りゅうじんの独断と偏見の人生哲学
(カメラを止めるな!編)

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『スペシャルアクターズ』感想2019.10.27NEW
イソップの思うツボ2019.8.21NEW
生ゆずきちゃんを見た日(ニアミス含む)2019.3.20
『カメラを止めるな!』鑑賞の追憶2019.2.8
秋山ゆずきちゃん推しの私から見た、彼女の素質と演技 2018.11.5
『カメラを止めるな!』における秋山ゆずきの魅力 2018.9.30
『カメラを止めるな!』の脚本 2018.9.20
人生ワンカット 2018.9.17
『カメラを止めるな!』の魅力 2018.9.16
秋山ゆずき賛 2018.8.28
カメラを止めるな!感染拡大 2018.8.25
カメラを止めるな! 2018.8.21

 

 

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『スペシャルアクターズ』感想

『カメラを止めるな!』で一躍、時の人となった上田慎一郎監督の『カメ止め』に続く劇場用長編映画、単独監督作品『スペシャルアクターズ』。

今回は1500人の応募者の中からからオーディションで選ばれた俳優たちを起用しての、上田監督らしい渾身の一作となった。

個人的な感想としては、おもしろかった。娯楽映画としては上出来だと思う。しかし、どうしても『カメ止め』と比べてしまう。もちろん、『カメ止め』はいろんな意味で奇跡の映画である。別物なのだから比べてはいけない、そうとはわかった上での感想(あくまでも個人的なものです)。

『カメ止め』を初めて見た時の衝撃は「何なんだこれは!どうやって撮ったんだ?」。回を重ねるうち、爆笑と涙と感動。こんな映画見たことない!みんなに見せなきゃ。

『スペアク』は「なるほど。えー、そうだったのか!」。でも、こういう面白さは過去にもないわけではないと思うし、好き嫌いも分かれそうだし、誰にも絶対見ろとすすめるほどでもないかな。

手法的には、『カメ止め』と同じく、ある意味無名の俳優ばかりを起用している。皆それぞれ個性があって、頑張っていて好感が持てた。しかし、このやり方は興行的には賭けである。採算が取れるならいいが、昔から、いくら舞台でヒットしても、映画化する時には有名な俳優を起用して、ある程度の客入りは確保するというのが常套手段である。

今回も敢えて『カメ止め』と同じ手法を使った上田監督、関係者の勇気には感服するが、この先も、さまざまなチャレンジをして、みんなをあっと言わせるような作品を世に送り出していただきたいと思う。

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イソップの思うツボ

『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が、他の二人の監督と共同で、三人で監督した映画『イソップの思うツボ』。評価は結構極端に賛否が分かれているようだが、私はおもしろかった。

とにかくやはり、普通じゃ済まさない、なんか面白いことやってやろうという心意気が感じられて、少なくとも、印象に残らない、見たことすら忘れてしまうような映画ではない。

ただ、大きな映画館での上映は2週間くらい、私の行きつけのところは1週間で終わってしまうようだ。もともとどのくらいの見込みだったのかは知らないが、ちょっと短いように感じる。

もちろん、『カメ止め』と比較しても始まらない。あれは前代未聞の奇跡の大成功だし、内容的にも、『イソップ(勝手に省略)』は、老若男女、万人が楽しめるように作ってはいないと思う。

また、『カメ止め』の上映は、決して大きいとは言えない2館から始まって、徐々に爆発的な拡大を見せたのだ。たぶん誰も、まさかあんなことになるとは予想していなかったと思う。でも今回は初めからたくさんの大きな映画館で上映したのだから、これは想定内のことなのかもしれない。

私が思うに、普通に映画としてヒットを飛ばしたいのなら、やはり常套手段としては相当有名な役者を使う必要があるんだと思う。もちろん、『イソップ』だって、それなりに経験と実力のある役者を使ったのだろうが、大多数の国民に認知され、その人を出せば、映画が多少つまらなくても客は呼べるくらいの俳優をどこかには使わないと、興行的には難しいのかもしれない。

その代わり、誰でも知っているような有名な役者を使えば、新鮮味はない。その意味でも、無名の役者ばかりを使ってあれほどの大ヒットを収めた『カメ止め』はほんとにすごくて、映画界の奇跡として語り継がれるだろう。

