子供の病気 | P-054 | 大泉門は脳の変化を見る窓です | 子供の病気Topへ |
最近,大泉門に関係する幾つかの質問が寄せられました。 簡単に説明しておきます。
脳を収容するボール状の骨 (頭蓋骨) は7 枚の湾曲した板状の骨で出来ています。
7枚の骨は周辺部がチャックの様にかみ合って接着されます。 サッカーボールの模様を想像してください。
骨と脳の発育速度は異なり大きくなる脳を収容するために,この接着はルーズであり,特に3枚の骨が接着されるコーナーは,接着されずに空白を残して新生児は産まれてきます。
皆さんが気づかれるのは頭頂部にある大泉門です。 緩いくぼみとして触れます。
ここでは心臓の拍動に同調した動きが見えたり,触知できます。
閉鎖するまでの期間は平均で1才6ヶ月頃とされていますが,個人差も大きいものです。2才を越えることもよくあります。
触診では指先に空間を感じなくなり,早く閉鎖したと言われることもあります。
ここを触診することで頭蓋骨内の収容物が異常に多くなっているか否かが判ります。 (水頭症,出血,脳圧亢進状態,等)
この大泉門が異常に早く閉鎖している時には骨の病気が疑われます。
これらの診察は ‘経験と勘’ に頼る非科学的な手段によります。
病気が疑われる時はX線検査等も必要になりますが,検査の入り口は ‘経験と勘’ に頼るしかありません。 定期的に変化を観察することです。
閉鎖が遅れて心配され,検査を望まれる保護者をよく見ますが,追加検査はX線検査等の本人にも負担になる検査になりますから,経験ある小児科医の指導に委ねてください。
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