忍具
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忍びが必ず携帯した品を忍び六具と呼びます。
忍び六具
1、鉤縄
絹または麻の細縄に、丈夫な打鉤をつけたもの。高所に登り、
低所に降り、敵を絡め縛り、戸入口を締めるなど、忍び込みに
利が多い。別に小縄(控え縄)も使われる。
2、三尺手拭
木綿製で長さが1m弱、蘇芳染めにし、鉢巻、頬被り、帯、堀
登り、武器、泥水の濾過等、忍びにとって利が多いもの。
帯を二重にしたポケットか、右襟ポケットに入れておいた。
3、打竹
常時、火種を入れて携帯するもので、急に火の必要な時、放火・
焼打ち、鉄砲類の発射等に利が多い。胴の火、火縄筒、切火縄
入れなどのうち一品を必ず携帯する。寒冷時には懐炉の代用に
もなる。
4、編笠
内部からは外が良く見え、人に顔を見られないから、服装を変え
れば別人に見える。報告文書等、切り分けてこよりにし、編笠の
台などに巻き編み込んで隠すのに役立つ。
5、石筆
筆記具であるが、不必要な時消しやすい物が良い。矢立ても必
要である。報告書や見取り図、敵の偽書偽印を書くなどに利がある
6、薬品
忍びの使用する薬品は、200種類以上あると伝えられている。害
虫を防ぐ虫薬。外傷薬。気付け薬。眠り薬。毒薬。解毒剤。発煙剤
等の中から必要とするもだけを携行する。
忍び刀
大脇差一口を腰帯に差す。刃渡り50cm以内の短い刀身で斬れ味よく
丈夫なものに黒っぽい目立たぬ拵えをつけ、水をはじくように柄と鞘を漆
で塗る。刀身が光るのを嫌って墨を塗ることもある。流派により、角鍔や、
小さな鍔をつける。3mほどの長下緒をつけるが、背負うのは間違い。腰
に差す。
火縄鉄砲
忍者は火術に長じていたことが、一般人にとっては、1つの脅威だった。
ことに火縄式の長銃と短筒と仕込み銃(偽装した火縄鉄砲)を使って、暗
殺、かく乱などに効果をあげた。
宝禄火矢
忍者の使用した手投げ弾。かわらけの宝禄を2つ合わせて球形にし、そ
の中に焔硝と弾子(小鉄片や小石)を詰め込み、口火に点火して投げ込
み、人馬を殺傷する手榴弾である。宝禄とは急造の代用品であって、入
念には、鉛のいたをたたきのばして球形に作る。
煙玉
鳥の子とも呼ばれ、威嚇と隠身の為に殺傷よりも発煙による煙幕を目的
とする手投げ弾。鳥の子紙を糊張りして張りの子の球を作り、中に焔硝と
発煙剤をつめ、打火の火縄を口火にうつし、投げる。鶏卵大で握り易いよ
うに楕円球形にする。右腰帯にさげた革袋に入れておく。
百雷銃
現在中国大陸で祭りの時に使用されている爆竹の大型のもの。一端に
点火しておくと連続して爆発音を出し、敵に数挺〜数十挺の鉄砲を発射
しているように錯覚を起こさせる。注意をひきつけておいて、他方面に逃
れ走る方法を「百雷銃退き」と呼んだ。
火矢
火矢には多くの種類があるが、矢の一部に焔硝を詰め込み、点火して発
射出し、到着後に爆発し、威嚇、放火、照明などに利用する。火薬噴射の
力により矢自身を推進して、飛行力を加えるアイデアは現代のロケットと
同じ。忍びの者はインディアン式の火矢は使わない。火口の長さの調節
出時限式爆弾にも利用できる。
松明
忍者の使う松明には多くの種類がある。長時間もつもの、掌の中や懐で
燃えるもの、水中に投じても水底で燃えているもの、刃物で削ると燃え出す
もの、雨の中でも消えない松明など、時と状況によって使い分けた。
義経火
光源に水銀を使う照明。鶏の羽根の茎や、赤牛の角をうすく削ったものな
どの中に、水銀または、水銀化合物をつめこみ、微光の反射を利用して発行
させるものである。刀身や鏡の反射を利用して発光させると、かすかな光な
ので、敵に発見されないという利点がある。
苦無
苦無は壊器の1つである。格闘用の剣にもなり、土塀や壁を切る刃物にも
使えるし、土を掘るスコップにも使えるし、火打鎌の代用にもなる。手元端の
穴に縄をつけて投げつけ、苦無の刺さった高所に登ったりする。この場合は、
飛び苦無と称している。苦無には大区無と小苦無の別があり、大は50cmほ
どに、小は35,6cmにつくる。左前の帯に差して携行する。先端を尖らせた
ものと、先が開いたへら苦無の別がある。ヘら苦無は、土堀り専用のもので
あると考えられる。鋳鉄を精錬した良い鉄で作る。
坪錐
Y字形で先を鋭利にした鋼鉄製の錐を、樫柄にとりつけたもので、大坪錐、
小坪錐の別がある。両先端の幅の大小により、大は幅二寸から三寸。小は
七分。戸の錠前や鍵を開けるとき、または開ける道具を差し込む穴を開けるた
めのものである。坪錐は、別名「一名くりぬき錐」とも呼ばれる。
鑓錐
長く丈夫な錐。かけがね、尻差などをはずすときに使用したり、天井板や板
戸に覗き穴を開ける時に使う。
しころ
携帯用ののこぎりで、大しころ、小しころの2種類がある。大は12cm長、刃の
