☆炎症 |
鼻茸(鼻ポリープ)、鼻副鼻腔炎 鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎 |
☆形態異常 |
扁桃・アデノイド肥大 口蓋垂・口蓋弓形態異常 喉頭蓋形態異常 |
☆腫瘍 | 上咽頭腫瘍、中咽頭腫瘍 |
☆麻痺性 | 軟口蓋麻痺、喉頭後筋麻痺 |
子どもの病気で受診されたお母さん(お父さん)方へ (新・院内情報誌 第22号、1998/12/16) (1) 診察を受ける時 お子さんの様子を十分つかんでいますか? 特に初めて受診される場合は、 @ 一番気になる症状、 A 症状がいつからあったか、 B その他の気になる症状などは、 少なくともお話し下さい。情報が少なかったり、 曖昧だと診断に苦労することがありますから、 不確かな場合は普段そばにいる人(例:おばあ ちゃんなど)に電話等で確認しておいて下さい。 (2) 待合室では……。 診察前の飲食はできるだけ避けて下さい。診察中に吐いたりする原因になるばかりでなく、 食物のカスが付いたりしていると、診察に支障を来すことがあります。 当院では、電気暖房、空気清浄器の使用などにより、院内空気の花粉や微生物による汚染や 粉塵による空気汚染を極力減らしております。禁煙にご協力下さい。 (3) 入浴・プールと病気 下表は大体の目安です。
入浴 | 洗髪 | プール | |
外耳炎 | △ | △ | × |
急性中耳炎 |
× 1〜2日 |
× 2〜3日 |
× 約7日 |
滲出性中耳炎 | ○ | ○ | △ |
鼻炎(かぜ):発熱なし | ○ | ○ | × |
発熱を伴う時 | × | × | × |
アレルギー性鼻炎 | ○ | ○ | △ |
○=特に問題なし △=注意を守って、 様子を見ながら ×=許可あるまで、 控えて下さい。 病気の具合によって、指示が変わりますから、受診された時にご確認下さい。
耳鼻科の日常診療の中で、鼻ポリープ、声帯ポリープというのは、比較的一般的にみられる疾患です。 「鼻ポリープがありますね、鼻つまりの原因はこれですよ。」と説明すると、ほぼ決まって、「原因は何ですか?」と尋ね られます。声帯ポリープについても同様です。実は、「原因」=「病因」というのは、なかなか一口に説明できません。 何故なら、ポリープは一人一人の患者さんの顔が違うように、個人差があって、その原因(できてくる環境)も違うから です。一応、これまでにわかっている(考えられている)原因について、以下に書いてみますが、一番の問題である 「それでは、どうやったら予防や大きくなるのを防げるのか」という答えになるかどうか? A. 鼻ポリープについて: 以前は、鼻副鼻腔炎(昔は蓄膿症といわれました)に伴うものがほとんどで、細菌性慢性副鼻腔炎にはほぼ100% 鼻ポリープが合併していたとのことです。しかし、最近の統計では20%程度で、全体に軽症化しているとも言われま す。しかし、代わってアレルギー性鼻炎に伴うものが増加しており、鼻ポリープそのものも、アレルギーから起こっ たものも存在すると考えらるようになってきました。 原因としては、細菌やウイルス感染、アレルギーなどが推測されていますが、個々の症例によってそれらの因子が からみあってできてくるものであろうといわれています。ポリープは、見た目は比較的似通った外観をしており、正 常な粘膜よりは白っぽくて、表面は滑らかで、水々しい感じがして、アレルギー性鼻炎の鼻粘膜にやや似ています。 病理学的(組織を顕微鏡で観察する)には、浮腫型(組織内に水分が多い)、腺嚢胞型(袋状になっていて、中に 粘液がたまっている)、線維型(コラーゲンのような線維成分が多い)に分類されますが、これもポリープ全体で見 ると、3者が混在していたり、部分によってかなり違うようです。それぞれの型による原因の違いもないようです。 最新の治療法: 1) レーザー手術;出血が少ないなどの利点があり、外来でできる手術として注目されている。 2) 抗アレルギー療法;原因の一つにアレルギーが考えられるようになり、普及してきている。 抗アレルギー剤の内服やステロイド剤の点鼻が有効。 3) 他に、ポリープ切除後の再発防止として、ステロイド剤の点鼻、マクロライド系抗生物質の内服、 漢方薬などが注目されています。 B. 声帯ポリープについて: 声帯ポリープは、「ポリープ」という名前で誤解されがちですが、「腫瘍性病変」ではありません。例えば、「大腸 ポリープをとってみたら、ガンだった」とか、「胃のポリープがあって、精密検査された」とかいう話を聞かれたこ とがあると思いますが、これらの「ポリープ」とは性格がかなり違います。声帯の場合、疾患の分類としては、「炎 症性疾患」に属するのです。 原因として、最も考えられているのは循環障害で、炎症や声の使い過ぎによる充血を起こしているところへ、瞬間 的な激しい音声酷使の機械的な刺激が加わり、声帯の内出血を起こす(私は、よく「血豆」にたとえて説明します) ということのようです。 治療法:新鮮例、つまり運動会の応援やカラオケで歌ってから間もない例では、保存的療法(沈黙や吸入、内服などで治ること もあります。しかし、多くの場合は、手術的に切除する必要があり、また、発声法を改善しないと特に職業性(教師、幼児保育者、 歌手など慢性的に声を使う職種の従事者)のポリープは、再発率も高いと言われていて、注意が必要です。
巷間、大問題となっている西暦2000年問題については、皆さんも耳にされていることと思います。 コンピュータが2000年1月1日を、1900年1月1日と誤って判断して、起こると予想される様々な問題 を総称して、こう呼んでいます。 我々の生活がコンピュータによって制御されているということは、頭ではわかっていても、実感 することはあまりありません。すぐ頭に浮かぶのは、銀行のオンラインなど操作が必要なコンピュ ータぐらいなものですが、現代生活のいろいろな面で使用している電力が、全てコンピュータで制 御されており、それによって動く製造機械や交通機関など、身近な分野にまで影響は及びます。 そのために、一見関係なさそうなこと、例えば「食糧を備蓄しなさい」などという指示が政府から 出されたりするというわけです。私が今、この文章を書くために使っているパソコンは、一応2000 年問題対応済といういことですが、これさえもコンピュータの中に入っているマイクロチップのレ ベルまで考えると確たる保証はないという状態なのです。 医療機関のコンピュータについても、厚生省や日本医師会でいろいろな取り組みをされています が、生命に直結する精密機器ほど、その対応は不明の点がまだまだ多いようです。幸い、当院で使用 している機器については、万が一誤作動を起こしても、検査器械として使えないだけで、安全面の 問題はありません。ただ、会計に使用しているレセプトコンピュータと呼ばれるコンピュータが止 まると、会計業務に支障をきたしますので、1月初旬には少々手間取る(診察終了から会計が済む までの待ち時間が延びる)可能性はありますが…… 今年の夏に、カーナビや航空機の位置確認に使用していた人工衛星が寿命を終えて更新されると いうことがありました。この時には、幸いに飛行機の墜落などの事態は避けられたようでしたが、 カーナビのメーカーなどは対応に差があり、問題になりました。今回も、大問題が起こらなければ 良いのですが、「こればかりは、その時になってみないとわからない」という専門家や、「発展 途上国からミサイルが飛び出す可能性さえある」という物騒な予想まであり、予測不能の状態を脱 していません。ひょっとしたら、誰かの大予言より恐ろしいことなのかもしれませんね。