家庭の医学  P-018   解熱を強く望む必要はありません          ( PED-018 K-218)   家庭医学へ
 
 発熱を症状とする病気は感染症以外にもあります。感染症に限っても呼吸器感染症(例えばカゼ)以外に色々な器官の感染症で発熱はみられます。ここではカゼに代表される呼吸器感染症に限って説明します。(熱を考えるのにカゼが特別ではありません。)
 
 先ず病気の治療は原因への直接の治療が必要で症状の一つ一つに対応することではありません。
 
 発熱は病気の状態を示すバロメ−タ−です。進行している病気の状態を知るために一つの目安として、完全な解消は治療法の選択にマイナスになることもあります。
 
 動物実験ではウィルス感染が進行する段階で解熱剤を投与すると、ウィルス量が増加したとの報告があります。ウィルスに感染している動物に解熱剤を投与して正常体温にしておくとウィルスは多くの臓器に広がったとの報告もあります。
 
 これらの実験の意味するところは、ヒトの正常体温はウィルスの活動にも好都合な条件となり、活動を活発にさせているに違いないと推定させるものです。
 
 カゼの治療にあたっては原因の弱まり、消失を待つのが得策との見解ができます。
 
 ただ、ウィルスに有効な薬剤がない現状ではウィルスの自然消退を待つしかないのです。
 
 ここでウィルスに有効な薬剤は無いと書きましたが、有効であるとして発売されているものはあります。 しかしその効果の程と副作用のかねあいでここでは使用は奨められません。

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