個人的には『イソップ』には顔は出ないがエキストラで出してもらったし、結構何度も映っていたので、その意味でも今後も応援していきたい映画である。

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生ゆずきちゃんを見た日(ニアミス含む)

2018年8月8日、私は初めて映画『カメラを止めるな!』を観てはまり、映画館で鑑賞を重ねるうち、気が付けばヒロイン秋山ゆずきちゃんの追っかけになっていた。以下、現在まで、生ゆずきちゃんに会えた記録。

●2018年9月13日(木)
舞台『Over Smile』ゲスト出演(CBGKシブゲキ)

ゆずきちゃんを初めて生で見たのは、この乱暴なかわいいウェイトレス役。終演後、一人ずつ面会できるはずだったのだが、私は面会場所のツイッター情報の取得が遅れ、かなわず。開演前、受付に、ゆずきちゃん宛に、拙著『お金のいらない国』を預ける。

●2018年9月22日(土)
『カメラを止めるな!』ロケ地めぐり&上田慎一郎監督スペシャルイベント
(SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ)

ロケ地の一つである埼玉県川口市のSKIPシティ。入場料激安なのに『カメ止め』以外の上田監督作品が何本も観られ、舞台では監督とゆずきちゃんのトークなど。ロケ地巡りの、ある場所では監督が待っていて、自ら説明。別のロケ場所である事務所に移動した際にはなんとゆずきちゃんが映画と同じ場所の椅子に座っていて、超ビックリ!ピンクの「ONE CUT OF THE DEAD」Tシャツを着て、あいたんビームのポーズをし、写真撮影に応えていた。光り輝いて見えた。開演前、受付に、上田監督宛に拙著『お金のいらない国』『長島龍人のブラックショートショート』、ゆずきちゃん宛に『ブラックショートショート』を預ける。

●2018年10月9日(火)
「カメラを止めるな!大好き芸人集合!
ルミネでしか話せないカメ止めトーク」(ルミネtheよしもと)

よしもとのカメ止め大好きな芸人たちと、監督やゆずきちゃんら出演者によるトークイベント。ロバート山本さんの司会で、それぞれの芸人の好きなシーンを映してのトークなど。舞台に上がった人以外にも、カメ止め関係者がたくさん来ていた。

●2018年11月22日(木)
最高かよ〜!『カメ止め!』アツアツ感染者集会〜ポンデミック2018〜
(Zepp Divercity TOKYO)

大勢のキャストが出演。ファンも大勢。開演前にはロビーで俳優さんたちと記念撮影できたが、ゆずきちゃんは現れず。イベントは映画のコメンタリー上映など。最後は出演者、関係者全員とハイタッチ。ゆずきちゃんともハイタッチできたが、SNS繋がりはあったので一応名前は言ったものの、一瞬だったので認識してはもらえず。

●2018年12月1日(土)
J:COM 4Kイベント(東京ソラマチ J:COM Wonder Studio)

カメ止めメンバーのJ:COMのCM出演に絡めて、上田監督が4Kで、ゆずきちゃん、濱津さん、市原さんが「zombeat」の曲に合わせてダンスをするPVを作るという企画。イベント時間内に、撮って編集、上映までするというハードなものだったが、見事成功。4Kに関するクイズもあり、途中から、土田晃之さんも登場。ゆずきちゃんは全問不正解でかわいさ爆発。SNSで名前だけは知っていた、一部のカメ止め、ゆずきちゃんファンの人たちと知り合うことができた。

●2018年12月2日(日)
EVERYDAYSリリースイベント(新星堂 池袋サンシャインシティアルタ店)

EVERYDAYSメンバーとしてのゆずきちゃんをリハから見ることができた。初めて一緒にチェキを撮り、言葉を交わした。名前と顔を認識してもらえた。チェキはデレデレ。

●2018年12月5日(水)
『カメ止め!』BD&DVD発売イベント(タワーレコード渋谷店)

上田監督をはじめ、出演者がたくさん集まった。最後は全員とハイタッチ。ゆずきちゃんが名前を呼んでくれ、感激!

