■「奔流」田中芳樹著

●ストーリー
南北朝時代の「北魏」と「梁」の争いを中山王・元英や陳慶之、偉叡など正史に載る人物を中心に描く。特に中国史上屈指の「南北大戦」である「鐘離の戦い」を騎兵を中心とした北魏と水軍を中心とした梁の戦闘シーンを中心に圧倒的なスケールで描かれている。

●感想
作者の重耳への強この小説で陳慶之ファンの方がたくさん増殖したでしょうね(笑)まあ彼は後にわずか8千の兵で誰もできなかった北魏の首都洛陽を陥落せしめるというとてつもないことをしてしまう天才的な将軍であったわけで、それが武芸がまるっきしだめだというアンバランスさもあって、非常に魅力的なキャラクターではあるのですけど。
この小説では一応この陳慶之を中心に南北時代、北朝魏と南朝梁が激突するいわゆる南北大戦の一つ、「鐘離の戦い」を描いています。出てくる人物がなんとも贅沢としか言いようのない人たちばかりで、中山王、楊大眼、藩夫人、偉叡(偉のイがいらないですよね。漢字がなかった)
梁武帝など、それぞれが独立した小説の主人公になれるような気がします。それにしても陳慶之、田中芳樹の小説でどこかで出てきたような…?まさか、ヤン ウェンリー? ある方のHP見て納得しました。銀英伝のキャラ、何となく形を変えて「奔流」に登場していると思いません?