子供の病気 | P-021 | 吐く 謳吐 (子供に限っての解説) | 子供の病気Topへ |
子供も謳吐はよく起こします。病気でもなく吐くことから、車酔い、頭部外傷・胃腸病・脳の病気等、いろいろな状態で吐きます。
ここでは簡単に原因を列挙してみました。 全部は網羅していません。 日常に出会うことがあり、頭の片隅に記憶しておけばよいものに限りました。
消化器系統の病気 ウイルス・細菌により起こされる胃腸炎、食中毒、虫垂炎
中枢神経系の病気 髄膜炎、腫瘍、外傷によるもの
心因性の状態から
その他に肝臓、胆嚢、腎臓の病気でも謳吐することはあります。
生後まもない乳児では幽門狭窄、一才前後までの乳児に腸重積、まれには腸捻転が原因となることもあります。
この中で緊急の受診が必要となるものは食中毒、虫垂炎、外傷・頭部打撲後の謳吐、髄膜炎・腸重積、腸捻転です。
ウイルスにより起こされる胃腸炎と書きましたが、よく似た状況から起こるライ症候群・脳症は緊急の受診が必要です。 簡単な区別は痙攣・意識障害が伴うことが多くあります。
秋以降の時期には、ウイルス・細菌により起こされる胃腸炎、風邪の症状が先行して腹痛を訴え、謳吐を繰り返す状態の子供をよく診察します。 ここに書いた病状の場合なら時間を急いでの救急には当たらないでしょう。 夜間なら翌日受診で十分です。
これだれの知識で緊急度を判断することは困難かも知れません。
痙攣、意識障害、短時間の周期で繰り返す強い腹痛、腹部を触って強い張りを感じる、逆に普段よりも柔らかく緊張感が消失している、このような症状があれば緊急事態と判断すべきでしょう。
この緊急事態ではないと判断された謳吐がある時の家庭での対処法としては腹部を暖めることです。 使い捨てカイロをタオルで巻いて腹部に乗せてください。謳吐がある時の入浴は難しいことですが、入浴で体を温めるのは良い方法です。ただカイロの使用には低温やけどに注意してください。 長時間の連続使用は奨められません。
此処に説明した対処法は受診後にも続く嘔吐に試してください。
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