家庭の医学 | K-075 | “強いクスリ”・“弱いクスリ” この表現は間違いです | 家庭医学のTopへ |
皆さんの会話で 「強いクスリを処方して貰った」 とか 「弱いクスリにして貰った」 との内容を聞きます。
“強いクスリ” ・ “弱いクスリ” が医療の説明としては正確でないと考えます。 私はこの会話に賛成できません。
治療効果を望む時には “強いクスリ” を “良い医療” の代名詞として、副作用を心配する時には “弱いクスリ” を “配慮した医療” の代名詞として使われています。
薬剤使用の条件は有効か無効かの判断が第一です。
有効な薬剤が複数有れば、副作用の少ない薬剤を使用するのが第一の選択です。
抗生物質の場合に “強いクスリ” を処方して貰ったと喜ばれます。
アトピー性皮膚炎の治療では “弱い軟膏(クスリ)” を貰ったと喜ばれています。
抗生物質の場合には細菌へり効力(感受性) の有無が条件です。
アトピー性皮膚炎の軟膏では適応の正しい薬剤の中から副作用の少ない軟膏を選ぶのが第一です。
皆さんの発言が当たっている時もありますが、上に説明しました条件が無視されている場合にも直面します。
副腎皮質ホルモン軟膏の場合には濃度・効果発現から“強い”・“弱い”が正しく評価されます。
医師が “強いクスリ” ・ “弱いクスリ” と説明する時も有りますが、医療を正確に説明しているとは考えられません。 賛成できない説明です。
薬剤の選択は医師に委ねられた仕事ですが、患者側の間違った理解・発言が邪魔をしている時があります。
ジェネリック薬品が話題になっている時、“強いクスリ” ・ “弱いクスリ” の間違いにも気づいてください。
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