●2018年12月8日(土)
J:COM 4Kイベント(六本木ヒルズ)

六本木ヒルズのアリーナにて。ゆずきちゃんの他に、細井さん、市原さんが出演し、トークなど。イベントは2日間、計4回あったが、私は4回とも参加。ゆずきちゃんは寒いのに薄着で、よく頑張ってくれた。

●2018年12月9日(日)
J:COM 4Kイベント(六本木ヒルズ)

イベント終了後、私が帰った後、ゆずきちゃんが出てきて、残っていた人はサインなどもらえたそうな。ゆずきちゃんは、イベント中にファンの人たちと記念写真を撮りたいと提案もされていたそうで、かないはしなかったが、そのサービス精神には感激。

●2018年12月18日(火)
EVERYDAYSリリイベ(HMVエソラ池袋店)

CD発売日。チェキは前回の反省からやや顔を引き締めた。その後、これをツイッターのアイコンに使用。

●2018年12月19日(水)
EVERYDAYSリリイベ(Space emo池袋)

チェキは、一応手はゾンビポーズ。

●2018年12月20日(木)
EVERYDAYSリリイベ(HMV&BOOKS SHIBUYA)

ここからチェキは普通の写真では物足りなくなり、ゾンビの私にパンチしているところをリクエスト。

●2018年12月21日(金)
EVERYDAYSリリイベ(タワーレコード渋谷店)

チェキはゾンビの私に肘打ちをリクエスト。

●2018年12月24日(月)
EVERYDAYSリリイベ(Space emo池袋)

チェキのテーマは「父と娘」。

●2019年1月20日(日)
EVERYDAYSライブ出演(Sound Museum VISION)

チェキは、一緒にゾンビに立ち向かう二人の千夏をやってもらいました。斧はサインの時に、ゆずきちゃんが描いてくれました。

●2019年2月24日(日)
EVERYDAYSライブ出演(フジさんのヨコ)

チェキは、私が「よろしくでーす」と言われた濱津さん(日暮監督)をやってみました。

●2019年3月2日(土)
調布消防署一日消防署長(調布駅周辺)

ゆずきちゃんは、はしご車で高いところに上ったり、火災予防運動のチラシを配ったり、大活躍。調布駅周辺を、ファンのみんなでぞろぞろついて歩いた。

●2019年3月13日(水)
恋を読む『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
(オルタナティブシアター)

朗読劇ですが、真に迫る演技に鳥肌が立ちました。

●2019年3月17日(日)
上田慎一郎がプロデュースした
ふくだみゆき監督作品を全部上映しちゃう会!!
(LOFT9 Shibuya)

ふくだ監督作品の上映と、合間に出演者らのトーク。実はゆずきちゃんも来ていたことが後でわかりました。私は帰ってしまって、会えませんでした。

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『カメラを止めるな!』鑑賞の追憶

完全にネタバレですので、ご注意を!

私が映画『カメラを止めるな!』を初めて見たのは昨年(2018年)の8月8日。大きな映画館でかかるようになってからだ。それから映画館では12回観たが、母の介護をしている関係で家の近所にしか行けず、観たのは全て六本木ヒルズのTOHOシネマズ。1回目は、既に名古屋で観ていた妻の勧めで一緒に行き、後は数人の友達を誘った。同じ人と2、3回ずつ。一人で行ったことは一度もない。

妻からは、最初の30分はワンカットのゾンビ映画だとだけ聞いていた。上映が始まり、怒鳴り散らす劇中の監督が怖いなと思った。なんか不自然なのはワンカットだからだろうかと考えているうちに話は進み、監督が殺されたらエンドロールになった。この後どうなるのだろうと思っていると、始まった。

何かの撮影シーンだ。最初にゾンビになった人が俳優で、目薬をつけて泣いたりしている。さっきの怖い監督がなんか優しい感じだな。ものすごく面白い顔のおばさんが出てきた。だんだん事情がわかってくる。これは最初のゾンビ映画を撮る映画なのか(正確にはテレビ番組だが)。

監督の家のシーンでは、ワンカットで大暴れしていたメイクさんが奥さんだったり、あまり関係のうまくいっていない娘がいることもわかる。その後、出演者の顔合わせ、リハーサルがあり、いざ本番へ。

ここからは爆笑に次ぐ爆笑。何だそういうことだったのか!の連続。ゾンビになった酔っ払いカメラマンにゲロを浴びせられる助監督。監督に支えられて、ガラスの割れた窓から顔を覗かせるゾンビ。用を足しながら、泣きながらゾンビメイクをされる録音マン。派手にすっころぶカメラマン助手。最後は血だらけになったヒロインを、みんなで作ったピラミッドから撮影。すげえ、おもしろかったあ!

