祝日。この日は結婚10周年の記念日だったので盛大なお祝いを計画していたのだが、私と妻が二人仲良く体調不良だったので自宅で控えめなお祝いに切り替えた。だがそれがいい。元々はそこまで考えていたわけではないのだが、祝日を結婚記念日にしておくと基本的に毎年休みなので便利である…といいつつ、近年では日付が固定されない祝日(春分の日とかではなく、「〇月の第〇月曜日」とかいうアレ)が増えているので油断ならない。
この日は例年行っている某送大学での非常勤講義(映像に出ない方)。これまでは、テーマ自体の濃さはさておき話の形式自体はお話ベースの軽い感じにしていたのだが、今年は気分を変えて割とガチな数学っぽいスタイルの講義にしてみた。あるコマでは、集合上の二項演算の定義から出発してフェルマーの小定理の証明に到達することを目指したが、さすがにそれは時間が足りず次のコマに持ち越すなどした。こんな調子の講義を4コマやったものだからさすがに疲れた、というか現在の体調でよく持ちこたえられたものだと思う。今思うと一日に4コマ連続の講義ってとんでもないスケジュールだったなぁ。(本業の関係で講義日をあまり増やせないのでその分一日あたりのコマ数を増やす羽目になり、まぁつまり自分で決めたスケジュールなのでしょうがないのだが。)
休みたいのはやまやまだったのだが事務手続きのため遠い方の職場へ。
ひょんなことから、twitterにて某氏と3×3の○×ゲームの解析を行うなどした。王手放置はしない前提で、先手が初手左上に着手したとき、後手は例えば左中段に着手すると形式上は勝てる可能性の場合の数が上昇するけれどもその場合先手が最善手を打つと負けるので、真ん中に着手して勝ちの目を残しつつ最悪でも引き分けに持ち込むのがよい、といった知見を得ることができた。
週末。ここ2ヶ月ほどを振り返ると、筆頭論文6本共著論文1本投稿して非常勤講義8コマやって発表4件して泊まり出張4回して合間に事務書類やら会議やら急ぎの査読やらあって、まぁ我ながらよく倒れなかったものだ(倒れなかったとは言っていない)と思うので、この日は徹底的に休んだ。
前日の分に書いた筆頭論文6本のうち一つが早速rejectされた件。(#涙を禁じ得ない)
書店に行ったら、「数学セミナー」誌の前に、誰かが立ち読みした跡と思われる別の本が立てかけてあったので、その本をどかしてちゃんと数セミが見えるようにして帰ってきた。一日一善。
週末。親友の誕生日を祝ってきた。
週末。
「県立高校の採用試験に教員免許不要 来年度から理系博士号取得者」というニュースを見た。曰く、(略)県教委によると、将来、科学技術や地域産業を担っていく専門家を育てるため、専門的な知識や技能がある教員を確保するのが目的という。(略)博士号取得者への優遇は本年度試験から導入し、受験科目の「校種・教科専門」を免除しているが、それを拡充した形。本来、教員採用試験を受験する場合、教員免許状があるか、取得予定である必要があるが、博士号がある場合は不要にする。採用試験に合格したら県内で有効な「特別免許状」を発行する。募集教科は高校の数学、理科、農業、工業で、教科に関係した博士号が必要。(以下略)とのこと。
個人的には、学問をきちんと修めた人物が教育に携わること自体は有意義だと思うのだが、教員免許を持っていない人と持っている人を混在させるのは教員免許の意味を喪失させてしまわないか心配である。あと、県内限定の免許ということで、もしこの制度が近い将来廃止になったりしたら、その人は別の地域で教員になることもできず途方に暮れることになるのではないか、という心配もある。この件については、関係者が現状を改善しようと真面目に検討された結果だろうとは思うのだが、働く人のキャリアパスも考慮した制度設計になっているといいなぁと思う次第である。
打ち合わせのため都内某所へ。駅前に、激混みの某コーヒー屋チェーン点と空いている地元のパン屋さん(店内で飲食可能な形式)が向かい合っていて、パン屋さんの方は値段も安く席も空いていて味も悪くなくコンセントも使えるというのに何故みんなあっちの店に入るのだろう、と不思議に思った。この件の「某コーヒー屋チェーン」がどこだったのかは忘れてしまったので、それと同じ企業なのかはわからないけれども、最近でも某コーヒー屋チェーンについては我が家の中では「高くて混んでいる上にそんなには美味しくない」と評判(?)である。なんでみんなあんなにあのお店に行くんでしょうね。
