異石−梅雨太郎
 上平良の石ケ小屋にある大きな岩の割れ目に2匹の蛇がおるといわれ、この岩は古くから地元住民達の忌む場所とされており、現在はこの大きな岩の前には2棟の小さな祠が祀られている。
 文政8年(1825)の芸藩通志には、異石として「石罅に双蛇を栖しむ、梅雨の後去りて見えず、此石犯すものは祟りありといふ」とあり、古くから梅雨太郎と称されてむやみに近寄らなかった。このような伝説は山口県美和町岩根と岩国市六呂師にも伝えられており、ここでは梅雨左衛門と言われている。
 この梅雨太郎の傍には清水が湧いており、この清水にはラドンなどの温泉成分が含まれて梅雨太郎水と呼ばれている。近年はこの梅雨太郎水を求めて遠くからも多くの人達が訪れている。
はつかいち点描