家庭の医学 | K-053 | 医薬分業 全ての医薬分業が患者本位ではありません | 家庭医学のTopへ |
最近は医療機関での医薬分業も多く取り入れられるようになりました。
医薬分業が患者の為だけで進められていない側面を知ってください。
現在の健康保険法の点数計算では、医薬分業の方が個人負担金は必ず増します。
‘技術料’に相当する点数が、医療機関と薬局で二重に請求されるからです。 もちろん、合法的ですが。
総合病院で多数の医師が外来診察をする時には、薬局で効率よく薬を手渡すためには、医師と同数の薬剤師が必要になります。
現実としてこの様な人員配置は不可能で、総合病院の薬局前は長蛇の列になります。 このような医療機関ではミスを避け、待ち時間を少なくする為にも医薬分業の必要性はあるでしょう。
個人医院・小病院の ‘門前薬局’ は本来の目的と経営面の利点を合わせたものです。
医薬分業にして、薬局での薬剤情報の伝達と指導を重視するとされていますが、医師も薬剤情報に精通せずして処方は出来ません。
医薬分業の制度を取り入れた医療機関と取り入れない医療機関の、個人負担を同一にして、医薬分業の利点を論じるべきとの主張で、この一文を書きました。
医薬分業の基本理念に反対はしていません。
‘門前薬局’には賛成出来ません。 ‘門前薬局’ とは、医療機関と門前の調剤薬局の実質的な経営者が同じで、営利の目的で設置された薬局です。
もう一点の問題があります。
治療に使用する薬剤の選択、量の決定は医師が判断しています。
薬剤それぞれの効能・副作用は薬剤師も説明出来ますが、患者個々についての判断は医師にしか出来ません。
一般的な説明は薬剤師から受けても、個別の説明は医師に依頼してください。
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