タイトル | : 感想>「国のささやき」 |
記事No | : 1075 |
投稿日 | : 2006/06/02(Fri) 12:44 |
投稿者 | : くれい爺 <
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「国のささやき」 新保祐司
音楽の話から歴史、国家、思想といった話を広げていく批評文集。 帯に「文芸批評に新分野を拓いた」とあるが、これはちょっと大仰かな。 思うに、批評というには引用が多すぎる、内村鑑三と小林秀雄の。 これはあとがきで著者自身も「私の批評の楕円は小林秀雄と内村鑑三という二つの定点によって出来上がっている」といってはいるのだが、もう少し自分の言葉で言わなければ批評とはいえないんじゃないの。 内村鑑三については名前くらいしか知らないし、小林秀雄は今はどうか知らないが、小生らの年代の人間には受験によくでるというので高校時代にいくつか読んだ記憶があるだけで、それもほとんど忘れてしまった。 で、その内村と小林のどういっていたかというのはたくさん紹介してあって、その面ではなかなか面白く読めた。 つまり、著者がどう考えているのかというよりも、内村や小林がどう考えていたのかということがである。
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