西園 虎丘 網師園 寒山寺


■はじめに
運河 君がみ胸に 抱かれて聞くは夢の船唄 鳥の歌

水の蘇州の 花ちる春を惜しむか 柳がすすり泣く

花をうかべて 流れる水の明日のゆくえは 知らねども
こよい映した ふたりの姿消えてくれるな いつまでも

髪に飾ろか 接吻しよか君が手折りし 桃の花
涙ぐむよな おぼろの月に鐘が鳴ります 寒山寺

サントリーウーロン茶のCMで流れていたあの美しいメロディーが蘇州夜曲だったと知ったのはつい最近のこと。1940年公開の映画「「支那の夜」(主演:李香蘭…本名・山口淑子。現在参議院議員)の主題歌だったとか。この歌の題名である蘇州は紀元前514年に城壁が築かれたのが始まりで、2500年以上の歴史を持つ古都であり、美しい庭園や網の目のようにめぐらされた水路・運河で有名です。「東洋のベニス」とも言われています。。庭園の美しさは本当にすばらしいものがあり、確か世界遺産にも登録されたような記憶があります。庭園は大湖石とよばれる規岩と、池、樹木を巧みに組み合わせて作られた風景はとても美しいです。一見の価値はあります。私は92年と98年の2度、蘇州へ行きました。

虎丘 ■虎丘
ここは、春秋時代「呉」の国王が埋葬された場所と言われている。「呉」は蘇州を首都に置いた国で、春秋時代末期に力をつけ、当時超大国だった楚を軍事力で圧倒したこともあるほど。隣国「越」との争いの中から生まれた「臥薪嘗胆」の故事が有名。ここに埋葬されたのは、呉の最後の王「夫差」であると言われている。埋葬されてから数日後、白虎が現れ、墓を守るように墓上にうずくまったことから虎丘と呼ばれるようになった。
丘の上には宋代(961年)に塔が建てられたもの。この塔は別名雲岩寺塔といい、50メートル近い高さがあります。写真でみてわかるように「斜塔」です。現在は、これ以上傾斜が進まないよう周囲をセメントでしっかり固めてあるとか。

■試剣石
虎丘の一角に、試剣石があります。呉の国は古来、名剣を産する国として知られていました。「試剣石」は呉の王が名剣の試し切りをしたものだと言われています。そうした伝説ができるほど、名剣を産出する地として広く知られていたのでしょうね。虎丘にある池は三国時代の「呉」の孫権が呉王「夫差」とともに埋葬されたとする名剣を探すためにほった穴だという伝説があります。ちなみに掘ったけど何も出てこなかったそうです。
試剣石

拙政園 ■拙政園
蘇州は美しい庭園がいくつもある街として有名です。私が始めて蘇州を訪れたのは1992年。このときは拙政園を訪れました。
拙政園は、中国の4大名園(他は北京の頤和園、承徳の避暑山荘、蘇州の留園)のひとつとして有名で、蘇州でももっとも大きな庭園として知られています。
池や樹木、建物、大湖石と呼ばれる不思議な形をした奇岩を巧みに組み合わせた庭園はとても美しく、一見の価値があります。
‥通路が複雑で「迷路」。なかなか行きたい所にたどり着くことができませんでした(苦笑)

■留園
拙政園に負けない美しい庭園です。ここには1998年に訪れました。こんな美しい庭園でのんびりとお茶でも飲みながら読書できたら最高だろうな、と思ったのを覚えています。

‥あとで「拙政園」と「留園」の写真がうっかりとごちゃまぜになってしまい、どっちがどっちの写真だったのか、分類するのに苦労しました。どちらもよく似た風景‥ですから(失礼!)
留園

■旅のエピソード
飛行機10時間遅れ
1992年に中国を訪問したときのこと。その日は西安から上海へ空路で行き、そこから鉄道で蘇州へ移動し、一泊する予定だった。西安空港で「何番ゲートから飛行機が出るのかな?」と掲示板を見ると、乗るはずの飛行機の飛行機の時間が出ていない。あれ?おかしい。何やら嫌な予感が‥!
いろいろ調べてみると、なんと10時間遅れになることが判明(怒)。10時間も飛行機が飛ばないなんて!これからの旅程はどうなるんだよ(怒)。飛行機が遅れることはよくあることは聞いたのでそんなに心配はしていなかったけど、まさか10時間遅れとは…!!
しかも、西安空港は当時国際空港に格上げされたばかり。工事をあちこちですすめている状況で、あちこちが立ち入り禁止。10時間も時間をつぶせるようなお店などひとつもない。唯一あったのがちょっとしたコーヒー店。なんとそこのコーヒーはミルクに脱脂粉乳が!おまけに椅子がかなりのボロで、友人が座ると「バリッ」。壊れて転げてしまった。苦労してやっと乗った飛行機。上海ついたら夜。当然昼に乗るべき列車はとうに出た後。急遽ワゴン車で上海から蘇州へ向かったのだけど着いたら夜中の十二時を回っていた。当然晩飯も抜き。飛行機でもらったまずいナッツを食べ、風呂に入ろうとしたら茶色い水が止まらず、おまけに風呂の栓が壊れていた。さすがに疲れてお湯に漬かりたかったのに。結局風呂あきらめて寝た。史上最悪の日であった。
■中国の列車…上海・蘇州間
中国で列車には何度か乗ったことがある。上海〜蘇州の間が一番多いけど。中国では列車に乗る前に荷物検査がある場合がある。。検査があったのは乗ったのが一等車だったからかもしれないけど。
空港で荷物を預ける前にチェックされるようなX線だかなんだかの機械に荷物を通していた。思わずへっ?と思ってしまった。爆弾テロとかあるのだろうか?つくづく日本っていい国だなあと思う。お茶のサービスはうれしい。乗ると乗務員が配ってくれる暑いお茶。もちろんタダ。ただ昔はなかったのだけど最近では車掌さんが商売熱心なのかシルクのスカーフを山盛りもってこちらが日本人と見ると売りつけてくる。これにはつくづく参った。でも大量に買い込んで喜んでいる日本人もいた。同じ日本人として恥ずかしい。
一つご注意。トイレは停車中鍵を閉められるので、使用禁止。くれぐれも閉じこめられないように!!
■寒山寺の物乞いの子供たち
寒山寺に行ったときのこと。バスが駐車場に入りツアー客がバスから降りようとすると、上が7〜8歳、下が5〜6歳の兄妹がバスの出口にやって来た。物売りかな?と思っていると彼らはペットボトルを半分に切ったモノをツアー客に差し出してきた。その中には小銭が入っていた。そう、「お金ちょうだい」と言ってきたのだ。驚いたのは親とおぼしき人が子供たちに何かをいって指示している感じだったこと。子供たちを見るとツアー客のおばさんやおばあちゃんたちは子供かわいさなのか小銭を10元20元と入れていく。子供たちも私のような若い男の所にはこずにおばちゃんたちにひっついて貰っている。これは実に危ないことだと思う。一つはお金を貰いながらスリを働く可能性があると言うこと。これはしつこい物売りと同じなのだが。実際に被害にあった人もいるとどこかで聞いた。もう一つはお金を与えることは何の解決にもならないこと。働けないのなら中国は社会主義の国。ちゃんと保障をうけるべき。子供たちの親は全然元気だった。観光客が与える我々から見ればとるに足らないお金でも彼らにとっては十分生活していけるお金。与えることで彼らの勤労意欲をなくさせてしまう。だから、こういう物乞いに会ってもお金を与えるべきではないと思う。あげたくても気持ちをぐっとこらえてほしい。それが彼らの為でもあるのだから。