子供の病気 | P-038 | 関節痛・リウマチ熱・心臓弁膜症 | 子供の病気Topへ |
小児科の診察室には,子供が膝関節の痛みを訴え,保護者がリウマチ熱を心配して精密検査を希望されての受診がよくあります。
相談室にもリウマチ熱を心配されての相談が寄せられます。
この場合保護者は,溶連菌感染症→リウマチ熱→心臓弁膜症 の関連を心配されて相談・受診です。
一方で成人・老人では関節リウマチの患者が多くあります。 街のリハビリ科でもこの病気のために受診する人が多数あります。
この状況から 関節痛→リウマチ熱→心臓弁膜症 の心配がオーバーラップしたようです。
ここに書いた 溶連菌感染症→リウマチ熱→心臓弁膜症 については誤りはありませんが,関節痛→リウマチ熱→心臓弁膜症 については誤りがあります。
関節リウマチとリウマチ熱は違う病気です。関節リウマチ→心臓弁膜症 はありません。
長く小児科をしていますが私の診察室で‘関節の痛み’から “溶連菌感染症”と診断した子供はおりませんでした。 この訴えを持つ子供に検査の必要もないと判断したのが大半でした。 全員に該当する意見ではありません。
‘関節の痛み’で血液検査は大半の例で必要ないと考えます。
簡単な血液検査でリウマチ熱と診断されたと話される保護者に出会いますが,詳細に経過を聞きますと信じられない判断と受け取れます。
単発の関節痛でリウマチ熱を疑う事例は非常に少ないと考えられます。
子供が‘関節の痛み’を訴えても大半の場合に血液検査は必要ありません。
この‘大半’と云う表現は曖昧です。 患者を迷わす表現でもあります。 ‘殆ど有りません’と解釈してください。
‘関節の痛み’を訴える子供の‘大半’でない子供 (異常があり・検査が必要であり・治療が必要となる子供) の対処については経過をよく見ることから検討が必要です。
注 溶連菌感染症で関節症状が伴うことはあります。
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