陳珊[女尼]に寄せて(01.05.31)

今だから言うけど、一時ぼくは陳珊[女尼]が好きでなくなった時期があった。

ぼくが最初に買った陳珊[女尼]のアルバムは何だったか記憶が定かではないのだけど、とにかく香港に行ったとき買い求めた「四季」にぶっ飛ばされるほど感動した。
生のドラムとベースが作り出すグルーヴ、ギターの鋭い切れ、メロディー・ライン、何もかもが素敵で、アナログ盤を模したCD盤のデザインもかっこよかった。

「我從來不是幽黙的女生」は、良いとか悪いとかいうのじゃなくて、ぼくには何かはっきりとしない理由で、元気がないような気がした。決してダウナーな曲が嫌いなわけではない。
そして、なにより一緒に入っていたPVが好きになれなかった。
良い悪いではなくて、音楽は楽しいもの、心安らぐものありたかったから、とにかくそのPVは手元に置いておきたくなかった。

今、ぼくは陳珊[女尼]が再び好きである。彼女のつくる曲は、メロディーにも音の選び方にも彼女にしか成し得ないひらめきを感じる。
詞に関しては感想を言えるほど中国語を理解できないのが悲しい。
でも江美hに提供した「悄悄話」を歌詞を眺めながら耳を傾けていたら、涙が出てきた。
「・・・感動。」という最後の歌詞に本当に感動してしまった。
楊乃文に提供した「應該」も素晴らしかった。

陳珊[女尼]はアーティストなんだなと思う。別に全部の曲が好きでなくてもそれは構わない。
それは絵だって同じ。好きな絵もあればそうでない絵だってある。
いいものはいい。そういうものだと思うから。

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