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2月1日(木)
元指導学生たちとの共著論文が某Eな国際会議にアクセプトされた。めでたい。(ただし他の論文は1件リジェクトされてしまったので、めでたいことばかりではない。)
今学期担当しているプログラミング関連の講義の最終回だった。素因数分解アルゴリズムの紹介をしたのだが、一般には計算量的に困難とされる素因数分解であっても入力となる合成数が特殊な形のときは効率的に素因数分解できてしまうことがある、ということの実演のために、p-1法を適用できる形の2048ビット合成数を用意して実際にp-1法で素因数分解してみせるという「茶番」を遂行するなどした。
2月2日(金)
当研究室に興味があるという方の面談をするなどしていた。
2月3日(土)
週末。昼食はいつものパン屋さんを堪能。この日は近年では豪華な太巻き寿司が出回る日になっていることもあり、夕食は太巻き寿司を堪能した。
2月4日(日)
2月5日(月)
現所属先に異動してから初めて排出する種類の資源ごみが発生したので、収集場所を調べるなどしていた。
2月6日(火)
修士論文発表会のあるセッションで座長を務めた。研究内容もさることながら、発表のスタイルにも個性があって面白かった。
数学の話。Twitterやmastodonの数学板(←板ではない)でくるる氏が以下の問題について発言されていた 。
ユークリッド平面からユークリッド平面への連続単射は開写像になるって言えてますかね。多分行けると思うんだけとググっても出てこないので心配になっている。なんか勘違いしている?
それに対する返信で、「一般のn次元ユークリッド空間の開集合からn次元ユークリッド空間への連続な単射について、その像はn次元ユークリッド空間の開集合である」という定理があることを知ったのでメモしておく(Invariance of Domain という名称があるらしい)。証明には代数トポロジーの知識を使うらしいのだが、元々話題になっていた問題については、一般の次元ではなく2次元(平面)の場合だけを考えていることと、件の写像が全平面上に連続単射に拡張されるという追加の条件があるので、この場合に限れば比較的初等的な証明ができないものかとそれ以降考えているものの中々上手くいかない状況である。
2月7日(水)
2月8日(木)
お祝いのために妻と一緒にケーキを堪能した。これまで住んだ場所はすべて近所に美味しいケーキ屋さんがあるという幸運に恵まれた人生だったのだが、現住居でも幸運は継続中である。
某所の日記の移行作業。2014年5月分について、まずは2014年5月4日の分:
連休二日目。ものすごい勢いで睡眠を(中略)それはさておき、また少しずつキューネン「集合論」の邦訳を読み進めているのだが、ついに有名な「連続体仮説のZFC公理系からの独立性」の証明にたどり着いた。ついでに以前聞いた「実数体の濃度は、明らかにおかしなものを除けばおおよそどんな大きさであってもZFC公理系と矛盾しない」(←大意)という結果も述べられていた。まだ「理解した」と言える状態ではないけれども、ともあれ感慨深い。
↑次は2014年5月15日の分:
この日から北海道へ出張。室蘭へ初潜入して談話会で発表してきた。で、翌日は札幌でセミナー発表があり、本当は室蘭で一泊したかったのだけどどこかの企業で大型案件があったらしく周辺の宿がいっぱいになっていて、この日のうちに札幌へ移動する羽目になっていた。それで駅で列車を待ちがてら書店に入ってみたら、雑誌コーナーに「サイエンス」と「ムー」が隣り合わせで置いてあったため、「まぜるな危険」というフレーズが頭をよぎった。
↑↑次は2014年5月16日の分:
北海道大学のセミナーで発表。前日に60分の談話会で発表した内容を90分で発表したのだが概ね時間ぴったりになった。道理で前日に苦労したわけである。
↑↑↑次は2014年5月24日の分:
