2004/04/17〜2004/04/18 超ド短期台北滞在記

「行ってきたら?」
「えっ、ええのん?」
2004年4月17日、台北市内のライブハウスで小美のライブがありますとのCOMOさんの書き込み。
しかもこの日は土曜日、行けないこともない。
しかし、この日は相方の友人の結婚式の日。ぼくも二次会には出るつもりであった。
「出れないって連絡しとくから。」
「ええのん?」
かくして、一泊二日の台北超ド短期滞在に出かけることとなったのである。
一泊二日であるからして格安ツアーは利用できない。はっきり言って、金掛かっています。
これで、「ライブ満員で、入れなかったんすよね・・・。」ということになったらちょっと笑えない。
でも、なんとなくいいステージが観られるに違いないと、楽観的な希望を抱いて出発日を迎えるのであった。

当日。相方は木曜から友人の結婚式のため帰省しているので、ひとりで起床。
飛行機は10時名古屋空港発であるから、余裕をみて6時過ぎに家を出発することにした。
ところが、である。いつも走っている高速道路を2回も道を間違えた。これには焦った。
なんとか8時15分には空港に着いた。早めに家を出ておいてよかった。
さてと、空港に入った。が、久し振りの海外旅行。すっかり手続きの仕方を忘れていた・・・。
焦った。受付に訊いてみよう。
「これ、どうやって乗るんでしたっけ?」(間抜けな質問である。)
「JAAはEカウンターでチェックインしてください。」おお、そうであったか。

9時。ようやく出国審査待ちの列に並ぶ。日本と海外が繋がる独特の雰囲気。中華圏の人も多い。
日本人スチュワーデスが通り過ぎると、前後左右の学生さんと思しき男性から「ぴゃおりゃん、ぴゃおりゃん。」の声が。
なんだか可笑しい。

お土産
今回の旅は、台北在住のS女史にいろいろお世話になっている。
河岸留言の前売チケットも彼女にお願いしてゲットしてもらっているし、今日は河岸留言まで一緒に連れて行ってくれることになっている。
S女史には、本場香川のおか泉から取り寄せたさぬきうどん一袋(一箱じゃないところがセコイ)と、津市ではちょっとおしゃれな洋菓子屋さんのお菓子をお土産に持参した。ところが、小美へのお土産は買っていなかった。渡せるような時間があるかも判らなかったし、自分の中では「ライブを観に行く」であって、そういう方面に頭が回っていなかったのである。
S女史の「プレゼントとファンレターは絶対渡しなさい。」との叱咤を受け、空港内の売店で慌ててお土産を選ぶことに。いろいろ捜して『笑門來福猫』というかわいい猫の置物を送ることにした。売店のビニール袋ではなんなので、キティーのビニールバッグも購入。

お土産も無事購入して、9時半には無事機内に入った。
ビールも飲んでご飯も食べてわくわくしているときに、問題は突如発生した。後ろの席の台湾人夫婦がやたらやかましいのである(台湾語だから何言っているかも判らない)。しゃべるだけならまだいいが、しょっちゅう座席を立ったりして、その度に、ぼくの座席の背もたれを掴んで押すのである。
しかもまわりにじいさんやらばあさんやら親戚一同会しているらしく、しまいには、じいさんがぼくの席の真横に立ちはだかって大声で喋っている。助けてくれ〜。本気で両手で耳を押さえてしまった。
何分我慢しただろう。幸い台湾は近い。ほどなく着陸態勢に入るためみな席に戻り、元の静けさを取り戻したのであった。