週末。選挙の投票日だったのだが、べらぼうに寒かった。期日前投票していなかったら大変なことになっていたかもしれない。うちの地域では、期日前投票では便利な駅前の投票所を使えるのだが、当日はそこは使えなくて遠くの投票所に行かなければならないのである。当日も両方の投票所を使えるといいのになぁ、と毎度思っている。あと、選挙で低投票率の話になると「投票に行かない奴の意見なんて知ったことか」的な暴論を吐く輩が湧いて出るのが常であり今回も例外ではなかったのだが、せめて「投票に行かない」のではなく「行けない」人の存在にぐらい思いを馳せてもらいたいものである。皆が皆健康体ではないのであるし、こう寒いと体調不良で投票所に行けなかった人も少なくないのではないだろうか?私は比較的選挙投票ガチ勢だと自覚してはいるものの、それはそれとして上記の内容も今でもそう思っている。選挙に限らず議会における多数決による議決もそうなのだが、本来はとことんまで議論をたたかわせて全会一致(あるいはほぼ全会一致)で議決を行うのが理想像であるところ、現実にはそこまでの時間が取れないので多数決で決着を付けざるを得ない(←このこと自体を非難しているわけではないですよ、念のため)、いわば選挙や多数決というのは「妥協の産物」なのだ、という意識ぐらいは頭の片隅にでももっておきたいものである。
職場で研究用に買う数学書を物色していたらこれに遭遇して、しかも「人気」タグが付いていたものだから思わず変な声を出しそうになった。「よくわからない数学」で何のことかわかる方は察してください。
色々あって右も左もわからぬバイオインフォマティクスの国際研究集会に潜入したので、比較的何とかなるかもしれないアルゴリズム系のセッションを聴きに行ったところ、発表者の共著者にマス・フォア・インダストリ研究所の人が入っていて爆笑しそうになった。いや、狭すぎだろう世の中。(ほんとに世の中狭すぎですよね…)
SC某Sの前日に、「Small-workshop on Communications between Academia and Industry for Security (SCAIS)」というミニワークショップを開催しますのでそれっぽい業界の方やそうでない方向けに宣伝します。略称芸人への道は険しい。SCAISという略称(になるように名付けた正式名称)、個人的には私が人生で創作したものの中で五指に入るクリーンヒットではないかと密かに自負している。いやマジメな話。
SCISの特別講演の講演概要、普通の母関数は数を係数として無限和を考えますが、数でないものに対しても足し算や掛け算を定義して母関数を考えると結構面白いものが登場する、 というのが最近の講演者の研究テーマで、モチビックゼータとよばれます。 モチビックゼータの生まれ故郷は有限体上の代数曲線であり、暗号の専門家との接点になるのでは、 と期待してお話ししようと思います。と、暗号の学会でよくこの企画通したなぁと言いたくなる内容で非常に楽しみにしているのだが、同時間帯に共著論文の発表が重なっていて海より深い悲しみに包まれている。
一泊二日で宮城県S市に出張。今回のホテル選びの決め手は住所(花京院)だった。
お休み。ようやく数学セミナー最新号を読むことができたのだが、あまりにもあんまりな記述を見つけたのでカッとなって書いた。変な誤解を広げないでいただきたいものである。一応フォローしておくと、普段の数学セミナー誌はとても丁寧に作られていることが見てとれて、ここまでアレな記事が載ることは滅多にないのである。なんでこのときだけああなっちゃうかなぁ。
お休み。先日、フィギュアスケートの町田樹選手が競技選手を電撃引退して研究者を目指すと表明して騒ぎになっていた。個人的には、氏が本当に研究者になったら将来的に自分のTatsuki numberが有限になる可能性があることに気付いてwktkしているところである。ご武運を祈りたい。それから約10年経ち、気になったので調べてみたところ、今年度から國學院大學の准教授に着任されていたことが判明した。准教授といってもぽっと出の「有名人」が准教授(あるいは教授)として大学に「降臨」するパターンではなく、3年半の助教の職を経て(しかも非常勤講師などもこなしつつ)准教授への昇任なので、ちゃんと学者として研鑽を積んでおられることが見てとれる。敬礼を禁じ得ない。なお、論文も執筆しておられる(そりゃ准教授ですからね)ものの、どうやら今のところすべて単著のようで(数学者よりも単著マンな他分野の方は初めて見たかもしれない)、私のTatsuki numberが有限になる日はまだ遠そうである。
フィンランド出張へ出発。空港に診療所があることを発見したので、出発前に駆け込んで、前日に医者にかかり損ねた喉の具合を診てもらった。
