1999年

週刊文春ミステリーベスト10(国内編) (海外編)
白夜行 東野 圭吾 ボーン・コレクター ジェフリー・ディーヴァー
永遠の仔 天童 荒太 極大射程(上・下) スティーヴン・ハンター
亡国のイージス 福井 晴敏 死の記憶 トマス・H.クック
柔らかな頬 桐野 夏生 パナマの仕立屋 ジョン・ル・カレ
バトル・ロワイアル 高見 広春 夏草の記憶 トマス・H.クック
てのひらの闇 藤原 伊織 三人の名探偵のための事件簿 レオ・ブルース
盤上の敵 北村 薫 ボビーZの気怠く優雅な人生 ドン・ウィンズロウ
ボーダーライン 真保 裕一 惜別の賦 ロバート・ゴダード
最悪 奥田 英朗 クリスマスに少女は還る キャロル・オコンネル
10 ハサミ男 殊能 将之 10 血の流れるままに イアン・ランキン

 

このミステリーがすごい!'00(国内編) (海外編)
永遠の仔(上・下) 天童 荒太 極大射程(上・下) スティ−ヴン・ハンター
白夜行 東野 圭吾 ボーン・コレクター ジェフリー・ディーヴァー
亡国のイージス 福井 晴敏 夏草の記憶 トマス・H.クック
バトル・ロワイアル 高見 広春 三人の名探偵のための事件 レオ・ブルース
柔らかな頬 桐野 夏生 悪党パーカー/エンジェル リチャード・スターク
ボーダーライン 真保 裕一 クリスマスに少女は還る キャロル・オコンネル
最悪 奥田 英朗 死の記憶 トマス・H.クック
盤上の敵 北村 薫 パナマの仕立屋 ジョン・ル・カレ
ハサミ男 殊能 将之 血の流れるままに イアン・ランキン
10 MISSING 本多 孝好 ボジオリ教授の事件簿 T.S.ストリブリング

 

'00本格ミステリベスト10(東京創元社)
法月綸太郎の新冒険 法月 綸太郎
ハサミ男 殊能 将之
どんどん橋、落ちた 綾辻 行人
盤上の敵 北村 薫
象と耳鳴り 恩田 陸
プリズム 貫井 徳郎
メイン・ディッシュ 北森 鴻
黄金色の祈り 西澤 保彦
白夜行 東野 圭吾
10 そして二人だけになった 森 博嗣

 

  受賞作(作者) 候補作(作者)
江戸川乱歩賞 マルクスの恋人→八月のマルクス(新野剛志) そして僕はいなくなった。(木村千歌)、うじ虫の災厄(首藤瓜於)、落日の使徒(奈津慎吾)、ダブル・トラップ(堂場瞬一)
横溝正史賞 化して荒波→T・R・Y(井上もんた→井上尚登) 火龍の休息(樋口京輔,佳作)、ヴィクティム(小笠原あむ,奨励賞)、螺鈿幻想(曖原睦稀)
サントリーミステリー大賞 イントゥルーダー(高嶋哲夫)(読者賞も) CATT ―託されたメッセージ(新井政彦,優秀作品賞)、天使の漂流(阿川大樹,優秀作品賞)
鮎川哲也賞   − オールド・デイズ(夕木涼子)、誘拐(今里浩紀)、推理小説(今田孝志)
日本ホラー小説大賞 ぼっけえ、きょうてえ(岡山桃子→岩井志麻子)(短編) スイート・リトル・ベイビー(牧野修,佳作)、ペルソナ(藤城秀雄)、傀儡の流転(妹尾俊之)、RIVER(水樹泉)
    〃   (短編賞)   − お葬式(瀬川ことび,佳作)、じんせい大博覧会(桐野誠和)、闇の司(秋里光彦
日本ミステリー文学大賞新人賞 サイレント・ナイト(高野裕美子) 彼は残業だったので(松尾詩朗)、傷つけるものの容器をして(柊遠海)、米軍基地から来た女(海老沼三郎)、エンジェル(市川智洋)
新潮ミステリー倶楽部賞 栄光一途(内流悠人) iの遠近法的倒錯(小川勝巳)、エスケイプ(堂場瞬一)、逢うには早すぎる(武田徹郎)
日本推理作家協会賞(長編部門) 秘密(東野圭吾)
幻の女(香納諒一)
 
日本推理作家協会賞(短編部門) 花の下にて春死なむ(北森鴻)  
日本推理作家協会賞(評論その他部門) 世界ミステリ作家事典【本格派篇】(森英俊)  
直木賞(春) 理由(宮部みゆき) この闇と光(服部まゆみ)、逃げ水半次無用帖(久世光彦)、秘密(東野圭吾)、夜光虫(馳星周)、陰の季節(横山秀夫)
直木賞(秋) 柔らかな頬(桐野夏生)
王妃の離婚(佐藤賢一)
紫紺のつばめ(宇江佐真理)、、文福茶釜(黒川博行)、永遠の仔(天童荒太)
山本周五郎賞 エイジ(重松清) 屍鬼(小野不由美)、チグリスとユーフラテス(新井素子)、恋愛中毒(山本文緒)

 

1999年マイ・ベスト10 作品に対するコメント
念力密室! 西澤 保彦 『複製症候群』まで至ってSFミステリに煮詰まっていた西澤が原点に戻った傑作。
人狼城の恐怖 二階堂 黎人 単純明解な大トリックが炸裂する二階堂のマスターピース。ちょっと長すぎるけど、それ相応の迫力があります。
サタンの僧院 柄刀 一 ヨーロッパの神学校やキリスト教信仰のおごそかな雰囲気がよく出ていて、それでいて強引なバカトリックも炸裂するというとんでもない作品。
QED 六歌仙の暗号 高田 崇史 巷では『ハサミ男』の評価が高いようですが、それより前にメフィスト賞からこんなすごい人がデビューしていたんだよ、という傑作。
とむらい機関車 大阪 圭吉 奇妙な理論、意外な動機、大胆なトリック、そして泣かせる物語、と、こんな作家が戦前にすでに存在していたとは!
司法戦争 中島 博行 アメリカの訴訟問題、日本の裁判の問題点に言及しつつ、司法の世界でスケールの大きな物語を二転三転させていく、リーガルサスペンスを満喫しました。
血ダルマ熱 響堂 新 奇病の病因探し、感染ルートに大学内の権力争いを絡めたサスペンスと、研究機関と地域住民の関係、科学者の暴走という深いテーマが興味深かったです。
千里眼 松岡 圭祐 周到な伏線と息もつかせぬ展開がすごい作品。この作者は少なくとも楡周平並み、もしくはそれ以上に評価されていいと思います。
三億円事件 一橋 文哉 こういう犯罪系のドキュメンタリーは大好きです。『闇に消えた怪人』よりさらにグレードアップして結論までもっていったところを評価。
10 果つる底なき 池井戸 潤 元銀行員の書いた金融サスペンスですが、もしこれを取材力だけで書いたら真保裕一になってしまう、というくらいの傑作です。
10 ダブルキャスト 高畑 京一郎 『タイム・リープ』並みの精緻な構成はさすがに難しいでしょうけど、ジュブナイルとしてけっこう楽しめました。登場人物の命名も笑えました。

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