#51/午睡
ヒューズが丸いラグを買ってきた。

「お前、床に寝転んで本読んで、そのまま寝たりするだろ?」
だからせめて、これに寝転がれというのだ。
毛足の長い、卵色のラグ。
ラグというよりクッションだろうか?
寝転がれという割に、そう大きくはない。
足を折って座るとちょうどいい。
円のふちにはボアがぐるりと付いていて、少し厚くなっている。

ヒューズは部屋の真ん中にそれを置いたが
なんだか落ち着かなくて壁際へ引きずっていった。
「高かったんだ」と言うだけあって手触りはいい。
まあせっかくだから座ってやると、
ヒューズはものすごく感動したような、とても気持ち悪い顔をした。
実に嫌な気分になったが、そのラグはあまりにも程よい柔らかさだったので
見ないふりをして本を開いた。



俺は本当にいい買い物をした。
素直にその上に座るロイを見て、カメラを持っていないのを心から悔やんだ。
それにしても、人様が使うクッションより
猫用のクッションが高いなんて知らなかったなあ…。

じろじろ見ていると、ロイが引っ掻きたそうな目で睨んだので
俺は猫クッションと一緒に持ってきた食材をキッチンへ運んだ。
片付け終わって戻ってみると
ロイはクッションの形通りにまあるくなって、本を抱えて眠っていた。