家庭の医学      K-080   排気ガスの許容量   家庭医学のTopへ
 
 相談室には自動車の排気ガス、工場の排煙についての相談・質問が寄せられます。
 
 「どの程度までなら安全ですか」・「交通量が多く、排気ガスの多い道路の通行は子供にどの様な影響が残りますか」 等の質問です。
 
 子供の健康を考える立場では 『 ゼロが安全です 』 と答えるしかありません。
 
 行政は ‘国民の健康維持に必要な基準を設ける’ として “許容量”・“安全基準” を定めています。
 
 この数値を健康維持を最優先した判断か否かが問題です。 企業よりの判断が優先されているように思えます。
 
 ハードルを低く設定して欲しい企業・機器使用者( 一般の使用者ではありません ) と排出をゼロにして欲しい国民との駆け引きです。 歩み寄りは必要としても相容れない難問です。
 
 健康を考える場合、個人差によって無害で過ごせる量は異なります。 『ゼロが安全です』 は小児科医・医師として撤回できない意見です。 現状の大気汚染が個人に残す影響は推測不能です。
 
 中間に設定される数値の評価は皆さんの政治意識・イデオロギーで異なるでしょう。
 
 政治討議をする場ではありませんから、希望値については皆さんが真剣に検討してください。
 
 食品の安全基準にも同じ事が云えます。 企業よりで設けられた安全基準も守られていない現実は恐ろしく感じます。

 福島原発事故の後、放射能汚染が起こりました。 放射能汚染を数値で表現する時、安全基準値が公表されてきました。

 “許容値” と書かれると、「我慢出来る範囲」 の意を感じます。

 “安全値” と書かれると、 「健康に安全」 と理解します。 

 放射能汚染については、“許容” を強制しない “安全値” が検討されるように望みます。   

                                         2011/11  追記

 ← ワイドモニターを使用の時  家庭医学Topへ   HPトップへ  育児コーナーへ    子供の病気へ    運動発達へ