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タイトル日本沈没 第二部
記事No1108
投稿日: 2006/08/03(Thu) 12:04
投稿者EGG
小松左京/谷甲州 小学館1890円

感想
「異変」から25年が経過するも、世界に散らばった日本人たちは、いまだ過酷な状況の中で奮闘しているようです。
第一部が出版され33年になるのだそうで、やっと完結したことに感無量です。あとがきによれば、プロジェクトチームを作り情報収集を若いSF作家たちに、執筆を谷甲州に、という何か映画を作るような感覚でできた作品らしいので、前作のような渾身のエネルギー、咆哮のようなものは聞こえてきません。谷氏の資質が小松と異なること以上に、小説とは時代の産物なのだと思わされます。
それでも、小松氏がどのような収束を考えていたのか、ということははっきり分かります。本来の構想では三部作なので、その第二部を大幅に端折(はしょ)った形ではありますが、作者存命のうちに(コラコラ!)完結できてよかったと思うのです。

登場人物の多くが、限られた情報しか持っておらず、彼らも今何が起こっているのか、日本政府が何を目指しているのか分からない、というのがちょっとストレスになります。しかしそういう構成にしたからこそ、この分量で何とか終わらすことができたわけで、25年後の日本人たち、そして地球がどうなっているのか興味がある方は、読んで損はないと思います。

P.S.
先日、リメイクの日本沈没を見てきました。
ネットの感想は散々だったので、恐る恐るだったのですが、まあ普通に見られました。「沈没しない」ことを知らなければ怒っていたかも。ただ、森谷監督の日本沈没がやはり上。藤岡弘も小林桂樹も好演していたし。懐かしいですね。
島田新刊 帝都衛星軌道 今週末から読む予定