏の「人間評価の心理学」に於いては、人間能力の構造は次のように
なっています。
 比較的変化しにくい潜在的な気質、情緒的・知能的要因がしめており、その上に知識や
技術など、後天的な経験や学習によって得られるものになっています。

態度的要因(経験・学習的要因)
技術的・知識的要因
知能的要因・適正的要因
気質・情緒的要因

 これは、心理学の階層構造論(あくまで1つの”論”です。)に近い感じがありますね^^。

 では、RPGにおいてはどうなっているのでしょう^^。

STR 筋力 筋力のことです。どのRPGにも必ずあります。ゲームによっては、体力や
HPも含む場合があります。
CON 体力 体力的なもの、または強靭さ等をSTRと分けたい時に使われるようです。
元祖RPG「D&D」においてはシステム的に「強靭さ」というものがあります。
また「ナイトメア・ハンター」RPGにおいては、「筋力」とは別に「体格」という
能力値があります。
DEX 器用度 手先の器用さです。殆どのRPGで敏捷性と同一の能力として扱われい
ます。「ソードワールドRPG」においては、明確に敏捷度と器用度が区別されて
いますね。
REF 敏捷性 敏捷性のことです。「クラッシャー・ジョーRPG」において、そのゲーム性から
DEXとREFを分けて使われていました。
INT 知力 これもSTRと同じ必需品です。最低限、STRとINTだけ能力値を決めれば、
RPGは遊べます。行動的なものはSTR、考えることはINTで一括してしま
えば良いのです。
また「トラベラーRPG」においては、文明がその世界観にありましたので、こ
の能力を「知力」と「教育度」と言うように分けていました。
WIZ 知慮 「D&D」に於いては知恵と訳されています。INTが知識や経験だとすれば
WIZは理解、判断や独創ということになりますでしょうか。
「クトゥルフの呼び声RPG」においては「アイデア」という能力値が設定されて
います。
PER 知覚力 物事を”認識”する能力です。通常は、INTやDEXにその状況にわけて組み
こまれるものですが、あえてこの能力を導入しなければならかったものが、
誰でも知っている「007ジェームズボンド」をRPG化したものです。
「ナイトメアRPG」においては、文字通り「観察力」という能力値を設定してい
ました。
HP
MP
耐久力
精神力
これは説明の必要がありませんね^^。コンピュータRPGでもあります。
MPは勿論、ファンタジーRPG以外で魔法が存在しなければ必要ありませ
ん。また、SF・RPGにおいても精神力を数値化して超能力を使ったりします。
WIL 意思力 文字通り意思の強さです。もし長距離を走る判定をするなら「体力値」と複合
するでしょう。「007RPG」においては、スキルのベースとなるのが殆ど”(A値
+B値)/2+スキル値でしたので、この能力値がありました。また、HPと言う
概念がありませんでしたので、痛みを堪えるのにも使われました。
PSI 霊感 特殊な能力ですが^^。「MERP(指輪物語)RPG」においてあります。
また超能力を扱った「クラッシャージョーRPG」においても、その能力の強さを
決定するのに設置されていました。
LUK 幸運度 これは厳密に言えば能力ではありません。その性質からかホラー系に多いよ
うな気がします。「GURPS・RPG」のサプリメント「妖魔夜行(+百鬼夜翔)」
においてもスキルとして存在しますね^^。
CHA 魅力度 カリスマ性です。外見と混同する場合が多く、初心者はこの能力を高めに設定
する場合が多いです。そちらの場合は「MERP」や「007」に於いては、「外見」
としっかり能力値が定められています(007などは、映画をみれば分かりますが
カリスマもありますが、外見が・・・では、あの行動は成立しませんので^^)。
また、「トラベラー」や「クトゥルフ(サプリメント・ハイパーボレア等)」に於いては
「社会的身分度」と、カリスマとは違った意味での「魅力度」が設置されています。
SAN 正気度 これは「クトゥルフの呼び声RPG」固有のもので、これがなくなると「発狂」します。
この数値により、「恐怖」の世界を体現していました。その後に、このシステムを
悪く言えば”真似”したホラーRPG(チルや、ストームブリンガー)に設置されてい
ます。「ストームブリンガーRPG」の方は、「クトゥルフ」と同じ、POW値ですが。
これは、「007」で言えば、WILと同様になるような気がします。