今日の音楽

最近聴いている、お気に入りのCDとか。

原田知世 / Music & Me
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原田知世 / Music & Me
(2007 CD)
デビュー活動25周年、前作から5年振り、40才(!)になってのニューアルバム。
 トーレ・ヨハンソンをプロデュースに迎えて製作したアルバム「I Could Be Free」以降は、王道から離れ、好きな音楽を地道に続けてきた彼女。本作は今まで縁のあった鈴木慶一、高橋幸宏ら大勢のアーティストを迎えての製作です。
 「時をかける少女」のセルフ・カバーを含む今作ですが、歌謡曲ぽさが強調されているわけではなく、あくまで今までの延長線上というか今までの活動の総括といった趣き。そして、全体の印象は、ジャケットから受ける印象そのものの『淡い色彩』に彩られた風情。柔らかくて穏やか。
 キセルが作ったPVにもなっている「くちなしの丘」はとても尾を引くメロディーで、気が付くと口ずさんでしまいます。
 ビートルズのカバーが「I Will」というのも、アルバムのイメージにはまっています。
2007.12.04記
Karla Bonoff / Live
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Karla Bonoff / Live
(2007 CD)
こんなアルバムが出ていたなんてぜんぜん知りませんでした。レコード会社も番号も記載がなく、どうも完全自主制作っぽいのですが、アマゾンで扱っていました。
 クレジットを見ると2004年のサンタバーバラでのライブが主ですが、1曲だけ2005年6月30日東京でのライブから取られています(Duo Exchangeってどこ?)。
 さて、寡作なカーラのライブが聴けるだけでファンには堪りませんが、聴いてまず感じるのは、ほんとにいい曲を書く人だなあという事。個人的には1stに収められていた隠れた名曲「Falling Star」、「Rose In the Garden」が入っているのがうれしい。
 カーラ自身が弾くアコースティック・ギターやピアノを中心に、ブリンドル時代からの同僚ケニー・エドワーズらが好サポート、痒いところに手が届く演奏をしています。録音もとてもクリアー。
2007.11.21記
Phoebe Snow / Natural Wonder
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Phoebe Snow / Natural Wonder
(2003 CD)
フィービ・スノウと言えば、1974年のファースト(邦題:San Francisco Bay Blues)が有名で、今でも再発で手に入ります(名盤です)。しかし、逆を言えばそれ以降もいいアルバムを発表しているにも関わらず、あまり話題になることもなく一向に再発されないのが歯がゆい。もっと多くの人に聴かれ評価されてもいい人だと思います。
 このアルバムは2003年発表の今のところ一番新しいアルバム。
 黒人だけど土臭くなく、むしろ都会的なクールネスを持ち、繊細かつ透明感の高い曲想と粘りのある歌声は健在。先の1stしか知らない人はジャズ/フォーク寄りのイメージがあるかも知れませんが、このアルバムはもっとポップ/ロックの力強さを持っています。
 3曲目“The Other Girlfriend”は特に名曲。キャッチーなサビのリフレインが、いつまでも頭の中から離れません。

2007.02.18記
Carly Simon / Into White
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Carly Simon / Into White
(2006 CD)
Quiet, tender..それがこのアルバムの第一印象です。
 カーリー・サイモンの新作は前作に続きカバー集。前作がジャズ・ナンバーのカバーだったのに対し、こちらは、“Oh!Susanna”,“You're Are My Sunshine”,“Scaborough Fair”,“Over the Rainbow”といったスタンダードなナンバーから、The Beatlesの“Blackbird”、元夫であるJames Taylorの“目を閉じてごらん”など幅広い選曲。
 ここには有名曲で陥りがちな凡庸さなどみじんもない。
 ごく限られたミュージシャンと作り上げられた音楽は、シンプルでこの上なく美しい。
 7人だけで作り上げられた音は、ドラムレスでチェロが配され、ベン・テイラー、サリー・テイラーがコーラスを添える。全体がゆったりとした空気に包まれる。
 彼女のアルト・ボイスが、子守歌のように優しく響く。レトロなジャケットも良い。

