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内臓が筋肉・筋肉の変化した筋膜の緊張の弱いところを内側から押し上げ、皮膚にふくらみが見られる病気です。
ごく一般的なものでは鼠徑ヘルニアがあります。 下肢太股の付け根部にクルミ大のふくらみが見られます。 乳児の場合は泣いて腹圧が高まる時、成長すれば腹圧を高めた時に見られます。 この腹圧が下がるとふくらみも消えます。腹圧が下がっている時にふくらみが残れば、指で押し戻そうとするとグルグルと音がして簡単に戻せます。 万一押し戻すことが出来ず長時間続くならこれを‘かんとん状態’といいます。 外科医の治療が必要になります。 専門医であれば巧く押し戻せますが手術が必要になることもあります。
次に臍ヘルニアです。 いわゆる‘ 出べそ’ です。鼠徑ヘルニアに比べると ‘かんとん’ の危険は少ないようです。
鼠徑ヘルニア・臍ヘルニアの両方で完全に治療するために手術が必要になることがあります。
手術が必要か否かは小児外科医が判断します。小児科医では判断出来ませんので、早い時期に紹介をもらって外科医の診察をうけてください。
よく診察は近くで受けて手術が必要と判断されると、設備の整った病院に変わる人を見受けます。 手術の適応についての判断は医師により異なる場合もあります。手術が必要と判断された時に、手術も任せる医師の診察を最初から受けることが最善です。 これは他の病気にも言えることです。
よく治療具として突起のあるボタン状のもので圧迫する方法が奨められますが、時にこれが自然治癒の妨げになることがあります。専門医の指導で実行してください。
よく似た病気に乳児で臍の上部で腹部に縦長のふくらみを見ることがあります。‘腹直筋た開’と言われる病気です。大半は成長と共に消えます。
ここでお知らせしたいことは『病気の治療法、治療時期は、その病気を領域とする専門家の判断が必要』です。 病気が疑われた時に早い段階での専門家の診察が望まれます。
例えば、鼠徑ヘルニアの場合に大半は自然治癒します。 治癒しなくても日常の生活に支障がなければ手術は必要ないでしょう。 しかし女性の場合、妊娠時期に腹圧が高まり生活に支障が出るようで有れば手術も必要になります。 手術の可否・適切な時期の判断は小児外科医に任せる方がよいでしょう。
ヘルニアの治療具として突起のある器具を押し当てる物があります。この器具は自然治癒を妨げると反対している小児外科医が多いようです。
ヘルニアの開口部の筋・筋膜に突起が当たり自然の癒着(自然治癒)の妨げになるとの説明です。この器具の使用は専門医と相談してください。
絆創膏で抑えると有効な場合があります。 使用する絆創膏はかぶれない特殊な絆創膏が必要です。( 図 中央 )
家庭にある絆創膏を使用して硬貨を貼るのは効果がありません。 止めてください。
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