家庭の医学  K-041   医療機関の待合室が怖い   家庭医学のTopへ
 
 「医療機関の待合室で感染症をうつされそうで怖い」 との話が相談室に寄せられます。
 
 感染症について見方を変えてください。 伝染病と言われ予防接種が用意されている病気があります。 これも当然感染症に分類されますが,ここでは別グループとして説明します。
 
 先に予防注射のある感染症についての話しです。
 
 予防接種は ‘抗原’ を接種して ‘抗体’ を作り,病気を予防します。
 
 小児期に接種が奨励されている病気の抗体は,一生涯効果が持続するものと説明されています。 しかし,抗体の効力は徐々に弱くなります。抗体が弱くなった子供が病気に罹った子供と接触すると,追加の接種をしたことになり,効果が増加されます。
 
 この繰り返しを数度すると一生涯に効果が持続します。再感染は必要な事です。
 
 予防接種の無い感染症の話しです。
 
 伝染病として説明されない感染症でも繰り返しての感染を受けると抵抗力は増加します。 程々に,風邪に罹るのも必要な事です。
 
 ‘伝染病の再感染’・‘感染症の感染’ も健康増進には有用な効果があることは知ってください。
 
 医療機関内でも,他の場所でも 「病気をうつされた」 との発言は控えて欲しいと思います。
 
 ここまでの説明を理解して貰って,最初の訴えに戻ります。
 
 総合病院小児科では感染症に罹った子供用に待合室か別室が用意されています。受診の際には手際よく受付に説明して他の子供との接触を避けてください。
 
 開業医療機関では別室が用意されていることは少ないでしょう。 医療機関に行く前に電話で症状を伝えてください。 診察時間を変えるか,来院されたら直ぐに診察する用意が出来ます。
 
 これだけの配慮で伝染病については他の子供にうつす心配は少なく出来ます。
 
 感染症に配慮が必要と指示されている子供にも同様な手配を依頼して下さい。
 
 医療機関内では皆さんの協力で感染は可能な限り避けるべきと努力しています。
 
 一般の感染症については必要以上の怖れを感じることは必要ないと考えます。 必要な受診を優先して欲しいと考えます。
 
 医療機関に従事する者は感染症にさらされていますから,感染症には抵抗力を持っている者が多いようです。
 
 最初に引用しました発言は控えて欲しいと考えます。 お互いのチエで解決出来ます。

  ← ワイドモニターを使用の時  家庭医学Topへ   HPトップへ  育児コーナーへ    子供の病気へ    運動発達へ