さて、そこで湧き上がる数々の疑問。これはどこまでが映画なの?監督はあの人なの?最初のワンカットはどうやって撮ったの?

それから私はネットなどでいろいろ調べまくり、本当の監督は別にいること、ハプニングを含めてほぼ全て台本で決まっていたことなどを知る。それでも私はしばらくの間、最初のワンカットは劇中で撮っていた腰痛カメラマンの映像かと思っていた。

落ち着いてちゃんと見ればラストのエンドロールでは本当のワンカットのメイキングが映っているわけだし、ピラミッドならぬ脚立も登場しているのだが、そのフェイクのメイキングがあまりにもよくできているのと、あんなワンカットを何テイクも撮れるわけがないという思い込みから、真相にたどり着くまでには数回観る必要があった。

3回目くらいに観た時、最初のシーンでゾンビに殺された女優の、ゾンビの肩に載せた顔、その目にドキッとした。この子、かわいくない?秋山ゆずきちゃん。その後、観るときはその女優の出るシーンは画面に釘付けになる。あんなに怒鳴られてかわいそう。でも、めちゃめちゃ演技うまい。声もかわいいし、よく通るし、台詞回し、タイミングも抜群。

『カメ止め』では、私は特にポニーテールのゆずきちゃんがお気に入り。タンクトップ姿はもちろん、会議室で台本を持っている時や、外でリハをしている時も。「よろしくでーす」言われたい(笑)。

とにかく、昨年の8月以降、私の人生は変わったと言っても過言ではないかもしれない。こんな映画に出会うとは思わなかった。永遠に語り継がれる名作。この面白さは万国共通。世界中でポン!デミックを起こしてほしい。

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秋山ゆずきちゃん推しの私から見た、彼女の素質と演技。

映画『カメラを止めるな!』で一躍注目を浴びた女優、秋山ゆずき。私もそれまでは彼女の存在すら知らず、まだファンを自称して3カ月であるが、今では彼女が出演するドラマやテレビ番組は必ずチェックし、録画し、ディスクに保存している。また、彼女の出演するイベントや舞台にも可能な限り行きたいと思っている。

好きな女優さんは他にもいないわけではないが、こんなことまでしたのは過去にはK-POPの少女時代、T-ARAくらいで、女優ではいない。この先露出が増えれば追いきれなくなるかもしれないが、今はまるでアイドルの追っかけ状態である。

実際、彼女は最近アイドルグループの一員としても活動を始め、近々CDデビューも決まったのだが、はるかに年下の、まるで自分の娘のように応援したくなる女優さんが現れるとは、3カ月前までは思ってもみなかった。

『カメラを止めるな!』における彼女の魅力に関しては他に書いたので、後では少し触れるが、とりあえずそれ以外の作品について語ってみたいと思う。

『恋する小説家』(2011年 上田慎一郎監督作品)
女子高生時代、橋本柚稀の名で、初めて出演した映画。なかなか芽の出ない、小説家志望の若者の推理小説の中の登場人物、女子高生、南川奈緒役。突然、若者の家を訪ねて土足で上がり込み、人物設定の甘さに文句をつける。まだ幼い顔の、おかっぱ頭でずけずけものを言う奈緒が愛らしい。終盤では弱気になった若者の頬を平手打ち。また、最後に原稿を書き上げ寝入っている若者の部屋を訪れると、天使のように優しく見つめる。

『ナポリタン』(2016年 上田慎一郎監督作品)
人の話す言葉が全部「ナポリタン」にしか聞こえなくなるという奇想天外なお話。同棲中の相手を両親に紹介する日に、その悲劇は彼氏に起こる。秋山ゆずきは彼氏を両親、家族に紹介する彼女役。かわいく、健気で、彼氏の勝手な振る舞いに涙しながらも彼を思い、お互い愛し合っていることがじんわりと伝わる。彼氏とのやり取りに見せる感情の変化、態度、表情、涙が、ナンセンスコメディなのに感動を誘う。