いよいよ、入国である。無事、入国かと思ったら、体温を計るからちょっとこっち来てと言われ、耳に耳掻きのようなものを当てられる。ビール飲んでたから顔が赤かったのかな?
さて、無事入国。空港のロビーに出たがホテルの送迎バスがいない。日本で送迎も頼んでいたのに。
わざわざICカードを買って、ホテルに電話すると、「うちには送迎バスはない。旅行会社が手配しているんでしょ。旅行会社に電話してみて。」とつれない返事。
むぅ。どうしよう。今から確認取って来てもらえたとしても、それまで待っているのもつらいものがある。
リムジンバスもあったけど降りる場所を間違えてもいやなので、ここは高くてもタクシーでホテルに行くことにした。
すると目の前にタクシーの運ちゃん(自称)が居る。着いていくといつもの黄色いタクシーではなくて、いかにも自家用車。
ああ、だめだ。「不要、不要。」と言いながら慌ててその場を立ち去ろうとしたその時である。
足がつった。こむら返りとも言う。
過去にはビールを飲んでドラムを叩いていたら、足がつって、えらい目にあったことがある。
気を取り直して黄タクシーへ。しかしあのメーターは体に悪い。値段は安いのだけどあんなに小刻みに値段が上がっていくと、慣れない者にはちょっと心配になる。

台北駅
さて、ホテルに到着したのは13時30頃。チェックインは3時からと訊いていたので、荷物だけ預かってもらおうかと思ったが、運良くチェックインさせてもらえたので、荷物をホテルに置いて、早速出かけた。
泊まったホテルは中山北路二段あたりであるので、台北駅まで歩いていった。3度目の台北駅は以前と変わらないようであった。
さて、S女史と待ち合わせのCD店「大衆唱片」にまず向かうことにしよう。
と、ところが「大衆唱片」が見つからない・・・。
「もしもし、S女史?大衆唱片って無くなった?」
「????あるよ。」
「駅から南向いてどっち側?」
「南ってどっち?」・・・以下省略。

結局、ぼくの記憶違いで、1本筋が違っていました。すみません。
そんなこんなで、16時30分、S女史登場。無事?合流して、まずは河岸留言に行ってみましょうということでMRTへ。
もう長蛇の列だったらどうしようねえ、とか言いながら17時頃、河岸留言前に到着。
予想に反して、まだ誰もいない。店の看板もまだ出ていない。
「ホントにここであるんやろねえ。」と冗談言いながら、まだ余裕そうなので夕食を取ることにした。

夕食
駅の周りをぐるっとまわったけど、いわゆる中華料理レストランのような店はこの辺りにはないようである。
では、ということで水餃子の店へ行った。
こういうときに、現地の方がいると心強い。ひとりでは注文の仕方とかよくわからないから気後れするのである。
結構頼みすぎたかと思ったが、なかなかおいしく全部平らげたのであった。
イタリアン・カフェ
たらふく食べて再び河岸留言に戻ってきたのが18時頃。
ところが、まだ誰も並んでいない。ちょっと二人不安になってくる。
開演の21時半まではずいぶん時間がある。かといってどこか行っている間に人がずらりと並んでいたら悲しい。
ならば、河岸留言の前を通る人が見えるところでお茶でも飲んでいましょうということで、隣にあるイタリアンカフェでコーヒーを飲むことにした。
ぼくがコーヒーを頼んで、S女史がホイップクリームが乗った名前は忘れたがなかなか豪華なコーヒーを頼んだ。
しばらく待たされて、やっとコーヒーが出てきたその時、ふと窓の外の通りを観ると、「あれ?小美ちゃうか〜??」
なんと河岸留言の向かいの駐車場のところに座って、携帯で誰かと楽しそうに話しているではないですか。
「okuyamaさん、話し掛けに行こう!!」
「えー、でもコーヒー全然飲んでないよ。」
「ほらほら、行きましょう!」

小美
芸能人に近づく不審な日本人ふたり。
「にーはお、うぉしーりーべんれん。」
警戒した目の小美とスタッフ。後で考えたら、先に私はあなたのファンですというべきだったと。いきなり私は日本人と言われてもそりゃ困るであろう。
S女史がすかさずフォローしてくれる。この人は今日のライブを見るためにたった2日の予定で台湾に来たんです、等等。
深々とおじきをする小美。「日本はいろんな物があってとてもいいところですね。」「北海道にきたんですよね。」「ええ、ええ。北海道、東京、大阪、行きました。」片言の中国語でなんとか会話をした。
「あなたにあげたいんですが。」と空港で買ったお土産を差し出すと、「あはは、可愛的〜〜。」と嬉しそうにうけとってくれました。
これまたS女史の計らいで写真を取って頂きました。
とっても気さくな小美。手を振って一旦その場を離れることにしました。

