名セリフ紹介
このコーナーでは、過去に読んだ本の中で、印象に残っている名文、名セリフを集めてみました。 |
「待っていろ、吉岡。今すぐ、救助を呼んで戻る」
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――(『ホワイトアウト』 真保裕一)
「徳川家康とルーム・クーラーについて議論したらたぶんこんなに空しいだろうな」
「僕は胸に勲章なんて下げたくない。もし重ければ走るのに邪魔になる。本当にいい絵には大袈裟な額縁は必要じゃない」
「淋しくなれば君もいてくれる。僕は一人ぼっちじゃない。僕はこの生活がとても気に入ってるのさ」
――(『占星術殺人事件』 島田荘司)
「風邪ってさ」「早くよくなってねって」「心配してもらうために」「ひくものじゃない?」
――(『ステップファザー・ステップ』 宮部みゆき)
「一瞬でも信用してしまったら、美馬坂さん、あなたの負けだ。これが呪いと云う、あなたがたの分野では扱えない僕の唯一の武器だ」
――(『魍魎の匣』 京極夏彦)
「ごきげんよう。行くところをまちがえないでね。あなたの行くところは地獄ですから」
――(『花ならアザミ』 志水辰夫)
「人間と人間のネットワークというのはねえ、情報網なんてものじゃなくて、ただの網なの」
「何があっても、一人で受け止めようなんて思ったらだめ。潰れちゃうからね。そんな時は、まわりの人に少しずつショックを分担してもらって、ネット全体で、ぽわんと吸収すればいいの。わかった?」
――(『天使の囀り』 貴志祐介)
「ただ、ただね、窓硝子に指で描いた絵は、一度消しても、思いがけない時に、光の加減で、うっすら跡が見えたりする。そんな風に、《意識のなかった時、この子は、あんなことをいってた、考えてた》と、何かの拍子に、思い出してもらえたら、……わたしとしては、嬉しいなあ」
――(『ターン』 北村薫)
「海っていいよね。海に行くとさ、癒されるって気がするのよね」
――(『レフトハンド』 中井拓志)
もうこの街では人びとは、後姿にだけしか熱い視線を走らせない――女がぽろっと涙をこぼしたのは、男のそんな言葉にだった。
「私たちのやりとりしている言葉に、もう意味なんてものはないのよ。あるのは好き嫌いの感情だけよ」
「君の変わりっぷりはあんまりだしぬけで、筋が通らないよ」
「好き嫌いの変わり目は、そんな季節の変わり目にみたいにやさしくないのよ」
――(『海に降る雪』 畑山博)
「俺はな、うっとうしいやっかい事に、頭のてっぺんから爪先までまとわりつかれた運のない男なんだよ。いってみれば、ノミに体中たかられた犬みたいなもんだ。いつでも後足で体を掻いていなきゃならない。だけどな、ノミが一匹もいなくなったら、俺は犬だってことを忘れるだろうよ」
――(『異邦の騎士』 島田荘司)
『我、汝の息の根を止めんと欲す。我の名は復讐、血の色の馬に跨れり』
「その通り。ただそれだけのために、この家は傾けてあるのさ。」
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――(『斜め屋敷の犯罪』 島田荘司)
お祭りのようだった世の中がゆっくりとおちついてきたあのころ。
のちに夕凪の時代と呼ばれるてろてろの時間、ご案内。夜の前に、あったかいコンクリートにすわって。
――(『ヨコハマ買い出し紀行』 芦名野ひとし)
「どうして人間ってのは変わってしまうのかねえ。しかも悪い方にさ。成功すれば傲慢になり、失敗すれば卑屈になる」
――(『片想い』 東野圭吾)