家庭の医学  K-202   医師を評価する  家庭医学Top へ戻る
 
 相談室へのメールに 「混んでいるので、先生とのやり取りの時間も限られ、なかなか、十分な話が出来ない」 と書かれていました。
 
 診療は診断から充分な説明までが含まれます。
 
 受診を ‘契約行為’ と捉えるなら、診察室への入室から退室まで医師を占有していると表現できます。
 
 患者の権利として、診察室への入室から退室までは満足できるまで占有するとの気概も必要と考えます。 医師に遠慮、次の患者に遠慮は必要のない配慮です。 
 
 「混んでいて説明が聞けなかった」 は言い訳になります。 納得出来るまで問いただす努力を避けてませんか。
 
 皆さんは医師の評価に際して、“人気がある”・“受診患者が多い”・“混み合っている” を力量の判断材料とされます。 
 
 日常に遭遇する疾患の診療現場にいる医師の力量に大きな優劣は見られません。
 
 医師の経験から得意分野・不得手の分野、知識の多い分野と少ない分野は有ります。 しかし、一次医療で出会う疾患についての知識、対処する術についての優劣は少ないと考えてください。
 
 一次医療で守るべき事は、必要に応じて次の医療をどちらに託すかの判断力です。 全領域の疾患を何時までも抱え込んで手遅れにする誤診を避ける判断力です。
 
 診察室で一人の患者に対処する時間を充分に用意する医師を “優秀な医師” と 考える意識を受診者に望みます。

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