「日産の軽」第一号となりました、スズキ「MRワゴン」のOEM車「モコ」の紹介です。

 

日産モコ G 2WD
4AT
型式
CBA−MG22S
全長×全幅×全高
3395×1475×1610(mm)
エンジン
K6A・直列3気筒DOHC
インタークーラーターボ
最高出力
60ps(44KW)/6000rpm
最大トルク
8.5kgm(83Nm)/3000rpm
車両重量
850kg
乗車定員
4名
駆動方式
前輪駆動(FF)
10・15モード燃費
18.8km/l


■ボディカラー

 モコルージュ

■追加オプション
 ・プラスチックバイザー
 ・ナンバープレートリム
 ・パーキングアシスト(リバース連動ドアミラー)
 ・ドアエッジモール

イントロダクション

 日本独自の自動車規格である「軽自動車」は、1955年に国が発表した「国民車思想」から生まれました。
「安価」「走破能力」「軽量」「燃費のよさ」「メンテナンスフリー」という項目において一定条件を満たせば、国が製造
と販売を支援するというモノでした。この条例に各メーカーはしのぎを削って高効率車を開発し、その第一号がスバル
の「スバル360」と言われています。その後「スズキ・フロンテ」や「ダイハツ・ミラ」などの様々な軽自動車が発売さ
れましたが、安価で高性能を実現する必要があったため、静寂性や質感においては普通車に水をあけられ、「軽自
動車=ガマンのクルマ」というイメージがあったのも事実です。
 しかし時は流れ、「スズキ・ワゴンR」の登場で軽自動車の認識が変わり始め、1998年の軽規格変更とも相まって
質感と快適性が向上。更には普通車枠のコンパクトカーが軒並みクオリティを上げてきた事により競争意識が上が
り、軽自動車は我慢の乗り物では無くなってきました。
 そんな中、2003年にデビューした「スズキ・MRワゴン」は、基本コンポーネントをワゴンRと共用しつつもプレミアム
性と快適性に重点が置かれ、クラスを超えた質感と快適性を手に入れました。

ディテールチェック

  ベース車のMRワゴンと大きく異なる印象を
 受けるフロントマスク。ティアドロップ形状の
 ヘッドランプと日産を象徴するウィングデザイン
 のグリルが、モコのアイデンティティ。
  ちなみにターボ車はMRワゴンのような専用
 エアインテークはなく、グリル形状がターボ
 専用のものとなっており、フォグランプも標準
 装備される。

  タイヤはNA車が13インチ+スチールホイール、
 ターボ車は写真の14インチ+アルミホイール
 が標準装備される。またサスペンションのセッ
 ティングも異なり、ターボ車は10mmほど車高
 が下げられている。
  その影響か、ターボ車の乗り心地はやや固め
 で、路面の細かいゴツゴツを拾いやすく、何と
 なく落ち着かない。ゆったりと乗りたいならNA
 をチョイスするのがベター。
  しかし…最近デビューした新型ムーヴは、16
 インチタイヤを装着されたグレードが存在する。
 10年前のテンロクスポーツ車の標準サイズが
 15インチだったことを思うと…時の流れを感じ
 るなぁ。

 全グレードにオーディオを標準装備。ただし
 Gグレードは6スピーカーになり、MDも装備
 される。
  音質は悪くなく、デザインもマッチしていて
 グッドだが、社外製オーディオに換える予定が
 ある人は、車体購入時に「オーディオレス」
 オプションを選択しておかなければNG。
 写真のようにインパネ一体型なので、購入後
 は純正からのグレードアップは不可能なのだ!
 購入者は要チェック!
  インパネ周りには沢山の収納エリアを構える
 のは最近の流行で、モコも例に漏れず。
 10年前ではデッドスペースになっている部分は
 全て小物入れと化している。でもスペース的に
 不足しているのも多く、実用性を尋ねられたら
 「…?」となってしまう場合も多い。
  モコは「MRワゴン」の兄弟車だが、その
 ベースは「ワゴンR」なので、基本的にはそれに
 準じた装備群を有しているが、面白いのは
 カップホルダー。写真では判らないが、ペット
 ボトル用のキャップ置き場が用意してある。
 …感服です。
  ミドルクラスでは徐々に装備されてきている
 「アッパーベンド」が、モコには標準装備。
 エアを送風することにより車内に空気の対流
 を発生させ、前後席の空調の温度差をなくす
 のが主な機能。シャッター付きなので、不要と
 感じた場合は任意に調整できる。ま、あって
 困る装備ではないので、シャッターを閉める
 ことはないと思うけど…。
  乗降グリップは上級者流儀の格納式。
 最近のコンパクトカーには殆ど付いてるけど、
 軽自動車に採用しているのは立派。
 スペースに余裕がないこのクラスだからこそ、
 積極的に展開してもらいたいアイテムだなと
 思う。