WOWOW WEB『スーパーチューナー/異能機関』
秋山ゆずきは、「#3 消滅」「#4 燃焼」に出演。アイドル女優、白石渚役。マネージャーの心配をよそに、彼氏は作るわ、タトゥーは入れるわ、そのわがままっぷりがすごい。「なんでアンジーがよくて私はいけないの?」、「世界目指すって言ったじゃん!」、「仕事と彼氏とどっちが大事なの?」「ケンジ!」、「うっせーな、じゃあもう出ねえよ」、「もうやんない」、「あいつ、キスくっそ下手だった〜」。その表情、声、タイミングと言い方が絶妙で、全部かわいく見えてしまう。また、劇中、スタッフに対する態度の豹変ぶりも見事。

『科捜研の女スペシャル』(テレビ朝日系 2018年10月14日放送)
謎解きイベントが行われているホテルの、いかにもできるホテルウーマン役。ネタバレするので詳しくは書かないが、表情の変化、真に迫った思い切りのよい演技に、秋山ゆずきは天性の素質を持った女優だと確信した。

私が見たものでは他に、2018年9月13日、渋谷のCBGKシブゲキでゲスト出演した舞台『Over Smile』のウェイトレス役。乱暴な言葉遣い、態度の悪いウェイトレスがかわいかった。舞台経験は豊富なようなので、よく通る声、活舌の良い台詞回しもそのおかげかも。

また、2018年9月8日放送、関西限定のMBS毎日放送『お笑いジャイアントキリング』ではなぜか司会のアシスタントに起用された。清楚な白いドレスで、器用な彼女は卒なく務めを果たした。また、Webではそのセット、楽屋裏紹介と、出演したお笑い芸人のインタビューをし、ちょっとしたミスをしたスタッフに対しても寛容、終始控えめな態度で、好印象だった。

秋山ゆずきの女優としてのすごいところは、半端ないなりきりと、役柄の演じ分けだと思う。これは俳優なら誰でも必要であり、当然のことなのかもしれないが、彼女はたぶん、どんな役が来ても、全部違う人に見せられるのではないかと思う。顔は比較的シンプルで個性的な美人だと思うが、インパクトが強すぎないのもよいのかもしれない。ぜひ、幅広い映画、ドラマ、舞台に出演し、さまざまな役に挑戦してほしい。

最後に、『カメラを止めるな!』での彼女について書いておきたい。俳優には、その人の代表作というものがあると、誰の心にも残ると思う。秋山ゆずきは『カメラを止めるな!』という巨大な金字塔のヒロインを見事に演じ切った。血だらけのタンクトップに短パン、スニーカー。ポニーテールで斧を持つというあの印象的なスタイル。これは映画史に残る強烈なキャラクターになるだろう。私には、女神と崇める『サウンド・オブ・ミュージック』のジュリー・アンドリュース演じるマリアに匹敵するほどのインパクトを与えてくれた。

この先、秋山ゆずきはどんな人生を歩むのか、それはわからないが、私は彼女は女優として類稀なる才能を持っているし、既に代表作も手にし、大きく羽ばたけると思っている。父親のようなファンとしては、今後の活躍に期待しつつ、末永く見守り、応援していきたい。

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『カメラを止めるな!』における秋山ゆずきの魅力

ネタバレ注意!まだご覧になっていない方は読まないでください。
映画の歴史を変えたといっても過言ではない『カメラを止めるな!』に出演している女優、秋山ゆずき。彼女の演技力、パワー、色気。女優としての素質、才能は稀有なものだと思う。

彼女がこの映画の中で演じる女優、松本逢花は、二つの全く違った顔を見せる。

一つはアイドル、女優である普段の松本逢花。「あいたんビーム」をポーズとともに決めゼリフとし、あまりやりたくない監督の要求には「私はやりたいんですけど事務所が……」と言い訳し、納得が得られれば「よろしくでーす」と言って、何事もなかったかのようにわがままを通してしまう。