まだ、ちょっとどきどきしながら、時間がまだあるので散策。
19時頃からようやく人が集まりだしました。店の前には看板も出ています。
この看板がまたアバウトというか、チケットを持っている人と持っていない人はそれぞれ別に並ぶよう書いてあるのだが。はっきりいってどこに並ぶのかさっぱりわかりません。
チケットを持っていない女子グループが座っていたので、チケットを持っている我々はそのちょっと離れたところに並んだ。
今回のライブはテレビ等の宣伝はしていないみたいだし、あまり人が集まらないのかなとも思ったが、8時くらいになると、結構な人が集まりだした。
おもむろに新聞紙を敷いてパンを食べ出すグループが居たりして、いかにも台湾らしい風景。
21時にチケットを持っている列が入場。一番前に並んでいた我々は、客としては一番乗り。
「これでまん前でステージが観れる!。」
しかしどんどん集まる人、人。椅子席より前、つまりステージのまん前の床に座るファン。途中から来て前の丸椅子に座る落ち着きのないニーチャン。君、見えないんですけど・・・。
てなことで、若干障害はあったものの、日本では考えられないくらい前のほうでステージを堪能することが出来ました。

サインしてもらいました
ステージが終わっても気さくにファンと写真に応じたりお話する小美。ほんとに快活で感じのいい小美。
「もう、写真取ったもんねー。」などど大人気ないことは口に出さず、店を出た。
小美は既に外に出て、ファンと談笑している。この風景は、ライブが終わって、外に出て来てくれた客と話しているどこにでもあるバンドのあの光景とまったくかわらない。小美がスターであることを考えるととても不思議な感じがする。
彼女自身、この雰囲気をとても楽しんでいるみたいだ。
充分満足して立ち去ろうとするぼく。
「サイン、貰わなくていいんですか。」と、S女史。
充分満足したし、小美もファンと話しているからもういいよと思ったが、
「せっかく来たんでしょ。もうしばらく会えないよー。」との言葉に帰りかけた道を引き返す。
小美はまだ別のファンと談笑している。
背後から、やおら小美の腕をつんつんと突付くS女史。
お、おい、何しはるんですか・・・。
振り返った小美にすかさず「ちゃんみん(サインください)」。
差し出した「な〜るほど・ザ・台湾」を見て、受ける小美。
「わ、私だー。」照れて、隠しながら離れたところでサインしてまだ戻ってきた。かわいい人である。握手してお別れした。

夜食
楽しいライブが終わると、あとは帰路である。
運良くホテルとS女史の家は歩いて行ける距離であったので、途中で夜食を食べた。
「このへんは、さんりんと言って日本のサラリーマンとかがよく来るところです。」
「ああ、もりばやしって書くところ。」
それを言うなら「しんりん」である。幸いS女史の突っ込みは無かった。

ホテルに着いたのは夜の1時半くらいだったろうか。
時間が遅いので相方に電話しようか迷う。一度掛けてみたが繋がらないみたいだったので明日また電話してみよう。

2日目の朝はホテルの朝食。洋食のバイキングで、それほど特徴のないものであった。
海外から日本の携帯電話に掛けられるかどうかよく知らなかったが、市外局番と同じで090の頭の0を省いて掛けたらちゃんと掛かった。相方は元気そうだった。
ちょっと時間があったのでホテルの周りを散歩してみた。朝市をやっていて地元の匂いがした。
台北駅周辺でなにかお土産を買おうと出かけたが、台北の百貨店があくのは11時頃なので結局2日目の台北駅では何も買わず、またタクシーで中正飛行場へ向かった。
ちなみに「ちょんちゃんじーちゃん」では通じにくく、運ちゃんは「つぉんつぁんじーつぁん」と発音していた。
帰路は特に変わったことはなかった。でも、中正空港内で食べたカレーは、かなりまずかった(笑)。
その店は午後になっても「グッド・モーニング」と呼び込みしていた。変なの。
かくして19時30分、無事名古屋空港に降り立ちました。

今回の旅は本当にお世話になったSさん、ありがとうございました。

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