「剣客商売16・浮沈」 池波 正太郎
「剣客商売」シリーズ最後の巻。 作者は「浮沈」を書き終えて世を去ったそうだが、存命であったとして、この後の巻が出たであろうか。 あるいは、作者はいつ書けなくなってもよい用意をしていたのか。 この「浮沈」には、登場人物の死、とりわけ秋山小兵衛が93歳まで生きたことが三度も書かれている。 この作品で終わりになってもよい用意が施されているように思えるのだ。 池波正太郎の作品は本当に読み易い。 このシリーズ、後は番外編「黒白」「ないしょないしょ」の2作を残すのみ。 読み終えるのが惜しいシリーズだ。
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