もう一つは、ゾンビ映像の中で、襲われる女優を演じる松本逢花。映画ではこちらを先に目にすることになるのだが、ここでは監督に怒鳴られながらも一生懸命その要求に応えようとする健気な姿が演じられる。この時の彼女の魅力に、私は完全にやられてしまった。

監督の強烈な罵声に脅えながらも、質問に答えようとする声、言い方、表情。監督が去ってからの涙。ゾンビ役の男優とともに階段を上がる際のやり取り。最後の「しー」のポーズ。かわいさと色気が絶妙にマッチした名演だと思う。

もちろん、これも映画上では松本逢花が演じている設定で、その普段のキャラとの違いが大変面白いのだが、これを見事に演じ分けた女優、秋山ゆずきには心から拍手を送りたい。

この映画の公開で一躍注目を浴びた彼女は、舞台、ドラマ、バラエティへの出演などさまざまなオファーが入っているが、もともといろいろな経験をしてきているので、どれも非常に器用にこなしている。

また、あまりにも急激に注目を浴びたものだから本人の自覚がついてきていないようで、ファンの反応に戸惑っている様子。上田監督との運命的な出会いによって見いだされ、シンデレラストーリーを歩み始めたゆずきちゃん。今後も、謙虚さを忘れず、さまざまな役に挑戦していってほしい。

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『カメラを止めるな!』の脚本

若干ネタバレになるかもしれないので、まだ見ていない方はご注意を。

『カメラを止めるな!』の脚本、編集も、監督の上田慎一郎である。この人の力量、緻密さ、計算高さは半端ない。私はスタッフではないし、現場を知っているわけでもないが、上田監督は終始、スタッフ、キャストを盛り上げ、一体感の中で撮影を進行し、最終的に自分の描きたかったもの、あるいはそれ以上のものを作り上げたに違いない。

ワークショップという形でスタートしたこの映画は、オーディションでキャストを決めると、コミュニケーションを取るうち、監督がその人のキャラに合わせた脚本を書き進めた。当て書きというらしいが、そうやってそれぞれのキャストが無理なくその個性を発揮できるようにした。

内容的には、怖い→笑える→泣ける、というステップを踏み、これは観客が映画に求める感情のオンパレードである。

最初の37分間はゾンビ映画。これは好き嫌いがあるので、ここで躊躇する人もいるようだが、ワンカットで撮るという無謀な企画を見事にやってのけた。血まみれになっての役者の熱演が素晴らしい。

次に人間ドラマが描かれる。あまり書くとネタバレするので省略するが、特に父娘の関係に焦点があてられる。

それから爆笑の時間。最初のゾンビ映画に感じていた違和感が見事に回収されていく。観客は、やられた感が半端ない。笑いの要素としても、転ぶ、子供の大好きな下ネタを含め、とにかくこれで笑わずにいられるかという要素が詰め込まれている。

そして、ラストには感動が待っている。ここで皆が力を合わせる。そもそもこの映画自体、お金で動いている企画ではないから一体感がなければできないのだが、内容的にもラストでそれを見せつけてくれる。1、2回の鑑賞ではここも笑って終わるところかもしれないが、回を重ねるとラストに近づいただけで涙がこみあげてくる。

みんなで力を合わせるということが、一番、人を感動させると私は考えている。観客を泣かせるには、誰かが死ぬような手法もあるが、私はこういう感動の涙の方が好きである。

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人生ワンカット

映画『カメラを止めるな!』で一大センセーションを巻き起こした上田慎一郎監督。テレビ番組の中でおっしゃった一言が私の心に刺さった。

「人生ワンカットですからね」

『カメラを止めるな!』の冒頭は37分間のワンカットゾンビ映画。カメラを回し始めたら止めることはできない。入念なリハーサルを重ねた上で、出演者とスタッフの緻密な連係プレーが必要不可欠となるが、ハプニングも起きるだろうし、それがいかに至難の業であったかは想像に難くない。

そして、人生。「人生劇場」という言葉は小説のタイトルから生まれたようだが、例えば人生は映画みたいだとは私も以前から思っていた。生まれてくれば親や友達やいろんなキャストが揃っていて、恋愛あり、ハプニングあり、いろんな楽しいことや悲しいことが起こる。ストーリー的には悪役もいた方が面白そうだから、それも人生には必要なのかなと勝手に納得したりしていた。

