子供の病気 | P-055 | 血便 | 子供の病気Topへ |
便に血が混じって受診されることは小児にもあります。
保護者は ‘血’ を見ると驚き,緊急に受診が必要か否かの判断に戸惑われる様です。
フィルムケースに半杯の赤い血が出血しているようであれば緊急を要するでしょう。
出血と強い腹痛を訴える場合も緊急事態です。
発熱・嘔吐が合併している時は食中毒の可能性が高く緊急事態です。
少し時間が置けるようなら,血便の種類・原因を探って次の対策を考えてください。
出血の原因として消化管 (胃・腸) の病変による場合と全身の病気により起こる場合があります。 この区分けは家庭医学書にも書かれていますが,実際には難しいことです。
後者には血液の病気・毛細血管のような細い部分も含めての血管の病変・感染症 (細菌・ウィルス) による場合があります。 皮膚に点状の細かな出血の斑点から出血のアザで判ります。
これらを除いて前者を考えてください。
消化管の病変としては胃・十二指腸・大腸の潰瘍があります。 この潰瘍は大人の病気だけでなく小児にもあります。
消化管に ‘ねじれ’ が起こったり,絡んで通過障害が起こり,出血する場合もあります。(腸重積)
肛門部の傷による出血もよくあります。
病気の種類・原因を全て網羅していませんが,この程度の情報で判断出来るでしょう。
「この様な少しの出血で急ぐ必要はない」と言われて気分を害したと話されます。
心配しての受診を非難は出来ませんが,一例として書いた緊急事態を除けば,原因・種類を考えて対処する冷静さも必要でしょう。
|
|||
← ワイドモニターを使用の時 | 子供の病気Topへ HPトップへ 育児コーナーへ 家庭医学へ 運動発達へ |