子供の病気 | P-067 | 風邪談義 小児科医の雑談です。 | 子供の病気Topへ |
小児科を受診する病気の大半は風邪です。
この ‘ 風邪 ’と説明される状況には多種類の病気が含まれます。
呼吸器系統で炎症症状を伴う状況の全てを含めると言っても過言ではありません。
呼吸器系統と云われる部位は、呼吸で取り込まれた空気の通過する臓器、口・鼻・咽頭・喉頭・気管・肺です。
これらの臓器の類似病名としては、咽頭炎・喉頭炎・気管支炎(急性、慢性)・喘息様気管支炎があります。
言語辞典に拠れば、【 ‘風邪’は、くしゃみ・鼻水・鼻詰まり・喉のいたみ・咳・痰や発熱・頭痛・倦怠感を伴う状態 】 と説明されています。
医師が診断書の作成を依頼されれば、‘風邪’との用語は使用しません。
‘風邪’ は科学的にはアイマイな表現です。 これと同様に ‘感冒 ’もこの様にアイマイに使用されています。
本来なら 咽頭炎・喉頭炎・・・、と明確にすべきでしょう。
一方では、咽頭炎と考えられる状況でも、この様な症状を起こす原因場所は近くの臓器にまで拡がっています。 初期には狭い範囲に止まりますが。
一般的にも、アイマイではあっても ‘風邪’ との説明で受け入れられています。
「風邪と診断されていますが、症状が何時までも無くなりません。診断の誤りは考えられませんか」 との質問が相談室にも寄せられます。
‘風邪’は数日で快方に向かいますが、咽頭炎・喉頭炎・・・ではもう少し長い治療期間が必要です。
医者の説明にも不十分な点はありますが、誤った判断・説明ではありません。
日常の用語と医学的状況のズレが誤解に繋がるようです。
風邪と診断されても経過が長引く時は、もう一度詳しい説明を求めてください。
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