で、今回の上田監督のお言葉は、それがワンカットであるということ。確かに誕生からスタートした人生は、死ぬまで途中で止めることはできない。やり直したり、一部をカットすることもできない。人によってそれは長編だったり、短編だったりするが、一人一人が独自のワンカットの人生を生きていく。

おまけに、人生にはリハーサルがない。台本もない。全部アドリブ。先のストーリーもわからない。だから面白いのかもしれない。

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『カメラを止めるな!』の魅力

映画『カメラを止めるな!』6回目を見た。もう台詞から何からほぼ覚えているが、何度見ても飽きることなく、あっという間に時間が過ぎる。私は3回目くらいからは、ラストに近づくと、感動で涙をこらえることに必死になっている。

とにかく最初の37分間は、何か不自然なところが気になるゾンビ映画。ワンカットだから画面の揺れがあるし、ここで映画館を出てしまう人もいるという。しかし、その映画のエンドロールが出、この先どうなるのかと思っているところから本題が始まる。

とにかくクラウドファンディングから始まった300万という予算。普通、大劇場で上映するような映画は数十億、数百億かかり、同時期に上映されているハリウッド映画は、『カメラを止めるな!』の予算では1秒も作れないという。

私は広告代理店に勤めていた頃、CM製作にも関わっていたが、ちゃんとしたものなら30秒のCMを作るのにタレント費別で、製作費が3000万くらいはかかる。誰もが顔を知っているようなタレントなら一人、年契で数千万、トップスターは億を超えるから、何人も使えばそれだけですごい金額になる。

CM一つ作るのでもさまざまな仕事、役割があり、50人くらいのスタッフは必要。だから、さまざまなお金もかかる。これは関わった者でないと理解しにくいかもしれないが、タレントだってその周りで何十人何百人という人が、そのお金で食べているのだ。

だから300万では、この経済社会において、仕事として2時間近くある映画を製作することなど、到底不可能なのである。それをこの映画はやってしまった。なぜできたか。それは、出演者、スタッフみんなが、お金を度外視して、この映画を作りたい、関わりたいと思ったからに他ならない。

だからこの映画にはとてつもない熱量を感じる。興行収入が大きな目的の一つである普通の映画にはない、爆発的な情熱と、スタッフ、キャストの一体感がにじみ出ているのだ。そしてそれは観客を感動させ、観客までをも巻き込む。だから口コミが広がり、インディーズがここまでメジャーになるという奇跡を起こしたのである。

回を重ねるたびに、出演者一人一人に愛着が湧く。この人はここでこんなことをしていたのか、この台詞を言ったのはこの人だったのだな。地味な役だけど、なかなかかわいいじゃないか。出しゃばらないけど、まじ、イケメン。もう家族のようなものである。

最後にネタバレを少し。回数を重ねて一番真剣に見る部分は、大ラスのほんとのエンドロールの映像である。1回目、全く事前情報なしに見た後で感じた、いったいどうやって撮ったのだという、膨れ上がった疑問の答えはかなりここに隠されている。ここで席を立つ人は素人だなあと思う(笑)。

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秋山ゆずき賛

話題沸騰の映画『カメラを止めるな!』で女優役を演じている秋山ゆずきさん。1993年生まれの25歳。もちろん、彼女自身女優なのだが、今までは決して有名ではなかったから、私もこの映画で初めて知った。そして、彼女の起用がこの映画の大ヒットの重要な要素の一つであることは間違いないと思う。

映画は、まず秋山演じる女優が、向かってくるゾンビに斧を持って立ち向かうが、殺されてしまうところから始まる。それで出番が終わるわけではないが、とにかく最後まで彼女は泣き叫び、駆け回り、ゲロを浴び、血だらけになっての見事な体当たり演技を見せる。

映画を見た後、私はネットで彼女に関することをいろいろ調べ、インディーズの過去の出演映画も2本見ることができた。高校生の頃から演技力は確かだし、口跡の良い、よく通る声をしている。顔は、いわゆるモデル顔ではないが、化粧映えのするかわいい顔である。

