音楽は自分が楽しむものだと思うから(01.07.20)
幸か不幸かぼくがよく聴くアーティストは、すごい有名な人というのはなぜか少ない。
(もちろん超有名で好きな人はいますが。)
なぜ幸か不幸かというと、こんないい曲を歌う(或いは作る)人なのになんでみんなもっと注目しないのだろうという歯がゆさ、みんな知らないから友人と話がはずまない寂しさ、が不幸。
幸というのは、へんな先入観や中傷なしに純粋に音楽が楽しめること。
こんなことがあった。ぼくが94年頃の王菲の曲が好きだということをとある所で書いたら、現在の王菲の音楽のほうが完成度が高く素晴らしいと反感を買った。
正直言って、ああしまった、書かなきゃよかったと思った。ぼくはもちろん今の王菲が良くないなどと一言も言っていない。今の彼女の音楽の特色は心得ているつもりである。
ぼくはただあの頃の、芸能界の荒波に揉まれながら、自分の信じる音楽をどんどん吸収発展させ、ポップと折り合いを付けつつ自己を追求し、きらきら輝いていた彼女にとても魅力を感じる、と言いたかっただけである。
確かに洋楽の完コピがあったりしたけど、それもまた微笑ましいと思ったものである。
ぼくは、音楽は自分が楽しむものだと思っている。好きな曲もあるしそうでない曲もある。
しかし、それは自分の好みがたまたまそうなのであって、心を込めて作られた音楽であれば何かしら伝わるものがあると思っている。だからそのアーティストを悪く言う気にはなれない。
アーティストもまた、自分の音楽を求めて変わっていく。聴く側のぼくの好みも変わるし、そのときの気分でだって心に響く音楽は変わるだろう。
ぼくは評論家でもなんでもないただの音楽の好きな人間に過ぎない。自分の好みを人と共有したい気持ちはあるけど、人に強要する気持ちはない。ましてやアーティストを評論できるような人間ではない。
HP上で自分の好きじゃない曲の紹介なんかしない。それはぼくの役目ではない。
(多謝:しおんさん)

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