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1.戦国時代の忍者6

飯綱忍者
 茶吉尼天の飯綱神を使って忍術を使うと言われた集団です。伊藤
兵部太夫豊前沖縄がこの秘法と習得し、子孫に伝えた・・と言われて
ます。
 忍者の前に、「飯綱」について説明しましょう。飯綱とは「狐」の別名
でもあり、「オコジョ」の和名とされる時もあり、また「管狐」という仏教
系や自然新興上での神の使いの”妖怪”みたいなものとしても伝わっ
てます。
 新潟や中部地方では人間に憑く狐で、憑かれた人間は味噌が好き
になり味噌ばかり食べるようになると伝承されてます。天狗の使い魔
と言う説もあり、「狐」を上手く飼いならせば金持ちになる・・と信じられ
ていて(逆に失敗すると貧乏になる)、東北地方の霊能者や信州の
”飯綱使い”と呼ばれる占術者がこれを使って神通力を使いました。
また、全国にある稲荷神社は”伏見稲荷”ですが、これとは別に弘法大
師が創設した密教の”豊川稲荷”はこちらの”管狐”です。この密教では
怪談でもある”人の肝を食べると寿命が伸びる”と信じられていました。
 飯綱忍者もやはり狐を使いました。漫画や映画の影響で忍犬は有名
ですが、他に忍猫や鷹なども忍びの伝達手段として使われます。
 細川清氏・細川政元はもとより、忍者を高く評価し有効利用していた
武田信玄も飯綱神を信仰していましたので、武田素波も飯綱忍者の親
戚といっても過言ではありません。
 信州の飯綱使い(神通力ではなく忍者として)を飯綱太郎、仙台の飯
綱山の忍者を飯綱三郎と言いました。この飯綱忍法は、幕末の甲賀忍
者、大原数馬が書物に残しています。