「「量子暗号に30年ぶりの新原理」―「読まれたら気づく」から「読めない」手法へ―」というプレスリリース の存在を知るなど。Y00の件があるからこういう話については警戒心が先に立つのだけど、本当であれば面白い結果だと思う。自分で論文読んでもいいんだけど手に余りそうなので、いずれ詳しい人に教えてもらおう。
これ、結局その後どうなったんだろうか。普段は量子暗号(≠耐量子暗号)方面はろくに追いかけていないので様子がわからない。
↑↑↑↑次は2014年5月26日の分:
来客があるため遠い方の職場へ。近い方の職場で対応可能であれば私もお客さんも移動が楽だったのだがそうもいかず、lose-lose的な状態であった。
↑↑↑↑↑次は2014年5月30日の分:
セミナー祭り2日目。「師匠number」のネタがややうけしたので満足。
「共著論文がある研究者どうしを線で結ぶとした場合に、ある人からある人まで線を何本辿れば行き着くか」を意味する共著距離という概念があり、最も(その手の業界では)有名な例がかのエルデシュ数(エルデシュまでの共著距離)なのだが、「師匠number」とは「ある人からその人の(博士号取得時の)指導教員までの共著距離」のことである。先行研究(←研究とは)の有無をそれほど熱心に調べたわけではないものの、私が見聞きした範囲では「師匠number」は私が独自に提案した概念である(一応念のため、「提案した」といっても別にそれを論文に書いたとかいう話ではなく、単にTwitterで冗談を言っただけのことである)。ただ、そもそも指導教員のことを「師匠」と呼ぶこと自体が数学など一部の分野に限った文化のようであるし、また、学生のうちに発表する論文の大部分が指導教員との共著になるような分野では「師匠number」は多くの場合1で固定となるが、数学では(少なくとも今のところ)学生の頃から単著で論文発表することが多いので「師匠number」の値が自明には求まらない、という分野ごとの事情を知らない人にこの面白味を伝えるのはかなりの技が必要と思われる。
2月9日(金)
とある面接審査を担当した。熱意のある人が多くて何よりである。
2月10日(土)
2月11日(日)
週末。ふと気になって久々にGoogle Scholarで自分の既発表論文の被引用数を確認してみたら、被引用数最多の論文の被引用数が初めて3桁の大台に達していた。ちなみにこの論文 で、ちょうど被引用数100件になっていた。ありがたい限りである。それと、先日公開したプレプリント について面識のない(外国の)人から「面白かった」という趣旨のメールが送られてくるという実績も解除した。こちらも嬉しい限りである。
某所の日記の移行作業。2014年6月分について、まずは2014年6月4日の分:
テレビ会議に参加。便利な世の中になったものである。
これを書いた当時はテレビ会議専用の装置を用意する必要があったと記憶しているが、あれから10年近く経って、今となってはテレビ会議というかオンライン会議の技術はもう完全に世の中に浸透したといえると思う。専用の装置を用意しなくても普通のパソコンでオンライン会議ができるというのは便利の一言である。まぁ、そうなった主な要因は新型コロナウィルスの蔓延にあったわけで、「オンライン会議が普及していないが新型コロナウィルスが蔓延していない」世の中の方が現実よりずっと良いのは明白なのだが、とはいえこれだけ皆が大変な目にあっているのだから少しぐらいは良い方向の影響があっても罰は当たらないだろうとも思う。
↑次は2014年6月13日の分:
某C大ミーティング。International conventionの破壊力に衝撃が走っていた。
記憶が定かなら、当時の職場でとある文書の英訳を業者に発注したところ、送られてきた翻訳後の文書中で「(学術的な)国際会議」という語が上記のように訳されていた、といった話だったと思う。この文脈では通常は"convention"ではなく"conference"という語が用いられる。もちろんこの分野の学術的な内容にも対応できると銘打たれたサービスを利用したのだが、まぁ不精しないでちゃんと自分で文章を書きましょうということだろうか。
2月12日(月)