2007.02.18記
コッピョル /Fly Fly Fly
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コッピョル /Fly Fly Fly
(2006 CD)
二胡に似た韓国の楽器ヘグムの奏者、コッピョルの3枚目のアルバム。
 アコースティック・ギター、生のパーカッション/ドラムを軸にした伴奏に、ヘグムの枯れた音色が乗ったアレンジがとても自然。西洋のフォーク/アコースティックな雰囲気にヘグムの音がとてもよくマッチしています。(ワールドミュージックにありがちな、打ち込みリズムとシンセの厚ぼったいアレンジの曲は1曲もありません。)
 コッピョルの作曲またはメンバーとの共作が4曲、韓国人の曲が2曲、クラシック・アレンジが2曲、日本人の曲が3曲(2曲の書き下ろしとカバー曲“翼をください”)、ジャズ・ナンバーが1曲(チック・コリアの“Spain”)の計12曲が違和感なく並んでいます。
 ラストの超ヘビーなブルース・ナンバー“Blue Arirang”が斬新かつ圧巻です。
 惜しむらくはマイナー・レーベルゆえ、入手しにくいので、通販を利用するのが良いでしょう。

2007.01.04記
ジェームス・テイラー・トリビュート・コンサート
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ジェームス・テイラー・トリビュート・コンサート
(2006 DVD)
原題は『A Musicares Person Of The Year Tribute JAMES TAYLOR』。ミュージケアーズとは、グラミー賞を運営するレコーディング・アカデミーが設立した組織で、毎年ひとり功績と栄誉を称えるイベントを行っています。2006年はジェームス・テイラーが選ばれ、そのときの模様を収録したものがこのビデオです。
 出演者が素晴らしく、アメリカ音楽好きには堪らないアーティストがぞくぞく登場します。
 最初はDixie Chicksの「Shower the People」という渋い曲のカバーでスタートします。
 特に気に入ったパフォーマンスは、誰の曲を歌っても自分の曲にしてしまうBonnie Raittの「Rainy Day Man」、古代の楽器リュートの弾き語り(!)で歌うStingの「You Can Close Your Eyes」、カントリー/ブルーグラスの美声歌手Alison Kraussとバンドのドブロ奏者Jerry Douglasによる「Carolina In My Mind」です。また、ハード・ロッキンなアレンジで弾きまくるKeith Urbanの「Country Road」がかっこいい(この曲はJTのオリジナル曲です、念の為)。余談ですがニコール・キッドマンとのロマンスが発覚した直後のコンサートだそうで、ニコール・キッドマンも会場に来ています。
 なお、輸入盤はリージョン1で日本では見られないので注意が必要です。日本盤は4,900円と少し高いのが難点でしょうか。
2007.01.04記
Ian Matthews / Go For Broke; Hit And Run
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Ian Matthews / Go For Broke; Hit And Run
(2006 CD) (original LP Release 1975&1976)
イギリスのシンガー、イアン・マシューズが1975年と1976年にリリースしてアルバムの2 in 1 CD化。このあとにリリースした「Stealin' Home」で優しい歌声というキャッチコピーで日本でも人気が出ます。
 1975年リリースの『Go For Broke』はとてもポップな一枚。彼自身曲を書きますが、ここでは名カバーが光ります。Jesse Colin Youngの“Darkness,Darkness”、Van Morrisonの“Brown Eyed Girl”、Young Rascalsの“Groovin'”のリズミカルなカバー、リンダ・ロンシュタットも歌っていたオールディーズ“Just One Look”、ホール・アンド・オーツの“When The Morning Comes”などをカバー。メロディアスな“A Fool Like You”が秀逸。
 いっぽう、一年後リリースの『「Hit And Run』はガラリと変わって、サックスを全面にフィーチャーした、フュージョン色の濃いアルバム。アップテンポの軽快な曲が多いのも意外。こちらはオリジナル曲が多いですが、Funky Kingsのカバー曲“Help To Guide Me”が入っていてびっくり。

2007.01.01記