かくれ家や 歯のない口で 福は内 |
一茶は、歯が一本もなかったようですね。節分の豆まきで、食べられない豆をまきながら福は内と叫ぶ姿はなかなか滑稽に写ります。 |
すりこ木の ような歯茎も 花の春 |
江戸時代後期の庶民には、入れ歯はありません。木床義歯が作られていたようですが、一部の高貴な人達のものだったのでしょう。歯茎でものを食べるので歯茎が固くなり、すりこ木のようになって、それほど食べるのには不自由してなかったようです。こんな私にも春がやってきたと何か自分を茶化しています。 |
歯ぎしみの 拍子ともなり きりぎりす |
まだ歯があったときの句です。歯ぎしりをしながらキリギリスを音色と聴き比べていたのでしょう。一茶らしい発想です。 |
歯が抜けて あなた頼むも あもあみだ |
最後の歯が抜けたときは、さすがにショックだったようで、阿弥陀仏の慈悲にすがるしかないと思ったのでしょう。いくら神頼みしてもなくなった歯は元には戻りません。すべての歯を失って初めて歯の大切さを悟ったのでしょう。 |