祝日(の振替休日)でお休み。お祝い事のために、引っ越して以来気になっていたが訪れる機会がなかったとあるレストランで妻と食事をしてきた。とても良いお店だったのでまた行きたいものである。
2月13日(火)
セミナーを受け持っている某学生からセミナーの内容とは関係ない数学の質問を受けて対応するなどした。幾何学のホモロジー群の話(Mayer-Vietoris完全系列とかその辺り)で、普段全然使わない内容だったからどうなることかと思ったが何とかなった(はず)。あの辺の話って議論の詳細があまり書かれないことがありがちで困るんですよね…。
2月14日(水)
2月15日(木)
来年度新しく担当する予定の講義(複素関数論)の準備に着手している。これまでは組合せ論や代数方面の講義ばかりだったので解析方面の講義の準備は新鮮である。
2月16日(金)
主に複素関数論の講義の準備。工学部の科目なのだが、冪級数の収束半径を与えるコーシーの収束判定法で使われている「上極限」(もしくは「下極限」)の概念、果たして工学部の解析の講義で取り扱われているのだろうか、と心配している。
2月17日(土)
週末。災害時用に用意していた非常食の袋入りラーメン(袋にお湯を注いで作ってそのまま食べるタイプ)が賞味期限間近になっていたのでお昼に食べてみた。味は(非常食であることを加味すると)そこそこだと思ったのだが、袋の形のせいでだいぶ食べにくかった。(平常時の自宅なのだから別の器に移して食べてもよかったのだが、折角なので実際の非常時における食べ方を試してみた次第である。
2月18日(日)
週末。ここ数日講義の準備に注力していたら事務的な用事が溜まってしまった。
2月19日(月)
共同研究の議論のためにH氏が4日間滞在される予定でこの日がその初日。久々だったので復習がてら現状の確認などをしていた。
2月20日(火)
H氏との議論2日目。H氏が何気なく話してくれた話題が思いのほか発展しそうな雰囲気になっている。こういうのが共同研究の議論の楽しい点である。
2月21日(水)
H氏との議論3日目。うまくいけば(具体的には、先行研究と衝突していないことが確認できれば)論文が1本書けるかもしれない。まぁもし先行研究が見つかってしまったとしても議論自体は楽しかったのでよしとしておこう。
2月22日(木)
H氏との議論最終日。期間中は研究に集中する気分になれて良いことなのだが、事務仕事が滞りがちになって後から処理するのが大変になるという副作用が存在することは否めない。あと、H氏との議論が終わった後の時間帯にも各種ミーティングが立て続いて体力的に大変な一日だった。
2月23日(金)
祝日のためお休み。なのだが、自宅の屋根裏に野生動物が棲みついたかもしれない疑惑が発生して対応に追われるなど、何かと慌ただしかった。
2月24日(土)
週末。野生動物の件はどうやら杞憂だった模様。よかった。あと、先日図書館に行った 際に借りていた本をこの日のうちに返さないといけない状況なのにまだ全然読めていない本があったので、とりあえず「何が書いてあるのか」だけ大急ぎで把握して返却するなどした。
2月25日(日)
2月26日(月)
大学入試の日だったので、帰りに大量の受験生がバスを待っていて大変なことになっていたのだが、受験生が向かう最寄り駅とは逆方向のバスで線路の近くまで行ってそこからしばらく歩いて電車に乗るという地元民ムーブをかまして事なきを得た。
2月27日(火)
このところ雨の日が続いていて外出が億劫になるような気候である。今年度は梅雨時でもそんなに雨が降らなかった気がするのだが。
2月28日(水)
2月29日(木)
所属部署が運営している共同利用制度 の来年度分の公募について結果が通知されて、私が関係している案件は無事採択されたようである。共同利用への応募ありがとうございました。
某氏がTwitterに書いていたのだが、「閏年」は追加の何かが挿入される側である「年」に着目した命名なのに、「閏秒」は「追加で挿入される何か」であるところの「秒」に着目した命名になっているのは何故なのだろう。確かに言われてみると不思議である。