デビューは中学生の時で、なんと初期にはかなりきわどいグラビアアイドルもしていた。脱いではいないが、水着、レオタード、制服で下着見せ。スタイルはよいが巨乳でもなく、何で初めからそれをしたかなという疑問が残った。彼女曰く、グラビアは全然売れなかったとのことだが、あれだけの演技力のある子が初めから女優一本で行かなかったのは不思議。

ただ、その後も、かなりマニア向けと思われる美少女グループで、歌って踊って芝居する舞台などもやっているし、最近でも、すっぴんから化粧を仕上げるまで全てをネットに載せたりしているから、あまり抵抗なく何でもやれ、また、才能も豊富だからいろんなことに挑戦したいのだろう。

『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督とは今回が3作目のタッグ。上田監督が実力を認めているから、彼女はゲストとしてキャスティングされた。映画の大ヒットにより、すでにさまざまなオファーが入って忙しそうな彼女だが、今後、どんな活躍を見せてくれるか、とても楽しみな女優である。

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カメラを止めるな!感染拡大

映画『カメラを止めるな!』が快進撃を続けている。8月23日から、韓国でもいきなり50館以上で上映が始まった。

この映画は過去に類を見ない、とても不思議な映画で、私はすでに3回見たが、一度見ると必ずもう一度見たくなる。ただ良いから、好きだから何度も見た映画は過去にもあるが、この映画は病気に感染したような症状になる。

リピーターが多いのは、内容や技術的な部分で再度確認したいという意味もあるが、出演者や監督と一緒にこの映画の現場に入り込みたいという気持ちにさせられるのだと思う。

見れば見るほどみんなに愛着が湧き、何か手伝いたくなってしまう。今はSNSで拡散できる時代だから、多くの人はツイッターなどでつぶやき、イラストレーターや画家は、出演者の似顔絵やシーンを絵にしたりしている。

多くは事務所にがんじがらめにされているような役者ではないから、ツイッターで出演者をフォローし、コメントを書くと、本人が返事をくれたりする。

有名な俳優や芸能人もすでにずいぶんたくさんの人が見て、賞賛のつぶやきなどし、監督や出演者たちは素直に驚き、喜んでいる。

映画はほんとに好き嫌いが人によって違うし、気に入らない人もいるかもしれないから、私は一切の責任は負わないが、この映画は今、絶対に見たほうがいい。少なくとも、この低予算の映画がこれだけの社会現象を起こしているという事実は確かめておいた方がいいと思う。

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カメラを止めるな!

『カメラを止めるな!』(2017年製作 監督:上田慎一郎)

2018年6月、インディーズのこの映画は、東京のたった2館で上映されるや、爆発的な人気を呼び、2カ月後には全国190館(8月現在)で公開されるまでに至った。

製作費300万円というから、ほとんどボランティア参加でしか作れない予算であり、よってCGなどは一切使っていないのだが、それでこれだけの作品が出来上がってしまうところにまず、驚きと感動を覚える。

当然、いわゆる一般的に有名な俳優は出演しておらず、だからこそ、フィクションと現実の差がわからなくなるようなリアリティが感じられる。俳優たちはみな非常に個性的。役者としてはベテランから、映画は初めてという人までいるが、みんなついつい応援したくなるキャラクターである。

私は最初、先に見た妻と息子に勧められ、ワンカットのゾンビ映画だくらいの情報だけで見た。ネタバレするので何も言えないのが歯がゆいが、確かに最初の37分間、一度もカメラを止めることのないゾンビ映画だった。そしてエンドロール。いったいこれからどうなるのだと思っているところから、この映画は始まる。

私は現時点で3回見たが、技術的にもいったいどうやって撮ったのか、作ったのか、わからないところが多い。さまざまなインタビュー記事などから大分情報は得たが、製作者の立場から考えると、謎は深まるばかりである。また、この低予算でこれだけの人が協力し、これほど素晴らしい作品を作り上げた情熱と才能には本当に頭が下がる。

この映画は、この金にまみれた、問題だらけの社会に投じられた希望である。観客は映画の登場人物、または、スタッフの一員に加わったような感覚で、爆笑し、感動し、涙する。すでに海外での称賛もかなり得ているようだが、ぜひ世界中に旋風を巻き起こしてほしい。

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