ロードインプレッション

 先代同様、スズキMRワゴンの兄弟車としてデビューした日産モコですが、先代の「日産らしさ」は若干薄れ、MR
ワゴンと異なるのはフロントマスク…といってもライトとグリルぐらい。その割にはMRワゴンより割高な価格設定は、
日産側に流れるべき販売マージン?と考えてしまいます。装備上の違いはモコにABSが全車標準装備される程し
かないので、あとはデザインの好みで選べば良いと思います。
 さて実際の走行インプレッションですが、ターボグレードである「G」はローダウンサスペンションと15インチタイヤが
組み合わされている関係か少々荒削り。細かい凸凹でバンバン跳ねるので、ゆったり走りたい人はNA車がお勧め。
ただ静寂性と素直な操縦性は既に軽自動車の域を超えていると思います。特に静寂性に関しては私のキューブ
以上ではないでしょうか。
 マイルドチャージ設定(燃費と扱いやすさを求め、加給圧を低く抑えている)のターボは、先代よりパワーマネジメン
トが変更されて低速からパワーが出るようになっています。先代は出だし領域で加給がかからず少々ギクシャクした
状態になりましたが、二代目はまるで1リッタークラスのNA車に乗っているような自然なフィーリング。4年の歳月を
感じます。
 コーナリングも秀逸。高速道路やワインディングでは少々心細いですが、街乗りに関して言えば十分合格。意外と
判りやすい車両感覚で狭い道も安心して運転できます。ブレーキング時に若干ハンドルを取られるような感じが在り、
フロント周りの剛性感が乏しいというウィークポイントがありますが、慣れれば問題ないレベルでしょう。
 基本コンポーネントはワゴンRと同じ。「ワゴンRのような車が欲しいけどもうちょっと可愛い車がいいな」と思う女性
や、「MRワゴンのように「ママ」を前面に出した車はイヤ!ワタシはまだ若いのヨッ!」という独身女性にオススメな
一台。
是非日産のショールームにアシを運んでみてください。

 


O・MA・KE!

日産モコ(初代) T 2WD
4AT
型式
TA−MG21S
全長×全幅×全高
3395×1475×1590(mm)
エンジン
K6A・直列3気筒DOHC
インタークーラーターボ
最高出力
60ps(44KW)/6000rpm
最大トルク
8.5kgm(83Nm)/3000rpm
車両重量
860kg
乗車定員
4名
駆動方式
前輪駆動(FF)
10・15モード燃費
16.8km/l

 

イントロダクション

 初代「モコ」は、日産再建を果たしたC.ゴーン氏が「日本で大きなシェアを持っている軽自動車枠にも日産を!」と
言う事で、2002年に導入されたハイトワゴン系軽自動車。基本はスズキ「MRワゴン」ですが、日産のアイデンティ
ティともいえるウィング型グリルやオリジナルデザインの内容などで、単なる「兄弟車」で終わっていない点が評価
されて大成功を収めたモデルです。
 エンジンはオールアルミ製の「K6A」型を基準とし、上級グレードにはパワーにゆとりのあるロープレッシャーターボ
版も用意されていました。ただし本家「MRワゴン」に存在したハイプレッシャーターボ搭載の「MRワゴン・スポーツ」
はこのモコには採用されませんでしたが、軽自動車の概念を超えた上質な内外装の造りと日産のブランド力により
販売面では「MRワゴン」を凌駕。2006年の二代目が登場するまで「日産の軽」の顔として活躍しました。

ディテールチェック

  二代目より明確なワンモーションフォルム。
 テールランプが少々味気ないが、それ以外の
 部分は今見ても近代的で可愛らしい。
  MRワゴンとのエクステリア上の違いは、
 フロントマスクとテールランプ。後者はクリア
 タイプとなるが、賛否両論。
  ターボ車はリアスポイラーが標準装備され、
 ボンネット上にエアインテークが装備される。
 また14インチアルミホイールも装着される。

  メーターパネルはLED透過式で高級感が漂う。
 タコメータは装備されないが、灯器類はあるべき
 場所に在り情報を読みやすい。
  ミッションはコラム式ATだが、操作レバーが
 長めで無骨なデザインなのが残念。洗練された
 内外装にちょっとそぐわない感じがして残念。
 オーディオは高い位置にあるが、ご覧の通り
 ATレバーがしっかり邪魔してやや使いにくい。
 エアコンは最廉価グレードがマニュアル、その
 他のグレードはオートが標準。

  コラムATと足踏み式パーキングブレーキの
 採用で、ウォークスルーを実現した前席周り。
 今となっては標準的だが、当時は軽自動車の
 枠から外れた、高い質感を誇っていた。
  このシートカラーはモコオリジナルで、アプリ
 コットと呼ばれている。シート地もモコオリジナ
 ルで、明るくて優しい室内イメージを演出する。
  ハイト系ワゴンなので、ドア開口部が広くて
 乗り降りがしやすい後席。ドア開度も80度近く
 まであるので、チャイルドシートの装着も容易。
  ドアポケットにはドリンクホルダーがあり、乗車
 人数分の飲み物を格納できる。なお廉価版の
 Cグレード以外のオーディオは6スピーカーと
 なり、写真のドアスピーカーが装備される。
 ただし…音質はイマイチと言ったところか。
  とても広い室内。「軽は狭くてねぇ…」という
 のはもはや過去の話。写真はチャイルドシー
 トが鎮座しているのでそう見えませんが、大人
 四人がしっかり座れて快適です。
  その代わりといってはナンですが、トランク
 スペースは少々狭め。デザイン優先のリア
 ゲートの影響で、フル乗車時はあまり嵩張る
 ものは積めません。リアシートスライドが可能な
 ので、大きな荷物を運ぶ時は荷室を拡大しま
 しょう。
  上級グレードに標準装備のオーディオは、
 何とカセット・MD・CD対応。また二代目モコ
 と違い社外品オーディオへの交換も容易。イン
 パネとの統一感を求めるのであれば二代目に
 軍配があるが…。
  それに引き換えエアコンユニットはインパネ
 下方にあり、少々使い辛い。操作状態を示す
 液晶パネルも小さいので、ここら辺は最新の
 二代目に水を開けられているけど…仕方ない!
  しかし…邪魔だぞ!シフトレバー!!

 

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