タイトル | : 感想>「女王国の城」 |
記事No | : 1259 |
投稿日 | : 2008/01/14(Mon) 16:47 |
投稿者 | : くれい爺 <
> |
「女王国の城」 有栖川 有栖
冒頭、ぶつかりそうになった相手の車の助手席に座っていた女性の顔がムンクの「叫び」だった。 う〜ん、これぞ“有栖川調”。 でも、15年の歳月は作者にも読者にも変化をもたらしているのだろう。 15年前には、小生もまだ心の片隅に青春のかけらが存在していたのだが。 「双頭の悪魔」は事件の謎と推理を縦糸に、江神、アリス、マリアの三角関係を横糸に、ミステリーとしてとともに、青春小説としても面白かった。 小生はこの「双頭の悪魔」を高く評価していたのだ。 15年ぶりのミス研シリーズ、作者も気合が入りすぎじゃないか。 大作にしすぎ、という印象。 ミス研シリーズは一気読みの読み易さが一つの魅力ではあったのだ。 この作品は、なかなか一気読みとはいかない。 推理のほうはまずまずではないかと思うが、11年前の密室のからくりは、読者への挑戦状があっても分かるものではないだろう。 この作品を“2007年の本格ミステリーの成果”というなら、それは15年ぶりにミス研シリーズが書かれたこと、そしてこのシリーズがもう一作書かれるであろうことだろうか。
皆さん、明けましておめでとうございます。 今年はなんとしても東京へ行きたい。 何年ぶりかのオフしましょう。
|