喪失楽園









OUTLINE

 地上の楽園と謳われし大陸、ミフル。
 豊かな自然と神秘の力に恵まれたこの地で、人々は精霊王・槐《エンジュ》と月神・那波《ナナミ》、太陽神・熾輝《シキ》、星神・朱華《ハネズ》の天空三神の加護の下、大いなる繁栄を享受していた。
 ミフルの民は、精霊王の巫子にして天空三神を祀る天象神殿の斎主《イワイヌシ》である祭祀王、瑠璃玻《ルリハ》によって統べられる。
 大いなる魔力により不老長寿の身となった巫翅人《フシビト》であり「月神の巫子」の二つ名を持つ賢者でもある瑠璃玻は、「運命の司」那波が視た夢を知る数少ない人物でもあった。
 瑠璃玻と、武門の名家九鬼一族の出で「太陽神の剣」の異名を持つ聖剣士であり巫翅人でもある瑠璃玻の護り人煌《キラ》、とある事件をきっかけに瑠璃玻達と出逢い、やがては「星神の舞姫」名を授かる事になる舞姫・華焔こと綾――天空三神の名を冠する3人と、彼等を取り巻く人々の様々な思惑が交錯する中、事態は着実に予言された終末に向かって動き出す。
 避け得ない運命の中で、彼等は何を想い、何を為すのか…これは、今は失われた楽園の、喪われゆく時を描いた物語である。



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