家庭の医学  KB-01   病気と入浴 1  病気でも入浴はOK  家庭医学Top へ戻る
 
  「病気の時に入浴はしても良いのか」保護者の悩まれる問題です。 中でもカゼの時に悩まれるでしょう。

 ここでは、病気の時にも状態が良ければ入浴は可能の理由を説明します。 次のコーナーで実際の入浴法を説明します。

 入浴には ① 全身を温めて血行を促進する ② 皮膚を清潔にする 効果があります。 成人の場合には精神的な疲労回復効果もあるでしょう。

 一方で、医師から入浴を止められる場合があります。 成人の場合には全身性の病気で、入浴の停止が必要な場合もあります。 日常の軽微な健康異変なら自己判断で良いでしょう。

 ここからは小児のカゼに罹った時に限って説明します。 

 病気になると入浴は止めるように指示されることが多いようです。 入浴が病気の治療に、回復にさしつかえる事があるのでしょうか。 科学的に病気に入浴が悪い影響をもたらすかどうかを検討したとは考えられません。 医者も科学的な根拠もなく、自分の小さな時から教えられてきた先入観で入浴は体に疲労をもたらすものと考え、この疲労は病気の治療にじゃますると判断して入浴を止めていたと思います。 

 子供の高熱を下げるために外国ではぬるま湯につけるように指導されることを聞かれたり、海外で居住して経験された方は大勢おられると思います。 アメリカの育児書にも解説されているのは見かけますし、WHOの監修で発行されている小児の救急時の対処法を解説している教科書にも熱を下げる方法としてぬるま湯を高熱の子供にかけることを薦めています。 子供が高熱になっている時はぐったりして消耗している状態です。 この時に入浴やぬるま湯をかけることを薦めるのは、入浴が体に疲労をもたらし病気の治療に悪い影響をもたらさないと判断しているからでしょう。  

 日本でも外国でも病気と入浴との関連を科学的に検討されたことは少なく、長い期間の生活風習のなかから経験的に考えられる知恵の違いが現れているだけだと考えています。  

 しかし、生活風習や住居施設の違いもありますから無批判に取り入れることも問題を残すと思います。 日本で入浴について良しとされていることでも間違いではないかと考えられる事もあります。長いあいだの小児科医の経験として入浴についての考え方をまとめてみました。  

 小児のカゼの場合には、① 高熱(38℃以上)が無い ② 体力の消耗が無い ③ 本人が入浴をいやがらない これらの時には入浴はできます。

 多の病気の時には上の説明を応用して自己判断してください。 慢性疾患も含めて、大半の場合に入浴を止める必要はありません。 小児科医が入院を勧めない場合には、急変の数日をのぞいて入浴は許されるはずです。

 病気の時に入浴はダメと誤解している理由があります。 病院に入院すると入浴の機会がありません。 ほとんどの病院に入浴施設が設置されていない為です。 病気の場合に入浴が治療の妨げになるのではなく、接地されていない施設の都合で入浴の機会が奪われているのです。 入浴設備が備わった病院では、入浴は寄るされています。

 内科の医師は老人の入浴中の急激な血圧の変動で事故が多くなっているのを予防するためにお湯の温度は38-41℃が適温と薦めています。 

 関連する説明を三項目掲載しています。 他のコーナーも読でください。
  1  病気と入浴 1  病気でも入浴はOK  このコーナーです。
  2  病気と入浴 2  入浴に必要な注意 1
  3  病気と入浴 3  入浴に必要な注意 2
  推敲中  2014/01/17

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(朝日新聞 1999.1.18 朝刊家庭欄、近畿版)