常磐共有墓地                         
光圀公は寛文6年(1666)、水戸藩士のため上市に常磐共有墓地、下市に酒門共有墓地を創設した。それは当時水戸藩の士民の喪祭が神仏まちまちで往々にして誤った習慣にとらわれ、無駄な費用に苦しめられているのを見て、これを正しく指導する必要を感じたためであった。ことに藩士のためには、これら2カ所の墓地を無料で使用させるほか、「喪祭儀略」という書を作り、儒式を取り入れた簡素な喪祭の仕方を教え、墓碑も一定の形と大きさを定めて、ぜいたくに流されぬようにした。このため藩士は後世までその恩恵に浴したのである。
墓地内には、”水戸黄門”でおなじみの「格さん」のモデル安積澹泊をはじめとする彰孝館の学者達、後期水戸学の中心をなした藤田幽谷・東湖父子、豊田天功・茅根寒緑や、桜田門・坂下門の変以下烈士の墓が立ち並び、さながら水戸藩の歴史に接する思いを深める。



常磐共有墓地にある格さんの墓と水戸黄門像