海賊盤を売ってはいけない、買ってはいけない理由(01.05.19)
海賊盤のことを、中国語では「盗版」と言います。
「盗版」は正規盤をそのままCD−Rや印刷物のCDに落として、ジャケットはやはり正規盤のものを
カラーコピーして、正規盤の何分の1という安値で売るものです。
なぜ明らかに違法である盗版をもっと取り締まらないのか不思議なのですが、残念ながら台湾や中国では、堂々と(信頼できるショップは別にして)店頭や夜市で盗版が売られているようです。
(ようです、というのは、ぼく自身が各土地で目撃したわけではないからです。)
そして買う側も、安いから買う、正規盤が売っていない(!)から買う、といった具合で、一向に盗版が無くなりません。それどころか、正規盤が売れず、多くのレーベルが縮小・閉鎖するなど深刻な打撃を受けています。
「盗版」を買う人も、そのアーティストのファンだから、と言うかもしれません。
しかし、それは大きな間違いです。
「盗版」はどんなに売れても、「レコード会社」の収入にはなりませんし、ましてやアーティストの収入に
もなりません。いくら音楽がアートだと言っても、採算が合わなければ、世に出せなくなります。
考えてみてください。アーティストに「ただ」で歌わせているのと同じなのです。アーティストとスタッフが
心血注いでつくった結晶を一瞬にして台無しにしているのです。
大して気にも留めず、アーティストを好きで買ったはずのCD(盗版)が、結果的にアーティストの活動を奪い、追い込んでいるのです。
それで、アーティストが歌うことを止めてしまったら?(注:)音楽が無くなってしまったら?
その時「盗版」を買った人ははじめて気付くのでしょうか?まだそれでも気付かないのでしょうか…。
ぼく個人にできることはほとんどないかもしれません。しかし、もしこの拙文を読んでくださった方が
少しでも気に留めて下さって、印刷の不自然なCDや見覚えの無いCD−つまり、盗版に違いないCD−を買わないようにして頂けたなら、ぼくはうれしいです。
(注:)残念なことですが、盗版の横行を理由に、活動を停止してしまったアーティストは既にいます。

back