フィンランド出張中。到着が夜中だったので本質的にはこの日が初日である。「夜中に空港へ到着して、寝坊せず翌朝早くに街中までバスで移動して待ち合わせ場所まで時間通りに辿り着く」という超絶難解ミッション(←本人比)を無事遂行した。
フィンランド出張中。前日に、日本からの参加者側と現地の参加者側で簡単な研究自己紹介をしていたので、この日はそれを踏まえて共同研究の相談をするなどした。研究の話は英語でもどうにかなっていた(と信じている)のだが、「午後は○○号室に移動して△時から再開ね」のような研究以外の会話が難関という罠。
フィンランド出張中。ホテルの朝食会場に日本風のみかんが置いてあった。海外のホテルだとオレンジが置いてあることが多い印象なので、みかんは珍しいなあと思った。個人的にはみかんの方が好みなので、フィンランドの好感度が上昇した(←)。
フィンランド出張中。この日は日本への出発日だった。出張前は寒さや気候面をかなり心配していたのだが、寒いことは寒かったものの想像していたほどではなかったので助かった。ただ、今回がたまたま暖かめだっただけという可能性もあり、今回のことで油断して次回のときに無茶苦茶寒い思いをするフラグかもしれない。
フィンランド出張から無事帰国。「北欧の食器と言ったらこの会社」とも言われる(らしい)iittalaのムーミンマグカップを(そうとは知らず)お土産に買って帰ったところ、妻と二人して絵柄が気に入りすぎてしまいマグカップを飾りっぱなしで使用できない事案が発生した。「研究よりも研究以外の日常会話の方が難しい」というのは英語苦手研究者あるあるネタである。学生の頃に参加していた外国でのサマースクールでも、講義終了後の「午後は〇〇時から再開ね」のようなアナウンスを毎回近くの人に尋ねなおすid:MarriageTheoremの姿が会場で目撃されたとか。
「空中に手書きで文字入力する指輪型デバイス、富士通研が開発」という記事を読んだ。この手の技術が進化したら、例えばこのデバイスと発破の起動装置を連動させることでナッパの「クンッ」を再現できたりするのかなぁ、などと妄想を逞しくしたのは私だけではないと信じている。この件に限らず、ファンタジー作品における「魔法」を現実世界で模倣するためにはどういう技術が必要なんだろうか、といった妄想はたまに行っている。
以前書いた「超限帰納法抜きで選択公理からZornの補題を証明してみた」がもう3年以上も前の作だったことに気が付いて愕然とするなど。「このネタ、あと10年ぐらい経ったら論文誌にアクセプトされてるよ」と当時の私に教えたらどんな顔をするかしら。
週末。この日は阪神淡路大震災からちょうど20年の日。私自身はあちらに住んでいたことはないので、当時の知人で被災した人はいなかったと記憶しているが、詰将棋パラダイス誌に著名な詰将棋作家の方の訃報が掲載されたのを見て衝撃を受けたことが今でも印象に残っている。私の産まれる前に祖父母が亡くなっていたりということはあっても、(直接の知人ではないとはいえ)「よく知っている方が亡くなった」という記憶は私の人生の中ではあれが最初だったと思う。当時の私には大きな衝撃だったのだが、今になってみると、あの年齢までそういう衝撃を味わわずに済んでいたというのは幸せなことだったのでしょう。
この日から福岡出張。今回は前後半で宿が違うのだが、前半の宿が何故か各部屋に調理場や洗濯機が設置されている不思議仕様だった。長く泊まるときは便利そうである。西新プラザの近くにあるあの宿のことだと思うのだが、なるほどこの当時はまだ「珍しい」という感想だったのだなぁ(その後数えきれないほど泊まることになるので)。
福岡出張中。この日はSCIS、ではなくSCAIS(Small-workshop on Communications between Academia and Industry for Security)というワークショップで実行委員のお仕事をしていた。英語の略称から逆算して名称を決めたせいで日本語名称が無い(直前になって気が付いた)怪しげなワークショップにもかかわらず多くの方に参加していただいて、濃密な議論ができたので、開催して本当に良かったなぁと感じている。講演者と参加者の皆様に改めてお礼申し上げます。「日本語名称がない」というのは本当に盲点に入っていて、何が困るかというと出張申請手続きの際に参加するイベントの正式名称を書くと無駄にスペースをとられるのである。参加者の皆様いつもご迷惑をお掛けしております。m(_ _)m