部分が円形になっていて、板戸などの平面が自由に切れる。6cmほどの握柄
をつける。左右の一方は竹、一方は木を切る刃をつけ、忍び返しや、柵、垣根、
矢来などを切るのに使う。小しころは10cmほどの細長い刃に握柄をつけ、木で
も鉄格子でも切れる良い鋼でつくる。先端は小刀状にして、穴をえぐるのに使う。
上衣の襟裏か、袴の腰板裏なおのポケットに隠して、破牢、縄切りなどに使う。
近接格闘にも利用できる。
忍び鎌
古法では12cmの刃に15cmの柄をつけたが、携帯に不便なので、刃も柄も
18cmの折り畳み式につくり、棟の方にも刃をつけた両刃(上下)と、普通の刃(
下だけ)のものと容易した。
釘抜き
鉄製のひじつぼなどの掛け金をねじきって抜くための用具。
鎖子抜き(掛け金抜き)
鎖子抜きには種種の形があって、背鎖子抜、突きひらき鎖子抜き、引出し鎖子
抜きなどとある。戸のすきまから差し込んで、掛け金をはねあげ侵入するための
道具である。
開器
錠前を開く道具は、といかき、刃曲り、のべかき、いれこかぎ・・・など、小さな鉄
製のものが多く使用される。
折り畳みのみ
のみは鉄を削る、戸をこじ開ける、とぼそをこじあけて壊す、立詰めの桟などをこ
じはずすのに使用する開器であり、壊器を兼ねる。
登器
梯子の類には、結び梯子、飛梯子、雲梯子、巻梯子(縄梯子)、鉤梯子(縄梯子
の両側に鉄鉤を多くつけ岩山や木立の多い高所に登る)がある。飛行(矢に細糸
をつけて飛ばし、太網に入れ替えて登る)という技もある。
忍び刀登り
忍び刀を立てかけて、鍔に足をかけて登る。刀は口にくわえた下緒で釣って引き
あげる。釣り刀とも言われる。
龍登、蜘蛛梯子、高梯子
この3つの登器は高所につけておいて、下から人や荷をあげるのに使う。
せっとう杖
四尺ほどの杖。それに足がかりの輪紐を数箇所にとりつけ、杖の頭に鉤をとりつ
け、高所に鉤をかけ、足がかりで登ることをしのび杖と言う。
忍び熊手
縄の先端に鉄鉤をつけ、細竹(つぎ竿)の先端に鉤をかけ、高所に静かにかけて、
細竹をすて、縄を伝って登るもの。竹筒に縄を通して折り畳み携行し、縄を引っ張っ
て一本の竿状にして使うといのは、解釈の間違い。即ち、縄に竹を添え用うる・・・・
という口伝の誤解であって、実験によると不可能だそうです。
水器
水をわたる道具と潜水の道具。「万川集海」水器篇には、浮橋、がまいかだ、かめ
いかだ、つづらいかだ、水ぐも、水かき、他流水ぐも、はさみ箱船の記載があるが、携
帯に不便なものが多く、水ぐもは使用不可能です(寸法がのっていないので、大きさ
がわからず、実際は折り畳み式の船だったのではないか?という考え方があります)。
かめいかだ、がまいかだ、他流水ぐも(浮き袋)は使用できる。他に潜水用に使う吸筒
(水筒)は4〜50cmの深さしか使用できず、実用には供しがたいものであるし、伝承
される種種な潜水具も、実用を疑われるものが多い。
小音聞金
遠くの小さな音や、話し声を聞き分ける一種の聴音器。純度の高い金の細板を絹糸
でつるし耳のそばにさげ共鳴させて、壁のかなたや風上の聞くために使用された。水中
用のものもある。
き著
指北船ともいう。上質の鉄薄板を金縄で丹念にうちたたき、5cmほどの長さに舟形に
凹ませ、一端を舟のへさきの如くとがらせる。火に入れて白熱し、急に冷水に投じて、
磁力をもたせる。これは羅針盤として、水に浮かすとへさきが北の方を示す。氷雪中でも
使用できるし、発見されても怪しまれないという利点がある。
撒きひし
天然の水草の実(ひし)を乾かして使う。他に木製、竹製のひし、更に鉄製で四方に針
をはりだした三角錐形のもがあり、大小もある。撒いて敵に踏ませる有名な道具。竹筒に
入れ右腰につるしておく。数個を絹糸に結び背後に引いて逃れることを「ひし巻き退き」と
言い、遁法の1つである。
かすがい
石垣登り、戸閉め、身体を空間に支えつるすとき、格闘用に使う。手ちがいかすがいは、
撒きひしの代用としても使える。時に応じて大小各種のかすがいを使う。
忍者食
飢えをしのぐ腰付き兵糧丸。喉の渇きをしのぐ水飢丸などの携帯口糧が多種工夫され
使われた。
忍び槍
別名:一名しばき槍。六尺前後の柄の軽量な手槍。穂先に鉤をつけ、敵を打つようにして
鉤にかけて引き倒して刺殺したり、高所に鉤をかけて登るのに使用したりする。
手裏剣
手で投げ打つ小形の鉄製武器で、針状のものと、平板状のものと二種類ある。十字手裏
剣や八方手裏剣は著名。4〜50種類のものが伝承されている。暗殺を目的とする場合は、
とりかぶとの毒(附子)を刃先につけたり、破傷風菌を含む泥土などを塗りつけて投げつけ、
軽症でも死ぬようにした。右腰の革袋や、手甲はばきのポケットに忍ばしておく。七間が有
効射程。
火器
250種ほど使用された。
「老談集」にのっている”天杓?手綱”(字が読めません;;)とサンカの使用したウメガイ。